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16. 夢とカエルと海列車
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―――怖い、恐い、コワイ。
気づいたら頭の中に映像が流れ込んでいた。
自分の足が踏んでいる、床材となった石の記憶を遡っていく。
何千何万回も人に踏まれるところ。
床にはめ込まれるところ。
採石場で職人に切り出されるところ。
山肌の一部として岩であり続けていた時代。
何億年にもなろうかという石の記憶が、際限なく頭の中で溢れた。
―――長い……長い…長い、長すぎる。
永遠に等しい時を、ただ感情もなく孤独に過ごし続けた石の記憶に、いつしか発狂した。
気持ち悪くて、その場から逃げ出した。
でも地面はどこまでも続いているから、いつも何かの記憶が勝手に流れ込んで……
―――そのうちに、知った。
人間としての感情があるから苦しいんだと。
だから……
感情を、消した―――。
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