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14. デービーバックファイト
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そんなわけで、またしてもオーダー表が回ってきた。
今度の三種目は、ドッジボール、だるまさんがころんだ、1対1のコンバットだ。
ドッジボールには、麦わら一味もフォクシー海賊団も全員参加。
だるまさんがころんだには、ゾロ、サンジ、ウソップ、ナミ、チョッパー、ティオ。
そして最後のコンバットには、もちろんルフィ。
さっそく、司会が最初の試合のルールを説明を始めた。
『さぁ最初の一回戦、ヒットアンドデッドボール。いつものようにルール説明だ。2個のボールを、内野にいる敵のメンバーにぶつける。ぶつけられた者はその時点で失格! コート内のメンバーが全てぶつけられたら負けだ。内野と外野のメンバー選択は自由だよ~。ただし、一度外野になったら、いくらボールをぶつけても内野には入れないからね!』
「なるほど? ドッジボールの変型版ってわけだ」
『そのほか細かいルールは、このルールブックをよ~く読んでおくように!』
そう言って司会が渡してきたのは、百科事典並みの分厚い本。
ロビンが受け取った。
「ずいぶん分厚い本ね」
『そう、このヒットアンドデッドボールは、デービーバックファイト最古のゲームにして由緒正しきゲーム。現在までに様々なルールが書き加えられ、より厳密なものになったってわけ』
「厳密なルールったって、守らなきゃ意味ないじゃない。どうせまたそっちに有利な判定するんでしょ?」
『ノンノンノ~ン、最初のページを見てごら~ん?』
「審判心得、とあるわ」
「『このルールに反する判定を行った者は打ち首とする』……だから、こんかいは、だいじょぶ」
「うっ、打ち首!?」
「ふふっ、さすがね、ティオ。これも全部覚えてるの?」
「(コクン)」
『なななな~んと、諜報員ティオ、可愛いだけじゃなかった! なんという知識量! 天才少女だ! ……ちなみにこのゲームを裁くのは、審判歴50年以上のベテラン審判長を中心とする5人です!』
「へぇ、ちったぁマシなゲームになりそうじゃねぇか」
「うっし、早くやろ~ぅ!」
少し話し合った結果、麦わら一味の内野は、ルフィ、ゾロ、サンジ、ウソップ、チョッパーに決まった。
外野は、ナミ、ロビン、ティオだ。
対するフォクシーチームは参加者が数百人のため、内野も外野も何人いるんだか分かったものではない。
『そいじゃぁ始めるよ~? まずはダブルジャンプでスタート! 両チーム2人ずつ前へ!』
つまり、真上に投げられたボールを、ジャンプして自チームに取ればいいのだ。
麦わらチームからはルフィと、ランブルボールでジャンピングポイントを発動したチョッパーが出てくる。
それから少しして、審判長が笛を吹いて、試合は始まった。
"ピーーッ!"
始まると同時に、フォクシーチームから出されたダブルジャンプの2人は、ルフィとチョッパーに攻撃を仕掛ける。
しかし2人は難なく避けてジャンプし、ボールを手に取った。
ウソップがハイテンションで敵陣を指さす。
「よぉし、そのままぶつけちまえ!」
「おう! いくぞチョッパー! 目標、割れ頭だぁ!」
「分かった!」
そう言って2人が投げたボールは、とてつもない速さで飛んで行き……
"ドスドスッ"
「ふがぁっ!?」
見事、フォクシーの顔面にめり込んだ。
「っしゃぁ! 親ビン仕留めたり!」
喜ぶウソップだが、ティオが静かに首を振った。
「ちがう」
「へ?」
「るーる、だい、23じょう。がんめん、せーふ」
ティオの言う通りで、審判長も両手を水平に伸ばした。
「セーフ!」
「なにぃっ!? ……くそぉっ」
転がってきたボールを、ナミが拾ってゾロとサンジに渡す。
「ほら、今のうちよ! どんどん当てて勝っちゃいなさい!」
「はぁいナミすゎん!」
「言われるまでもねぇよ」
本気モードに入ったゾロとサンジの気迫に、フォクシーチームはひるむ。
「そ、そんな本気にならなくとも……」
「ひぃぃ……っ」
「「うおらぁっ!」」
"バシィッ"
「「「ぎゃあああっ!」」」
ゾロが9人、サンジが9人、まとめて外野へ押し出した。
「フォクシーチーム18名、ラインアウトにより失格!」
転がったボールは、ロビンが能力で取ってルフィとチョッパーへ投げ渡す。
「すげぇな、ひとり9人ずつか……」
「よし、次は俺だ! ゴムゴムの~、パチンコーっ!」
ルフィの伸びた両腕から発射された速球。
"バキィッ!"
