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14. デービーバックファイト
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―――しばらくして。
「ん……?」
いち早く目を覚ましたナミは、目の前で動くマシカクを見つけた。
眠ってしまう前と位置があまり変わっていないことに笑みを浮かべる。
しかし……
「ナミ! 早く!」
「え?」
チョッパーの叫びで気づかされた。
……違う。
同じ場所にいるんじゃない。
私たちが寝てる間に、コイツは一周回ってきたんだ。
"ピピーーーーッ!"
「うそ……」
「ん、何だ? 何か眠く……って、レースが終わっとる!?」
「なんてこと……」
第2ラウンド、またしても勝者はフォクシー海賊団。
ここまで、麦わらチームは0勝2敗。
もう後がない。
次の第3ラウンドで勝てなければ、チョッパーは永遠にフォクシー海賊団のものだ。
……その第3ラウンド。
麦わら一味からはウソップが出て、フォクシー海賊団からはチキチータが出る。
普通に勝負するなら、勝負は見えていると言っても過言ではない。
「うぅっ……みんな、聞いてくれっ、実は俺は持病の……」
「「「レースに出てはいけない病はもういいから!」」」
「バレてたぁっ」
ウソップは青ざめた顔でスタートラインに立つ。
とにかく、作戦を思いつくまでは必死に走るしかない。
……その頃、ルフィはまだ練習中だった。
「いてっ」
「そうじゃねぇって、もっと腰で乗るイメージだ」
「ふぁい、と」
ゾロとティオが教えている。
「オメェら、これ乗ったことあんのか?」
「いいから、周りで滑ってる奴らをよく見てマネして立つんだ」
「こうか? ……いてっ」
「違う」
「んじゃこうか? ……いてっ」
「違う」
「んじゃぁこ…いてぇっ!」
「違うっつってんだろーが!」
ルフィの援護はとりあえず期待できない。
あとはロビンとナミだが、できそうな援護は想像がつく上に、おそらくその程度では足りない。
「位置について、よ~い」
"ピーーッ!"
ウソップとチキチータは同時に走り出した。
が、やはりというべきか、チキチータの速度はもはや人知を超えていた。
「速ぁっ!?」
それでも懸命に走っていると、応援とは違った歓声がウソップの耳に届いた。
「ん?」
走りながら後ろを向いてみると、なんと、ルフィが今にも立ち上がろうとしている。
自分の足で。
「そうそう。スタートはさっき言ったとおりだ」
「ちから、いれない。りらっくす」
まるで生まれたての小鹿を見ているよう。
観客席は皆、思わず応援してしまった。
「がんばれ!」
「あと少し!」
「そこだ!立て!」
「うおりゃぁっ!」
ようやく、ルフィは立てた。
あとは滑り出すだけ。
「待ってろよウソップ! スタートは、確か、こうか!」
膝に力を込め、ぐっと踏み出すルフィ。
「うおわっ!」
踏み出しはフラついたものの、見事にバランスをとって滑っていく。
しかも速い。
人知を超える速さのチキチータよりも。
後ろから来たチキチータが、ウソップそっちのけでルフィと勝負し始めた。
……だが、ゾロとティオはそこで、重大なことに気づく。
「しまった。コーナーの曲がり方を教えてなかった…」
「(コクン) …はしらせる、の、ひっし、だった」
「うわあああああっ!」
"バキッ"
ルフィはそのままのスピードでコーナーに突っ込み、壁を突き破って場外へ飛び出していった。
対してチキチータは華麗にそのコーナーを曲がっていく。
「くそっ、どうすりゃいい!」
「おいアホ監督、あのチキチータって奴なんとかしねぇと負けちまうぞ?」
「んなこた分かってんだよ! ……ん、待てよ? チキ、チータ、チーター? もしかしてっ」
サンジは観客席の方へ叫んだ。
「お~いおっさーん! 竹馬のおっさん、いるか!?」
観客席の中からトンジットが手を振る。
「わしを呼んだか~?」
「アンタ、ルフィに渡した長キウイ、どこで採ってきた!?」
ゾロは眉をひそめる。
「何言ってんだテメェは」
「るっせぇ!」
「あ~、長キウイなぁ。あれだ。あの木になってた」
「分かった、あの木だな!? おい緑虫、ひとっ走り行ってキウイ採ってこい!」
「テメェ、それが人に物を頼む「アイツを止められる唯一の方法かもしれねぇんだよ!」
何がなんだか分からないが、ゾロはトンジットの馬・シェリーを借りて、場外へ飛び出していく。
そして全速力でキウイの木まで行くと、その長~い木を切り倒した。
"ドサァッ"
木はそのままフィールドへと倒れ込み、コースを塞ぐ。
皆それに驚くのはもちろんだが、チキチータだけは違った反応を見せた。
目を輝かせ、思いっきりコースアウトし、木にすがりつく。
「やっぱり思ったとおり、アイツはネコ科動物だ。マタタビに近い匂いを持つキウイに弱い」
"ピーッ!"
チキチータのコースアウトにより、ウソップはギリギリで勝てた。
「ば、ばんざーい……」
……ウソップは何だか釈然としない。
でも勝てたのだからいいとする。