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17. ウォーターセブン
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「……」
見聞色の覇気で観測されるロビンの位置は、数分前から動いていない。
裏町のとある場所に留まったままだ。
一緒にいた誰かは今も近くにいるが、隣にいる、というわけではなさそうだ。
(……さか、ば?)
ロビンの居る場所に辿り着き、上空で何度か旋回する。
下には酒場が見えており、その中にロビンの気配はあった。
"ボンッ"
人の姿に戻り、酒場の入り口に降り立つ。
ロビンは店の奥の方にいるようだ。
ティオはそのまま客の振りをして、素知らぬ顔で店へと入っていった。
"カランカラン"
ドアベルが鳴る。
「いらっしゃい」
カウンターから、男がグラスを拭きつつ声をかけてきた。
客相手のラフな笑みを浮かべている。
「……」
ティオは無表情にチラリとその男を見た。
CP9メンバーの1人、ブルーノ。
……いや、大丈夫。
カクは自分のことをまだ伝承者だと認識していた。
きっと情報はまだ伝わっていな―――
(……ちが、う)
急速に回転した頭が、今さら最悪の可能性を導き出した。
"シュタッ"
気づくと、ティオは
しかし……
「どこへ行く」
「!」
突然、何もない空間から声がした。
"ギイィィ…"
目の前の空間が丸く切り取られ、ドアのように開く。
そのドアから出てきたのは、ブルーノ。
ラフな笑みは消え、CP9として氷のような表情を貼りつけていた。
ティオは焦りながらも、何とか
「無駄なことを。……
一瞬のうちに、ティオの隣にブルーノが現れた。
速度負けしたのだ。
「初めましてだな。元・海軍本部元帥付き諜報員、並びに元・世界政府特殊記録伝承者、ティオ。世界政府及び海軍の出奔者として、お前を捕える」
……あ、ダメだ。逃げきれない。
見開かれていた青い瞳が悔しそうに歪んだ。
……見誤った。
カクは確かに情報を持っておらず、ティオのことをまだ伝承者と認識していた。
けれどそれは、CP9全員に言えることではない。
CP9における情報の伝達経路は、長官のスパンダム→潜入先の情報受信役→メンバー全員、という順番だ。
つまり、カクは知らなくても、情報受信役は知っている可能性があった。
その情報受信役が、目の前の男、ブルーノだったのだ。
……この程度、どうして酒場に入る前に予測できなかったのか。
ロビンがいなくなったと聞いた時点で、CP9が動いているつもりで動き出すべきだった。
理由もなく、ロビンが黙っていなくなるわけがないじゃないか。
諜報員として海軍にいた頃なら、まずは鼠に変身してこっそり酒場に侵入し、情報を集めることに専念しただろう。
情報が不確定なまま、姿も変えず店に入るなんて絶対にしなかった。
……思考が楽観的になっていたようだ。
いつの間にか最悪の可能性を除外していた。
麦わら一味の驚異的な成長速度と運の強さ。
それに過剰な期待を寄せていたのかもしれない。
何があっても何とかなると、どこかで思い込んでいたのかもしれない……
諜報員として腕が落ちたものだ。
これではクザンとの賭けに勝つなんて、夢のまた夢……
「……ふがい、ない」
こんなんじゃ、この先―――
"トンッ――――ドサッ"
誰もいない路地裏で、金髪が地面に散らばった。
→ 18. 一味崩壊の危機
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