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14. デービーバックファイト
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「……おい、コック。10秒手ぇ貸せ」
「……妥当な時間だな」
小さく低い声で、やりとりが成される。
「
サンジの蹴りで、ゾロが空高く打ち上げられた。
ゾロはそのまま、空中のティオを受け止めて着地する。
「ゾロ!」
「サンジ君!」
間一髪、勝敗をつけられずに済んだ。
「……」
ゾロは、気絶している血だらけのティオを、フィールドの端にそっと寝かせた。
そして、サンジと共に敵の3人を振り返る。
その姿に、司会が声を張り上げた。
『なんと立ち上がったァ! 剣士・ロロノア、コック・サンジ! 少女が痛めつけられる姿に揺さぶり起こされたかァ!? しかし、この2人に戦う力がまだ残っているのかどうか!』
と、そこで、フォクシーが3人組を指して言った。
「おい、お前ら。ワン・モンスター・バーガー・プリーズ!」
「え、なに?」
「こんなとこでバーガー売ってんのか?」
「ンなわけねぇだろ」
『な、なんと親ビン、モンスター・バーガーを注文してしまったよ~?』
「「「うおおおおっ!」」」
会場は一気に盛り上がった。
3人が、仕込んでいた武器を取り出す。
ハンバーグは巨大な金棒を2本。
ピクルスは巨大な剣を2本。
ビッグパンは巨大な鉄のプレートを2枚。
明らかにレッドカードものだ。
しかしまたしても、審判は見ていない。
『さぁ、3人が狙うはボールマン・ティオ! 剣士・ロロノア、コック・サンジ、少女を守ることができるか!』
サンジは新しいタバコに火をつけた。
「テメェらみてぇな三流の食材じゃぁろくな料理は出来ねぇが、片っ端から調理してやるよ。……だからティオちゃん、ちょっと待っててくれ」
「ププッ、ミンチになぁれ~!」
向かってくるハンバーグに、サンジも迎え撃つ。
「
"ドスッ"
「ぐぉっ」
重い一発に続けて、サンジは足技を何発も叩き込んでいく。
"ドカッ、バキッ、ダダダッ、ドスッ!"
そして最後に……
「
"バキィッ!"
ハンバーグの顎にきれいに蹴りが入った。
「ぅぉぶっ」
ハンバーグはそのまま宙を舞い、ビッグパンがシンバルのように打ち鳴らす鉄のプレートに挟まれる。
"バチィンッ!"
そしてペラペラの紙切れのような姿で落ちてきた。
「り、リーダー! ……オメェよくも!」
そう言ってサンジに突っ込むピクルスだが、その目の前にゾロが現れる。
「チーム戦だ。忘れるな」
「っ、このっ、刻んでやる!」
「……無刀流、竜巻!」
「ぬあぁ!?」
刀が無くとも剣士は剣士。
ゾロが起こした竜巻によって、ピクルスは宙に舞い上がる。
そして吹っ飛んだピクルスの剣は、味方であるビッグパンに刺さってしまった。
"ザクッ"
「ふがぁっ!」
「し、しまったぁ!」
後ろに倒れていくビッグパン。
そこへ、サンジが背後からきつい蹴りを入れる。
「
"ドスッ"
「ぐぅ……っ」
ビッグパンは気絶したまま、前にも後ろにも倒れられず立ち往生。
そこにゾロが走っていく。
このままビッグパンをゴールさせる気なのだろう。
「そうはさせるか!」
ピクルスが慌てて剣を構え直しゾロに向き直るが、攻撃はその背後からやって来た。
「邪魔だ」
"ドカッ"
「うおぅ!?」
サンジに蹴り飛ばされたピクルスは、遠く吹き飛んで審判に激突する。
これは間違いなくレッドカードものだ。
しかし審判がレッドカードを取り出してみると……
「な、何だこのカードは……俺のレッドカード…イエローカードも、笛も、どこだ!?」
さて、審判のあらゆる持ち物がどこへ行ったかというと……
「ふふっ、悪い子ね」
「つい昔のクセで。えへっ」
鮮やかな手つきでナミが盗み出していた。
さぁ、これでもう反則など取られない。
麦わらチームは最終攻撃へと入った。
「
サンジの足技で、ゾロがビッグパンの頭上へと飛んでいく。
そして、ビッグパンの上顎に手を掛けたゾロは、そのままビッグパンを後ろに倒し、頭をゴールへとぶち込んだ。
"ズコッ!"
「ぐぁっ……」
途端に司会が叫ぶ。
『ゴォォォォォォォル!!』
第二回戦、麦わら一味の勝ちだ。
「やったぁ!」
「よくやったぁ! ゾロ~! サンジ~! ティオ~!」
「す、すげぇ、すげぇぞアイツら!」
「敵ながらブラボーッ!」
敵にも味方にも賞賛されながら、ティオを抱えたゾロと、サンジが戻ってきた。
「ナミすわぁ~ん! ロビンちゅわぁ~ん! 見てた~? 惚れた~?」
「ふふっ、素敵だったわよ?」
ロビンが世辞にとりあえずそう言う中、ウソップはゾロの肩をべしべし叩いていた。
「くそーっオメェらハラハラさせやがって! 俺の指示通りよくやった!」
「痛ぇよ。つーかテメェは何もしてねぇだろうが」
「……ん」
「お、気がついたか」
「……ぞろ。……かった?」
「あぁ」
「……そ、か」
小さく呟いて、ふわりと微笑むティオ。
ゾロはその場に胡坐を組んで座り、ティオを定位置に座らせた。
「お前もよくやった。……上出来だ」
「……ん」
いつもより労わるように頭を撫でられ、ティオは嬉しそうに目をつぶった。
そのまま糸が切れたように倒れ込んで、いつものごとくゾロの太腿に頭を乗せる。
そして気絶するように眠りに落ちた。