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15. 海軍本部大将青キジ
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その頃、メリー号では。
「急げウソップ!」
「シャワー室に運びゃいいのか!?」
「あぁ! とりあえず水で徐々に溶かすしかねぇ!」
ウソップとチョッパーが慌てながらも慎重にロビンを運び入れていた。
向かう先はシャワー室。
「……?」
あまりに大きな声に、さすがのティオも目を覚ました。
熱に浮かされる頭でも、何やらただならぬ状況であることは分かる。
「……っ」
鉛のように重く、酷い頭痛と眩暈のする体に鞭打って、ティオは布団から抜け出した。
船室を出て、シャワー室の方へ向かう。
"ザバァッ、ザバァッ"
シャワー室からは水をかける音と、2人の声が響いてきた。
「息……なんて出来ねぇよなっ」
「たぶん仮死状態だと思うんだ……」
「んなっ、だったら急がねぇと!」
「でもっ、急に温めたら割れちまうし……熱は体内から取り戻さなきゃっ」
「ぃ、いいのかこれで本当に!」
「……分からねぇっ……でもこうするしかっ」
「分からねぇで済むか! ロビンの命がかかってんだぞ!」
「ひっく……けど俺っ、こんな全身凍っちゃった人間見たことねぇもん! ……青雉はまだ生きてるって言ってたけど、俺にはそっちの方が不思議なくらいでっ」
「泣きごと言うな! お前に救えなきゃもうどうしようもねぇ! お前はこの船の船医なんだぞ!」
「分かってる! 少し黙っててくれよ!」
……叫びにも似た、2人の言い合い。
それをシャワー室の扉の前で聞いていたティオは、目を見開いてその場に佇んでいた。
「……あ、お……きじ」
"青雉"なんて名称は、この世でただ1人、クザンだけに与えられた二つ名。
"キィ……ッ"
ティオはシャワー室の扉を軽く押した。
その音でウソップとチョッパーが振り返る。
「「ティオ……」」
ティオは全身凍りづけのロビンを見て確信を持った。
「きて、る……くざんが、きてる……っ」
―――マズい。
遅かれ早かれクザンとは会うことになるだろうとは思っていた。
しかしこんなに早かったとは……
「……」
ティオは拳を握りしめ、一度ぎゅっと目を閉じてから、覚悟の光を宿して再度開いた。
「……ろびんは、だいじょうぶ。まだ、いきてる。ちょっぱー、じぶん、しんじて、ちりょう、つづけて」
「ほ、ほんとかっ!? 本当にロビンは生きてるのか!?」
「(コクン)…ほしょう、する」
クザンが氷漬けにしたものは、生き物も無機物もたくさん見てきた。
だから分かる。
ロビンはまだ生きている。
ティオの言葉に、2人はパァッと表情を明るくした。
「よ、よしっ、今はとにかく氷を溶かすのが先決だ! それから徐々に体温を戻すぞ!」
「分かった!」
再び水をかけ始める2人。
「……」
ティオはシャワー室を出て、甲板に立った。
ふらつく足で欄干に身を預け、見聞色の覇気を使う。
「……くざん」
よく知っている気配。
どうやらルフィと交戦中らしい。
クザンが本気の"ほ"の字も出していないのが分かる。
……そこへ。
「チョッパー!」
ゾロ・サンジ・ナミが走ってきた。
呼ばれて、チョッパーがシャワー室から出てくる。
「えっ、何でお前らだけ……」
「話はあとだ! 俺たちはすぐ引き返す! この凍った手足を何とかしてくれ!」
「あ、あぁよしっ、えっと、すぐその固まったところを水で溶かさなきゃっ……でも、シャワー室はロビンが使ってるし……」
"ザバァンッ"
「ぅぇえっ!?」
ゾロとサンジは海に飛び込んだ。
「これでいいのか?」
そう、水で溶かせと言うなら海の水でもいいはずだ。
「あ、あぁっ、ちゃんと低温で溶かしたら、患部を摩擦しながら船に上がってきて! ナミはロビンの方を手伝ってくれよ!」
「うん!」
数分すると、ゾロとサンジは船に上がってきた。
そこに、タオルを取りに行こうとウソップが出てくる。
「え、何でお前らここに……ルフィはっ、青キジは!?」
2人は患部を摩擦しながら、目を伏せて答えた。
「一騎打ちがしてぇんだと」
「一騎打ち!? オメェらそれでルフィ1人置いて帰ってきたのか!?」
「……船長命令だっ」
「いくら船長命令でもちょっと薄情すぎやしねぇか! オメェらルフィが「おい!」
"ドカッ"
サンジがウソップに掴みかかった。
「一騎打ちだぞ……分からねぇのかオメェには!」
そこにゾロの一喝が入る。
「やめろ! ……こんなときに」
「……っ」
「……っ」
「……今、一味の瀬戸際だ。この決断がアイツの気まぐれだろうと何だろうと、もしもの時はそれに応えるだけの腹ァ括っとけ」
サンジはウソップを離した。
ウソップはそのまま、ズルズルと座り込む。
そして何やら考えたのち、ハッとした。
「な、なぁ、そういやティオの奴、知らねぇか?」
「あ? ティオちゃんなら部屋で寝てんだろ」
「い、いや、さっき起きてきたんだよ」
「つったって、いねぇぞ」
そこで3人はハッとした。
「「「まさかっ……」」」