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16. 夢とカエルと海列車
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どうやらこの建物には、老婆と子供と猫しかいない様子。
麦わら一味は話をしてみることにした。
円滑に話を進めるため、サンジの作ったパイユをお土産代わりに持っていく。
「ほ~、こりゃぁ酒の肴にいいねぇ」
「おいし~っ」
「ニャァ!」
気に入ってもらえたらしい。
子供がきょとんとした顔で話し始めた。
「あたしはチムニー。んで、こっちが猫のゴンベに、ココロのばあちゃんよ」
「オメェら列車強盗じゃねぇらろうなぁ、んがががが」
「俺はルフィ、海賊王になる男だ!」
「ホント?」
「あぁ!」
「んがががが、面白い男らねぇ」
ナミが一番気になっていたことを訊いた。
「ねぇチムニー、あれは蒸気船でしょ? でもあんな形じゃ航海なんて……」
「えへへ、見たことないでしょ。世界中探してもここにしかないよ。あれは海列車、パッフィング・トムって言うの」
「煙吹きトム?」
「蒸気の力でパドルを回して、海の線路を進むの」
「線路?」
首をかしげるウソップの横で、ティオが海の中を指さした。
「すいめんの、ちょっとした、とおってる。5つのしま、つないでいて、れっしゃは、まいにち、おなじところ、ぐるぐるまわってる。せかいで、たったひとつの、うみのうえ、はしる、れっしゃ」
「うおっ、ホントだ、線路が浮いてるぞ!」
「俺たちはあれに乗り上げたってことか」
チムニーがふくれっ面で答える。
「そうよまったく。仕切りも信号機もあるのに入ってきちゃ危ないじゃない」
「つーか信号機の向き逆だろ。これじゃ船からは見えねぇよ」
「危ねぇっつってもよぉ、あのカエルにはそれ分かんねぇだろ。吹き飛ばすのは酷いと思うぞ! せっかく丸焼きで食おうと思ってたのに」
「まだ食う気だったのかルフィ!?」
「カエルってヨコヅナのこと?」
「あぁ! クロールガエルだ!」
「ヨコヅナはあのくらいじゃ死なないわ。このシフトステーションの悩みの種なのよ。力比べが大好きで、いつも海列車に勝とうとするの」
「力比べ? あぁ~、だぁからアイツ逃げなかったのか。根性あるじゃねぇか!」
「冗談じゃないわ! 困ってるのよこっちは! 排障器だって何度も壊されてるし、アイツが出てくるたびにお客さんに大迷惑かけてるんだから」
「そうだったのか……。よぉし! 俺アイツ食わねぇ! 頑張り屋は俺食わねぇ!」
「初めからそうしなさいよカエルなんて!」
ココロが酒を仰ぎながら訊いてきた。
「そんで、オメェらどこへ行きてぇんらい? ここから海列車で行くとすりゃぁ、春の街セント・ポプラ、美食の街プッチ、カーニヴァルの街サン・ファルド。どこに行っても楽しいよぉ? ひっく…政府関係者ならもう一本別口の特別便があるけどねぇ、んががが」
「美食の街プッチ……あぁそうか。無人島で会ったおっさんたちの言ってた街だ」
「あぁ~そういえば。んじゃあ美食の街で」
「違うでしょこのお馬鹿キャプテン」
ナミはルフィの頭を叩いてからログポースを指す。
「私たちは船があるから列車には乗らないわ。ログに従うだけ」
「ふーん。どこ指してんの?」
「ここから東の方角よ」
「んががが、そりゃぁオメェ、ウォーターセブンらね。さっきの列車はその街のブルーステーションから来たんらよ。まぁ水の都っつーくらいだからいい街さね」
「ウォーターセブン?」
「何よりアンタ、造船所でのし上がった都市だ。その技術は世界一。来る船はみ~んな世界政府の御用達と来たもんだ、すげぇらろ」
ルフィがピンと反応した。
「そんじゃあ すげ~船大工もいるな!?」
「いるなんてもんじゃないよ。世界最高の船大工の溜まり場だぁ、あそこは」
「あはっ、ウソップ!」
「あぁ!」
ルフィとウソップは一緒に目を輝かせた。
「よぉーし決めた! そこへ行って必ず船大工を仲間にするぞ!」
「そうかいそうかい。んじゃちょっと待ってな? ぁよっこらしょっと……」
ココロは一度建物の中へ入っていった。
やがて小さな紙切れを持って出てくる。
「ほいじゃあこれな。簡単な島の地図と紹介状ら。これをアイスバーグって奴に渡して、しっかり船を直してもらいな。ウォーターセブンは広いからね。迷わないこった」
「うほほ~い!」
「心の広いココロさん! 何ていい人だ!」
一味は早速出港準備に取り掛かった。
「あたしたちも近いうちにウォーターセブンへ帰るんだ~」
「んががが、もしまた会ったら、そん時は行きつけの店で一杯奢るよぉ?」
「そっか! んじゃまた会えるといいな! にっしっしっ」
「ウォーターセブンでのログは一週間くらいらよ、ゆっくりしていきな?」
「あぁ、ありがとう! ……そんじゃまあ」
ルフィは拳を突き上げた。
「野郎共、出港だぁぁ!!」
「「「おう!」」」
「気をつけてね~!」
「んががが、政府の人間には注意すんらよ」
「よぉ~し行けぇメリー! 肉の都!」
「いや水の都だっつの。オメェは何聞いてたんだよルフィ」
メリーはウォーターセブンに向かって進み始めた。
そのとき……
"ピシッ……"
「……?」
ティオは何か、小さな悲鳴のようなものを聞いた気がした―――。
→ 17. ウォーターセブン
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