「「「うぎゃああっ!」」」
「フォクシーチーム、ラインアウトにより10名失格!」
「よっしゃ! 記録更新!」
「よ、よしっ、次は俺だな!」
「行け~チョッパー! 11人だ!」
「分かった! うおりゃあっ!」
"ドスッ"
「「「ぎゃあああっ!」」」
またしても大人数が吹っ飛ぶ。
しかし……
"パシッ"
ハンバーグが巨体を生かして、飛んできた仲間たちを受け止めた。
ついでにボールも2つ揃えて奪取する。
「よくやったぞハンバーグ。ビッグパンにボールを渡せ!」
「プププッ、あいよ、親ビン」
外野のビッグパンにボールが回る。
間違いなく、この場で最も体が大きくパワーのある選手だ。
「やべぇっ! アイツの一発受けたら一溜りもねぇよ!」
ウソップはルフィの後ろへ隠れる。
ビッグパンが大きく振りかぶって、2つのボールを投げた。
1つはサンジとゾロの方、もう1つはルフィ、チョッパー、ウソップの方へ飛ぶ。
……しかして、一直線なボールをよけるのはたやすいわけで。
ゾロとサンジがよけたために、1つ目のボールはそのまま飛び去る。
2つ目のボールも、ルフィとチョッパーはよけた。
……しかし。
"ベシッ"
「ぶふぉっ!」
ルフィの陰に隠れていたウソップはよけられず、くらってしまった。
そのまま吹っ飛んだウソップは、フォクシーチームのメンバーを巻き添えに遠く吹っ飛んでいく。
「麦わらチーム長鼻、フォクシーチーム22名、失格!」
「ナ~イス、ウソップ!」
「どこがナイスだぁ!」
フォクシーチームはフォクシーとハンバーグの2名を残すのみ。
そしてボールは2つとも麦わらチームのところに。
1つは内野でルフィが、1つは外野でロビンが持っている。
「……あ。ろびん、いいこと、おもいついた」
「?」
リクライニングチェアに座るロビン。
その膝の上に座っているティオ。
さらにその膝の上で開かれたルールブック。
ティオはロビンにこっそり耳打ちした。
すると、ロビンは深い笑みを浮かべる。
「なるほど、いい考えね」
ロビンは笑みを浮かべたまま、こっそりとハンバーグの肩に手を咲かせた。
そしてボールを脳天に落とす。
"テン……"
「?」
いきなり脳天を襲った軽い刺激に、ハンバーグは首をかしげた。
『お~っと、ハンバーグまでもがアウトになってしまった!』
「あ……」
ただ1人になったフォクシーは唖然とするのみ。
……しかしそこで、審判の一人が声を上げた。
「脳天セーフ!」
すかさず、ティオとロビンが反論する。
「るーる、だい、54じょう。のうてん、あうと」
「ふふっ、103ページをもう一度読み直すことね」
そう言われ、審判はひるみ、審判長が怒りを露わにした。
「2人の言うとおりじゃ! 恥ずかしい真似はするな! 打ち首になりたいのか!」
「す、すいません!」
司会が叫ぶ。
『なんと! 諜報員ティオ、考古学者ロビン、知識と妙技であっさりハンバーグをアウトに追いやった~!』
「にししっ、ナイス! ロビン! ティオ!」
「やるじゃな~い! ……よし、あと1人! サンジ君! 決めちゃって!」
「はぁいナミさん!」
そうしてボールを受け取るサンジだが……
「「「サンジく~ん、当てちゃいや~ん、ボール、こっちにちょうだぁい?」」」
フォクシーチームの外野にいる、総勢20名ほどの女性陣。
彼女たち全員から声をかけられれば、サンジはすぐに堕ちる。
「はぁい!」
目をハートにして、ボールを渡した。
すると、女性陣を代表してポルチェがボール片手に一言。
「じゃ、今度は当たってちょうだい?」
「そりゃも~う、お好きなところに当てちゃってくださぁい!」
そう言って大の字に寝転がるサンジ。
「何やってんのよサンジ君!」
「あ……」
"テンッ"
サンジも脳天に当てられ、あっけなく終わってしまった。
「ったく、メロリン馬鹿め」
「しょうがない子ね」
「(コクン)」
「でもまぁ、あとは親ビン1人だし」
「分からないわよ?」
