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14. デービーバックファイト
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会場へと進む3人の背後から、司会がゲームの説明を始めた。
『それでは、グロッキーリングのルールを説明するよ~? フィールドがあってゴールが2つ。これに玉をぶち込めば勝ち! ただし、玉はボールじゃないよ? 人間だ! 両チーム、まずは玉になる人間を決めてくれ!』
司会の言葉に合わせて、審判が玉の目印である帽子を持ってくる。
すると、ティオがすかさずそれを取った。
「てぃお、やる」
「な、ティオちゃん!? 危ねぇよ!」
「だいじょぶ。このげーむ、しってる。つかまらないこと、かぎ。てぃおの、とくいぶんや」
確かに、素早さならおそらく、今の麦わら一味で一番だ。
ゾロがニヤけながら言った。
「そこまで言うなら任せるぜ?」
「(コクン)」
ぱこっと玉の帽子をかぶったティオは、何だかかわいい。
「あの子が玉役やんのか?」
「かわいそうだな……」
フォクシー海賊団の方から、そんなざわめきが聞こえる。
しばらくすると、どこからか足音らしき地響きが聞こえてきた。
『おっと、これまたグロッキーリング無敗の精鋭、コイツらに敗北などありえない!』
司会の言葉に押されて出てきたのは、フォクシー海賊団で最も体の大きい3人組。
フォクシー直属の巨漢な部下、ハンバーグ。
そのさらに2倍は大きいピクルス。
そして、桁外れに大きすぎてもはや大きさを表現できない、巨人と魚人のハーフ、ビッグパン。
3人が歩くと、地震かと思うほど地面が揺れた。
「うっはぁ~でっけぇなぁ~!」
「おいおい! あの一番でっけぇ巨人が玉印つけてるぞ!?」
「ゾロとサンジ君はともかく、ティオは大丈夫かしら……」
ナミがオロオロして見つめるが、ティオはいつも通り無表情。
司会が麦わらチームのことも紹介する。
『さぁ、我らがフォクシー海賊団の最強戦士たちと相対するのは~、まず、暴力コック、サンジ!』
「一流コックと呼べ」
『続いて6000万ベリーの賞金首、海賊狩り、ロロノア・ゾロ!』
「……フン」
『そして最後は、できればこんな試合には出てほしくない! まるで陶器の人形のよう、諜報員、ティオ!』
「……」
3人を見て、ピクルスが嘲笑った。
「フン、俺たちが呼ばれるからどれほどのものかと思えば……なぁ、ビッグパン」
「ほげ?」
首をかしげるビッグパンに、ハンバーグが堪えるように笑う。
「プププッ、聞こえてねぇっ」
3人はそのままトリオ漫才が出来てしまいそうだ。
両チームの元へ、審判が歩み出た。
「試合前にまず、武器は反則だ。外せ」
「あ? そうなのか?」
ゾロは舌打ちしながらも、刀をウソップに投げ渡す。
「ま、別にどっちでも構わねぇが」
「おい、大丈夫か? 剣豪が刀を失うってことは……」
「何だよヘボコック」
「へなちょこの出来上がりだな、ククッ」
"ブチッ"
「闘んのかテメェ!」
「上等だクソ剣士!」
ゾロとサンジは殴る蹴るの喧嘩を始めた。
「何やってんのよアンタたち!」
やっぱりこうなるか……
ナミはため息混じりに
しかし、今回は幸いにもストッパーがいる。
「けんか、めっ」
"ドスッ、ドスッ"
「ぐっ……」
「なっ……ティオちゃん……」
ティオは双方に一発ずつ、軽い
喧嘩両成敗だ。
「つぎ、ぜんりょくで、きゅうしょ、うつ。しんでも、しらない。おーけー?」
キラリと光るティオの目と指先。
2人もさすがに言葉に詰まった。
「ふふっ、さすがね、ティオ」
微笑むロビンの横で、ウソップは
「初っ端からこんなんで大丈夫かよ……」
不安いっぱいの中で、ゲームは始まった。
まずはコインで攻守を決め、敵チームが"ボール"と言ったので、ボールであるティオは敵陣のサークルへ移動する。
「要するに、あのデカ物の頭を向こうのリングにぶち込めば勝ち。チビをこっちのリングにぶち込まれたら負け、ってことか」
「一瞬で片付けるぞ、アホ剣士」
「テメェに言われるまでもねぇ」
試合開始のホイッスルが鳴った。
"ピーーーッ!!"
