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14. デービーバックファイト
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出来上がったばかりの客席は既に超満員で、歓声が上がっていた。
ティオとチョッパーは一番上の特等席に通される。
『さぁ、最終戦コンバット、いよいよゴングだよ!』
「「「うおおおおっ!」」」
しばらくすると、ルフィとフォクシーがそれぞれ入場してきた。
どちらもボクシングスタイルで、ルフィに至っては何故かアフロをかぶっている。
チョッパーが目を輝かせた。
「うはぁっ、ルフィかっこいいぞ!」
「かっこ、いい?」
ティオはこてっと首をかしげた。
『さぁ参りましょう。最終戦コンバット、レディーッ、ファイッ!』
"カァンッ!"
安っぽいゴングが鳴り響き、いよいよ最終戦スタート。
「ゴムゴムのぉ、
「ノロノロビーム!」
「あ、しまった!」
ルフィはさっそくノロノロビームを受けてしまう。
これで30秒は動けない。
そこを狙うように、フォクシーは連続パンチを繰り出した。
「おらおらおらおらおらおらおらぁぁっ!! ……フン、どうせパンチそのものはそんなに効かねぇんだろ? それくらい知ってるぞゴム人間。今のは挨拶代わり。ほ~れそろそろ30秒だ」
「ぶべばびばぼばびっ!」
フォクシーのパンチが一気に襲いかかる。
「ルフィ!」
「……」
ティオはあらゆる事象を想定して勝率を計算してみた。
しかし、全くわからない。
もしルフィがこのまま感情的に戦ったら、負ける。
けれど、予想の斜め上をいくのがルフィだ。
「くそっ、どこ行きやがった割れ頭ぁ!」
ルフィは、どこかへ行ってしまったフォクシーを探して、船内へ入っていった。
…ともなると、観客には中で何が起こっているか一切分からない。
そんな状況が5分も続けば、手始めにナミがしびれを切らしてきた。
「あぁもう! アイツはまだ倒せないの!?」
「焦っても仕方ないわよ航海士さん?」
「そうだけど……」
「ま、ルフィなら何とかすんだろ」
「あのクソ割れ頭の分っかりやすい罠に引っかかってなけりゃな」
「あ、そうだ。ティオ~! 船の中の様子分かる~?」
ナミは声を張り上げた。
ティオなら覇気で状況を探れる。
その意図を察して、ティオも覇気で掴んだ情報を伝えた。
「ふなぞこ、あたりで、たたかってる。るふぃ、れっせい、みたい」
「あのルフィが!?」
「嘘でしょ!?」
「マジかよっ、頑張れルフィ!」
"ドカァンッ、ズドンッドカァンッ!"
聞こえてきた爆発音に、麦わら一味は嫌な予感がする。
「まさかアイツっ……」
「だいじょぶ。まだ、いきてる」
そうは言うが、ギリギリ意識を保っているような状態なのが、覇気を通して伝わってくる。
「ルフィが負けるわけねぇだろ?」
「あぁ、ルフィだし、アフロだからな!」
「ルフィだからだけでいいだろ」
「ふふっ」
「何でアフロだと強いわけ?」
ナミの疑問には誰も答えなかった。
そのとき……
"ズドォンッ!"
大爆発が起こり、煙の中から人影が2つ揺れる。
『お~っと決着がついたのか!? 立っているのは~っ、我らが親ビンだ~!』
「え、ちょっと……うそ、でしょ……?」
ルフィはフォクシーの足元に倒れている。
「おいルフィ!」
「……いいえ、まだよ」
ロビンがそう言うと、フォクシーもルフィの方へ振り返った。
「ぐっ……」
ボロボロになりながらも、ルフィは立ち上がった。
「はん、ギリギリじゃねぇかよ麦わら」
「はぁ、はぁ……」
いよいよ最終決戦。
「ノロノロビーム! ……からの、おらおらおらおらおらおらおらおらおらおらっ!!」
「ぐぅっ……」
刺付きのグローブによる連続パンチは、さすがのルフィにも効く。
「うっ、げほっ、げほっ」
ルフィは震える足で再度立ち上がった。
「ちっ、しぶてぇな……ノロノロビーム! そんでもってもう一回だァ! おらおらおらおらおらおらっ!!」
「……っ」
フォクシーの連続パンチを受けて、ルフィは船のマストに激突する。
"バキィッ!"
衝撃に耐えかね、マストは折れてしまった。
それほどの攻撃を受けたにもかかわらず…
「……う、ぐっ」
ルフィはまた立ち上がる。
「はぁ、はぁ……いい加減くたばれや……はぁ、はぁ……殴るのも、楽じゃねぇんだぜ……」
「……うる、せぇっ」
「ルフィっ」
「くそっ、これじゃリンチじゃねぇかよ!」
「ルフィ……」
「俺の、仲間はっ……はぁ、はぁ……誰一人……死んでも、やらぁぁん!!」
その渾身の叫びに、会場は盛り上がるどころか言葉を失っていた。
「くそっ、なんだっつーんだオメェはよ!」
"カラン……"
「!」
ルフィの目の前に、小さな何かが落ちた。
それを拾い上げたルフィは、フォクシーに向かってニヤリと笑う。
「俺の……勝ちだ」
「フン、何だか知らねぇが、倒れるまで殴り続けてやるよ! メガトンラッシュ!」
「ゴムゴムの、
"ズダダダダダダダダダッ!"
両者ともにパンチの応酬を始める。
最初は釣り合っていたが、やはりルフィの方が1秒間に繰り出すパンチの数が多い。
「うおおおおおっ!!」
「うおおおっ、ぶぉっ、うおおおっ、へぶぁっ」
いくつか、フォクシーの顔面にヒットしていく。
やはりどれだけ弱らせても、真正面からの勝負は無理か。
そう思ったフォクシーがとる行動は一つ。
「ノロノロビーム!」
またルフィがビームをくらう……
……と、会場にいる誰もが思った。
しかし……
「動かない……?」
よく見れば、動いていないのはフォクシーの方。
"カラン……"
「あ、あれはっ」
ルフィの手から滑り落ちたものを、ウソップが望遠ゴーグルで見る。
「ガラス……いや、鏡か!」
「なるほど。鏡でビームが跳ね返ったのね」
やってくれた。
やはりルフィは、予想の斜め上をいった。
ティオは満足気に口角を上げる。
「ゴムゴムのぉ、
"バキャッ!"
ノロくなっているフォクシーに、重たい一発が入る。
ルフィはフォクシーをその場に残し、船首へと向かった。
それから約30秒後。
「ぶふぉっ!」
フォクシーは勢いよく吹っ飛んだ。
そのまま船の欄干を超え、海に落ちてゆく。
"ザバァンッ!"
司会が叫んだ。
『お~っと親ビン、海に落ちてしまった! しかも落ちた場所は、フィールドの外~! よって勝者、麦わらのルフィ!』
「よっしゃああああっ!」
「「「うおおおおっ!」」」
「やったぁ!ルフィ!」
「(コクン)」
チョッパーとティオは一目散に、麦わら一味の元へ駆けていった。