15. 海軍本部大将青キジ

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「こっちにも悩殺姉ちゃんスーパーボイ~ンこんにちは~」

サンジとウソップが叫んだ。

「何やってんだコルァッ!」

「話を聞けぇ!」


クザンは気だるげに両手を挙げる。

「ちょっと待ちなさいよお前ら。そっちこそ話聞いてたか?」

「「?」」

「俺は散歩に来ただけだっつったでしょー。大体、お前らはアレだよ、ホラ……」

「ん、あ、アレ?」

「ホラって?」

「あー……忘れた。もういいや」

「「話の内容グダグダかテメェ!」」

「おいロビン、人違いじゃねぇのか? こんな奴が海軍の大将なわけねぇって!」

「おいおい、人を見かけで判断するなって。俺の海兵としてのモットーは、ダラけきった正義だ」

「「見かけ通りだよ!」」

「まぁとにかく、アレだ……あー、ちょっと失礼」

クザンはその場に寝転がる。

「立ってんの疲れた……ぁよっこらしょっと」

「じゃあさっき何で立って寝てたんだよ……」

「あー、えっと? そんでまぁ、アレだ。お前らをとっ捕まえる気はねぇから、安心しろ。アラバスタの事件後、消えたニコ・ロビンの消息を確認しに来ただけだ。予想通り、お前たちと一緒にいた」

「……ほんっとにヤル気ねぇんだなコイツ」

「ふてぶてしさはある意味で大将だ」

「まぁ、本部に報告くらいはしようと思う。賞金首が一人加わったらトータルバウンティが変わってくるからな。1億と、6000万と、7900万を足して……あー、分からねぇが、まぁ、ボチボチだ」

「しろよ、計算……」

「ゴムゴムのぉ~「うわぁちょっちょっと待てルフィ!」

いきなりクザンを攻撃しようとするルフィをウソップとサンジが止める。

「放せお前ら!」

「こっちから吹っかけてどうすんだ!」

「相手は最強の海兵だぞ!」

「だったらロビンを黙って渡すってのかこのやろぉぉっ!」

「あーいやーだからぁ、何もしねぇって言ってるじゃねぇか」

「んなこと知るか! ぶっ飛ばしてやる!」

「だぁから待てってルフィ!」

……何だかややこしくなってきた。

と、そこに。


"ガサガサ……"