「っしゃあ! 先手必勝! 悪いがお嬢ちゃん、子供だからって容赦はしねぇぜ? スリング・タックル!」
ピクルスがティオに向かってタックルを仕掛ける。
「おそい」
ぴょんっと、ティオはピクルスを飛び越えて空中に舞い上がった。
そこに、ビッグパンがパンチのつもりか、腕を伸ばしてくる。
「だから、おそ……っ!?」
"ズル……"
伸びてきた腕を足掛かりにして、また飛んで避けようとしたティオだったが、予想外に、ビッグパンの腕は滑った。
『お~っとティオちゃん滑ったぁ! 何を隠そうこのビッグパンは、ドジョウの魚人と巨人のハーフ。皮膚はヌルヌルだぁ!』
司会の声が飛ぶ中、空中で身動き取れないティオにビッグパンがもう一発パンチを放つ。
「パンク・パ~ス」
"ドカッ"
「……っ」
「ティオちゃん!」
「あのバカっ」
常人よりも軽いティオは思いっきりふっ飛んだ。
麦わらチームのゴール近くで、ハンバーグとピクルスがティオを待つ。
飛んできたティオをそのままゴールしてしまえば彼らの勝ちだ。
「ププッ、もらったんだなぁ~」
頃合を見計らって、ティオを空中でキャッチしようとハンバーグがジャンプしてきた。
その様子を、ティオは鋭い目で見据える。
「……あまく、みてた」
"ボンッ"
突如上がった煙に、その場の全員の目が釘付けとなった。
煙に包まれたティオの姿は、そのまま黒い鳥に変わり、ハンバーグの手をすり抜けて高速で地面へと降下していく。
「「「と、鳥!?」」」
フォクシー海賊団は、予想もしていなかった展開に目を見開くばかり。
逆に麦わら一味はニヤリと笑った。
「どうだ見たか!」
「いいわよティオ!」
「いっけ~!」
「ふふっ、本領発揮ね」
「ティオ~!」
そのまま地面に降り立ったティオは、再び人間に戻る。
金髪が美しく揺れた。
その背後から、ハンバーグが捕まえようと手を伸ばしてくる。
それを冷たい目で振り返ったティオ。
「
"シュッ、シュッ"
瞬間移動をするように、攻撃を次々とよけ続ける。
「なっ、なんちゅー身のこなしっ……」
フォクシーが呟くと、どこからともなく歓声が上がった。
「「「うおおおおっ!」」」
「あの子欲しいぞ!」
「小せぇのにすげぇ!」
"ピキッ"
「ちいさい……いうな」
"バキッ"
「ぶふぉっ!」
ジャンプして、ハンバーグの頭に回し蹴りを一発。
そしてきれいに着地し、垂れ下がった髪を払いのけた。
いつにも増してキレのある動きに、ウソップは唖然とし、ルフィは笑う。
「ティオってあんなに強かったか!?」
「ぎゃはははっ、いいぞ~ティオ~!」
その頃、ゾロは半目で呆れ、サンジは目をハートにしていた。
「……アイツ、キレてねぇか?」
「あぁ、凛々しいティオちゃんもイイ!」
「さて、チビだけにいい格好はさせられねぇな」
「フン……クソ不本意だが、同感だ。本来レディを守るのが男の役目」
2人も動き出した。
「とりあえず、ボール以外はいらねぇな」
「あぁ、邪魔だ」
不敵な笑みを浮かべて、ゾロはピクルス、サンジはハンバーグの方へと走り出す。
ピクルスとハンバーグは肩を揺らした。
「「おらァ!」」
ゾロはピクルスを投げ飛ばし、サンジはハンバーグを蹴り飛ばす。
"ゴチィンッ"
2人は空中で激突し、伸びた。
「「「なにぃいっ!?」」」
「あの巨体2人が……」
「ふっ飛ばされただと!?」
「強すぎるぞ麦わら一味!」
ゾロ、サンジ、ティオは、並んでビッグパンの方を向いた。
「さぁて、残るはお前だけだ」
「さっさと終わりにしようぜ?」
「おなか、すいてる、の」
「うおおおおおおっ!」
「カッケーぞ! あの3人!」
予想外の展開に会場は盛り上がった。