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18. 一味崩壊の危機
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「うそ…ぷ……?」
チョッパーのか細い声が響く。
慌ててナミがルフィを見た。
「ちょっとルフィ! このままでいいの!? 早く追いかけて! 止めてよウソップを!」
「……」
ルフィは黙ったまま、その場から動かない。
ゾロはその様子をチラリと見て、静かに目を閉じた。
逆にナミはわなわなと震え出す。
「ここまで一緒に旅してきた仲間じゃないの……こんな別れ方しちゃっていいの? ねぇ、ルフィ! アンタ、船長でしょ!?」
「……」
「……何で、何も言わないのよ」
耐えかねたナミは船室を飛び出す。
チョッパーとサンジも後に続いた。
甲板から見下ろせば、ウソップはウォーターセブンへ向かい、岩場を歩いているところだった。
「待ってウソップ! こんなのダメよ! 引き返して!」
「おい! 聞こえてんだろ! 戻れ!」
「行かないでくれよウソップーっ! うわああああん!」
チョッパーの泣き声が夕日の中で木霊する。
そこへ、ルフィとゾロが出てきた。
「ルフィ……」
やっと止める気になったのか。
そう思うナミだが、ルフィは一向に喋ろうとしない。
逆に、口を開いたのはウソップの方だった。
「ルフィ、お前とはもうやっていけねぇ。最後まで迷惑かけたな」
「……っ」
「確かにその船は、船長であるお前の物だ。……だから、俺と戦え、モンキー・D・ルフィ」
「「「!?」」」
「俺と、決闘しろ」
「え…え……? ちょっと、何言ってんのよ」
戸惑うナミを差し置いて、ウソップは宣言した。
「今夜10時。俺はまたここへ戻ってくる。そしたらメリー号を賭けて決闘だ! お前を倒してメリー号を貰っていく! ……それで、俺とお前たちとの縁も終わりだ」
そう言うと、ウソップは去っていった。
それを皮切りに日が沈む。
辺りはどんどん暗くなっていった。
―――夜。
10時までもう少しというところで、ナミは、ハンモックに寝そべったルフィを説得していた。
「何よもう! こんな馬鹿なことやめて! どうして仲間同士で決闘なんかするのよ! もう少し時間を置けば、お互いに頭も冷えるでしょう!? ウソップだって、急な話でカッとなってただけよ!」
ルフィは生気のない目でチラリとナミを見てから、麦わら帽子を目深にかぶった。
「こうなったら引き返せねぇよ」
「そんなことない! アンタが謝って、もう一回話し合えば済むことじゃない!」
「ウソップは……アイツは、カッとなった勢いで命を賭けるほど馬鹿じゃない。それに、話し合いでどうにかなるくらいなら、最初からこんなことになってねぇよ」
そう言ってルフィは、ナミを避けるように寝返りを打った。
「……分かったらあっち行ってろ」
「な……っ……もう!」
これ以上は無駄か。
ナミは男部屋を後にし、船室の方へ戻って来た。
すると……
「だから! 昼間ここに来たんだろ!?」
「ぁあ? 何の話だ」
「フランキー一家の奴らだよ! 何でそのときテメェの手で再起不能にしておかなかったんだ! そしたらウソップがやられることもなくて、負い目を感じることもなかっただろ!」
「じゃぁテメェが船に残ってアイツらの相手してりゃ良かったじゃねぇか!」
サンジとゾロが意味のないことで喧嘩していた。
ナミは怒りに任せて声を張る。
「やめて」
2人は肩を揺らしてナミを見た。
「揉め事なんてもう沢山。終わったことで言い合いしないで」
何となく1人になりたくて、ナミは甲板へ出た。
夜風が頬を撫でる。
「……」
いい夜だった。
満月が輝き、海も穏やかで。
……けれど、心だけが曇っている。
「……まったく、ロビンもティオも、こんなときにどこほっつき歩いてるのよ……」
頭の回るあの2人がいれば、状況はもう少し変わっていたかもしれないのに。
あの2人だったら、ウソップを納得させるような言葉を言ってくれたかもしれない。
「……ダメね。私まで終わったことを……」
ナミはウォーターセブンを見つめた。
昼間はあれだけ華やかに見えたのに、夜の闇の中だと何だか不気味に見える。
「……もし、ロビンとティオにも何かが起こっていたとしたら……何だか、一味がバラバラになってくみたい……」