草をかき分ける音が響いた。

「「「「?」」」」

麦わら一味もクザンも、そちらに目をやる。

すると、人が10人ほど草陰から出てきた。

子供もいる。

みんなボロボロで弱っているようだ。

「あ、アンタ、海兵だったのか。それを早く言ってくれれば……」

「え、誰よ、この人たち…」

「無人島じゃなかったのか?」

クザンが寝転んだままで人々を見回し、答える。

「たぶん、難破船からここまで流れ着いた乗客たちだろ。ひと月前にこの海域で一隻の客船が行方不明になったって話を聞いた」


……とりあえず、麦わら一味とクザンの冷戦状態は休戦。

チョッパーが人々の傷を手当てして回った。

「どうだ? チョッパー」

「怪我はみんな軽いから大丈夫だよ。俺の持ってる薬を塗れば心配ない。……それより、みんなロクに飯を食ってないみたいだ。体が弱ってる」

「今、サンジ君とウソップが食材を取りに行ってるわ」

「お~い! お待たせ~!」

2人が持ってきた食材を使い、即席のバーベキューを拵える。

「うわ~! お肉だぁ!」

「おいし~っ!」

子供たちが真っ先にがっついていく。

「ははっ、よっぽど腹が減ってたんだな」

「そう慌てんなって。まだまだいっぱいあるからよ」

「モグモグ……ほーだほーだ、まだまだいっぱいあるぞー!」

「って何でお前まで食ってんだよルフィ!」

「それにしても、このグランドラインに放り出されて、よく助かったわね」

「……それが、この島に流れ着いて助かったのは、ここにいる私たちだけでして……」

「いったい何があったの?」

「美食の町プッチにツアーで行った帰りの船で、クロールで泳ぐ巨大なカエルとぶつかってしまって……」

「クロールで泳いでた? カエルが?」

「カエルは普通平泳ぎだろ」

「気は確かか?」

「本当なんだよ!」

いるわけないだろと言うウソップに、クザンが教える。

「あー、そりゃ、ヨコヅナだ」

「「「ヨコヅナ?」」」

「それから、カエルのせいで船が大破して、やっとの思いでこの無人島に流れ着き、食うや食わずで一カ月。ようやく人が来たかと思ったら、海を自転車で走っていて……」

「いやいや、いくら何でも海を自転車で……」

「あー、そりゃ、俺だ」

「「「……は?」」」

「それで次に来たのが海賊船だった」

「あたしたちね?」

「あー、んじゃぁアンタたち、そのー、アレだ、だからぁ……」

「「ハッキリ言えよ!」」

「ってぁあ! 忘れてた! おいお前! ロビンはぜってぇ渡さねぇぞ!」

「だぁからやめろルフィ!」


「あのなぁ、さっきから何度も言ってるが、俺は散歩で通りかかっただけで……」

「だったらこんなとこ通るな! お前すぐに出てけ!」

「無茶苦茶じゃないスか……」

ナミは、ルフィの方がちょっと押してるな、と不思議な心地で見ていた。

「はぁ……分かった分かった。んじゃ帰るが、その前に、アンタたち、今すぐ出発の準備をしなさい。幸い、このすぐ近くに人の住む島がある。そこで十分な手当てを受けた方がいい」

「おいっみんなっ! こんな奴の言うこと聞くこたぁねぇぞ! コイツは海兵なんだ!」

そう言うルフィを、人々は唖然とした表情で見つめた。


「え、えっと……何か問題でも?」


……少しして、ルフィはポンと手を叩いた。

「あ、あぁそうだそうだ! い、いいんだいいんだ! 普通は海兵が味方で俺たちの方が悪者だもんな、あはははっ!」

「って笑っとる場合かぁ!」

"ベシッ"とウソップが頭を叩いた。

「つってもよぉ、コイツの船あるのか? 船もログもなしにどーやってその近くの島とやらまで行くんだよ」

「あー、それなら大丈夫だ」

「……いや、その寝転んだカッコで言われても説得力ねぇから」






それから急ピッチで荷造りをし、海辺に荷車が出来た。

「うっし、これで大丈夫だ!」

「食料も水も大量に積み込んだし、当分はもつだろ」

力仕事を終え、額を拭うルフィの横でクザンも立ち上がった。

「ん、あ〜、たまには労働もいいな」

「ホントだなぁ! お前なかなか話せるじゃねぇか!」

2人の会話にナミが頬を引きつらせる。

「……いつの間にか打ち解けちゃってるし」

ルフィはぐいっと伸びをした。

「しっかしよぉ、どーすんだ? お前がこのまま荷物とみんなを引っ張って泳ぐのか?」

「ンなわけあるか」

クザンは海辺にしゃがみ、手を浸ける。

麦わら一味も人々も、一様に首をかしげた。

一体、何をするのだろう。

みんなして不思議に思っていると……



ICE AGEアイス・エイジ



"パキパキパキパキッ!"



海が、一瞬にして凍ってしまった。

岸に寄せる波も、そのままの形で凍りついている。

「「「んなっ……」」」

誰もが驚愕の表情で固まった。

「あ、悪魔の実か……?」

「海が……凍っちまった……」

「……これが、海軍本部の大将の力よ」

クザンは何でもないような素振りで、人々の方へ戻ってくる。

「一週間はもつだろう。この方向へゆったり歩いて行けば、4日もあれば人の住む島へ着く。少々冷えるんで、あったかくして行きなさいや」

「ゆ、夢か……これは……」

「海が、大地になった……」

「これで海を渡れる!」

「この島から脱出できるぞ!」

「海兵さ~ん! ありがとう~!」

「奇跡だ……間違いなく奇跡だぁぁ!」

たくさんの人の感謝を受け、クザンは背を向けたまま頭を掻き、軽く手を振った。

「それでは、私たちは行きます」

「あぁ。よかったな、みんな!」

「気をつけて行くのよ」

「海賊にも色々いるんですね。あなたたちにもなんとお礼を言ったらいいか……。怪我の治療をしてもらった上に食料まで分けてもらって……」

「気にすんなって、にっしっしっしっ!」

「袖擦り合うも多生の縁ってな!」

「子供が風邪引かないように気をつけるんだぞ?」

「この気温なら、食料も腐らずに長持ちしそうだな」

人々は麦わら一味に手を振り、出発する。

「本当にありがとうございました!」

「バイバ~イ! おにぃちゃんたち~!」

「このご恩は一生忘れません! 麦わら海賊団のみなさん!」

「おう! じゃあなぁ~っ!」

お互いに手を振り合い、別れを済ませた。

 
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