夢主の名前を決めて下さい。
14. デービーバックファイト
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
延長戦の二回戦は、だるまさんがころんだ。
元から出る予定のなかったルフィとロビン、取られてしまったティオの3人を除いて、5人が出ることになった。
麦わらチーム・フォクシーチーム、共に、だるまさんがころんだのフィールドへ案内される。
それはちょっとした山で、山頂に鬼としてトンジットがいた。
両者に公平を期すためらしい。
「……公平って、スタート地点から私たちに不利じゃない!」
ナミの言う通り、フォクシーチームの道はまっすぐだが、麦わらチームの方はくねくねしていて、長さが3倍ほどありそうだった。
しかしてナミの叫びは無視され、司会がルール説明を続ける。
『ちなみに武器・弾薬は何でも使用OK! さぁそれでは始めるよ~?』
「だ~~~~~~~~~~……」
トンジットが"だるまさんがころんだ"を言い始めた。
「あははっ、竹馬のおっさん、"だ"が恐ろしく長ぇな」
笑いながら、たこ焼きを頬張るルフィ。
隣にはロビンが座っている。
さらにその隣では、フォクシー海賊団が集まって観戦しており、もちろんティオも混ざっていた。
女性陣に髪をいじられながら、男たちが運んできたスイーツを頬張っている。
「なにこれっ、超サラサラ!」
「すごく長いし、ツインテールとかいいんじゃない?」
「三つ編みも捨てがたいわ~っ」
「うぅっ……ひっぱら、ない、で……」
髪が後ろに引っ張られると、頭も後ろに引っ張られ、せっかくドーナツにかぶりつこうとしていた口が何度も離れてしまう。
もはや観戦する余裕すらない。
「だ~~~~~~~~~~~~~~るまさんが~~~~~~~~~~……」
麦わらチームの先頭はゾロとサンジ。
一方フォクシーチームの先頭はチキチータ。
ピクルスとビッグパンが、ゾロとサンジにグロッキーリングでの借りを返そうと攻撃を仕掛ける。
「やれ! ビッグパン!」
「パンク・アタ~ック」
ピクルスの投げた巨大な岩を、ビッグパンが2人目掛けて撃ち落とす。
「「ぁあ?」」
「こ~ろ~ん~」
"シャキンッ"
"ドスッ、ドスッ"
「だ」
トンジットが言い終わって振り向く頃、ゾロが岩を真っ二つにし、それをサンジがピクルスとビッグパンへ蹴り返していた。
「まずい、今動いたらっ……」
そう、普通なら躱せばいいが、今はちょうどトンジットがこちらを見ている。
アウトになるか岩に吹き飛ばされるか。
ピクルスとビッグパンは究極の二択を迫られた。
「ぬぐぅっ……」
"ドカドカッ"
「「ぎゃああぁぁっ!」」
……結局、二人は岩を正面から受けて吹き飛び、トンジットに動いたと判断され、アウトになった。
つまり、どちらを選んでもアウトだったのである。
「……ふぁ~」
ドーナツをお腹いっぱい食べたティオは、だんだん眠くなってきた。
髪は結局ツインテール。
「……むぅ」
いつも枕にするゾロが傍にいないので、その場で丸まって眠ろうとする。
地面は草むらだし構わないだろう。
すると、男が1人、進み出てきた。
「あ、あの!」
「?」
「ひ、膝枕……させてください!」
「……」
言ってる意味がよく分からず、ティオは半目で首をかしげた。
「お、俺、見てたんすよ! あの剣士の膝を借りて寝てるあなたを! ……そのっ、俺でよければ!」
「……」
ティオは男を頭からつま先までじっと見た。
目算、身長176cm、そこそこ鍛えられた上腕二頭筋。
外見だけで言えば、体格はゾロに近い。
「……ここ、すわっ、て?」
「はい!」
男は喜んで隣へ座ってきた。
ティオは寝惚け眼で両足の間に滑り込む。
その瞬間ふわりと漂った香りに、男は心拍数を急上昇させた。
ティオは男の太腿に頭を預ける。
……しかし。
"ふにゃん……"
そんな形容が当てはまる太腿だった。
「……むぅ」
ティオはおもむろに身を起こす。
「え、あの……どうしました?」
尋ねてくるその言葉には答えず、どこからかメモを引っ張り出したティオは、つらつらと書き始める。
「あ、あの~?」
「てぃおの、ひざまくら、やりたかったら」
"ビシッ"と書いたメモを鼻先に押し付けた。
「きょう、から、これ、まいにち、やって。1かげつ、やったら、ひざまくら、きょか」
「?」
男はメモを受け取って読み上げた。
「えーと、なになに? 腹筋1000回、背筋800回、腕立て500回、スクワット2000回……」
「きんりょく、とくに、きゃくりょく、たりない。ばらんすよく、きたえてから、でなおせ」
ビシィっと指をさされ、男は青ざめて逃げ出す。
「し、失礼しましたぁ!」
その背中を見送ってため息をつき、ティオはゾロを見た。
「……」
あの絶妙な高さ、鍛えられた筋肉の程よい弾力、高い心肺機能が生み出すゆったりとした拍動。
毎日鍛えているゾロは、それらが揃っているから、寝心地がいい。
あんな上腕ばかり鍛えられて、太腿がマシュマロみたいなのはダメだ。
ティオはもう一度ため息をついた。
手には、いつも髪をまとめている羽ペン。
……そういえば、クザンも寝心地良かったな。
そんなことを思った。
「だ~~~~~~~~~……」
トンジットがまた"だるまさんがころんだ"を言い始める。
一斉に走り出す参加者。
「どけっ、クソ毬藻野郎! 俺にはティオちゃんを救い出すっつー大事な指名が!」
「テメェになんぞつき合ってられっか!」
「なっ、待ちやがれ!」
麦わらチームの先頭2人は、喧嘩しつつも先にいるポルチェたちを追う。
しかし……
「くっそぉ、テメェのせいで大幅に遅れをとっちまったじゃねぇかクソ毬藻! ……って、え?」
「何でだっ……道がねぇ!」
「いくら方向音痴でも限度ってものがあんだろうが! こんな見晴らしのいいところで道に迷うかよ普通!」
ゾロはいつの間にか、分岐点をサンジとは別の方へ行っていたらしい。
その様子に、ティオはくすりと笑う。
それからあくびを1つした。
「……まだ、かかりそう」
ぱたんと、その場に横になる。
柔らかく生えた草が心地いい。
お腹いっぱいな上にグロッキーリングでのダメージも抜けきっていない。
ティオはしばらく寝ることにした。