「(コクン)…むこう、るーる、じゅくち、してる。なにか、ひさく、あるはず」
「そのとおり!」
胸を張って言うフォクシーの後ろで、ガタガタと機械音がする。
出てきたものを見て、麦わらチームは唖然とし、司会は嬉々とした声で言った。
『出た~! ヒットアンドデッドボール、マル秘アイテム! キャノン砲、てきちゅうくんだぁ!』
「ぅおい何だありゃ! 明らかにルール違反だろ!」
「あれが"てきちゅうくん"なのね……」
「何だよロビン、その分かってましたみたいなその反応は」
「何のことか分からなかったけど、ルールブックに書いてあったのよ」
「るーる、だい、322じょう。ぶきは、てきちゅうくんのみ、みとめる」
「それホントのルールなのかぁ?」
「うっはぁ~かっこい~なぁアレ!」
「フン、アホくせぇ。そんなモン持ち出したところで、どうなるもんでもねぇぞ?」
「それはどうかな? フェ~ッフェッフェッ! ポルチェ、準備はいいか?」
「はぁい親ビン! お花催眠!」
「まずいっ、催眠術だわ! 見ちゃダメよ!」
ナミの声に、ルフィ、チョッパー、ゾロは目をつぶった。
「フン……狡い手ばっか使ってきやがる」
「今です! 親ビン!」
どうやら、こうして目をつぶるのを待っていた様子。
フォクシーは手始めに、照準をゾロに合わせた。
「まずは1匹、いただきだ!」
"ドシュッ"
放たれる速球。
しかしゾロは慌てることなく、目を開けることもなく、ただ手を振り上げた。
それを見て、寧ろ目を見開いたのはティオの方で……
「だめ……ぞろ、きっちゃ、めっ!」
「ぁあ?」
"スパンッ"
遅かった……
ゾロの手はまっすぐ下ろされ、ボールが真っ二つに両断される。
『なななな~んと剣士ゾロ、目をつぶったままボールを素手で叩き割ったぁ!』
「うおおおおっ!」
「すげえええっ!」
会場が一気に盛り上がる。
さなか、審判長がホイッスルを鳴らした。
「麦わらチーム、ゾロ、アウト!」
「何でだよ!」
「るーる、だい、645じょう。ぼーる、わっちゃ、め……」
ティオはため息をつきながらそう言った。
ゾロが叩き割ってしまったため、ボールが新しくされる。
新しいボールはフォクシーに渡り、てきちゅうくんの照準は、ルフィとチョッパーに合わせられた。
「フン! よけられるもんならよけてみろ! スピード最速、レベル5!」
"ドシュッ"
先程より速くなったボール。
しかしルフィは難なく避ける。
そこまでは良かった。
"ガコンッ"
「なっ」
チョッパーは見た。
外野のマシカクに当たって跳ね返ったボールが、ルフィの背中めがけて飛んでいくのを。
「くそっ」
チョッパーは無我夢中で飛び出した。
"ドカッ"
「!?」
背後の音にルフィが振り返れば、チョッパーがボールを受けて吹き飛んでいく。
「チョッパー!」
むっくり起き上がるチョッパー。
帽子が脱げた。
一番気になる、ボールをどこで受けていたかというと、顔面。
「……顔面は、セーフ、なんだろ?」
そう言うチョッパーに、フォクシー海賊団は胸を熱くする。
「なんて健気なっ……?」
「おい審判! 顔面だぞ! セーフだろ!?」
敵に応援されるチョッパー。
最終的に、審判長が判断を下した。
「顔面だからセーフじゃ!」
「「「うおおおおっ!」」」
「しかし、」
「「「?」」」
「ラインアウトにより失格!」
「「「なにぃいっ!?」」」
確かによく見れば、吹っ飛んだ影響で、チョッパーはラインをギリギリ踏み越えてしまっていた。
「チャッピー……」
ポルチェが見守る中、チョッパーはよろよろと立ち上がる。
そこにルフィがやってきた。
「大丈夫か? チョッパー」
「うん。……だけど俺、アウトになっちまった」
"パコ"っと、ルフィは脱げた帽子をチョッパーにかぶせた。
「あとは俺がなんとかしてやる! それより、ありがとな、チョッパー」
「え……えへへ、そんなこと言われても、全然うれしかねぇやぃこのやろが!」
チョッパーはクネクネしつつも、外野の仲間たちのもとへ行った。