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14. デービーバックファイト
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ゴール付近まで来てみると、そこはまるでお祭り騒ぎだった。
どうやら1位と2位が、今まさに最後の決戦を繰り広げている様子。
それは盛り上がるというものだ。
一方、ようやく体が乾いたティオは、先ほど食べていたりんご飴をもう一度食べようと、探しに行った。
2本貰って来て、1本をチョッパーに渡す。
ゾロもどこからか酒を貰ってきていた。
「どっちが勝ってるんだ?」
「さぁな」
「いまのところ、なみちゃん、たち」
3人は適当に座って観戦する。
しばらくすると、脱落してしまったのか、ルフィとサンジもそこにやってきた。
「お! ナミたちが勝ってるぞ!」
「ナミすわぁ~ん! ロビンちゅわぁ~ん!」
すると、フォクシー海賊団のクルーが笑う。
「はっはっはっ、惜しかったなぁお前ら」
「ん? 何でだ? 俺たち勝ってんだぞ?」
「言い忘れてたが、横で並んで岸を走ってる親ビン。実はお前と同じ能力者なんだぜ?」
「……そういや、ティオちゃんが言ってたっけか。ノロノロの実とかいう……」
サンジが心配そうに見ていると……
「ノロノロビーム!」
フォクシーが光線のようなものをナミたちに放った。
それが当たった瞬間、ナミたちは絵のように止まってしまった。
……と思いきや、よく見れば少しずつだが動いている。
「何だありゃ!」
「のろのろの、み。あのびーむ、あたると、なんでも、おそくなる」
「卑怯じゃねぇかよ!」
「ふぉくしー、の、じょうとうしゅだん」
……結局、勝者はポルチェたちのチーム、ひいてはフォクシー海賊団となった。
反則臭いことこの上ないが、ルールには抵触していないため文句は言えない。
「ぬははははっ! 第一回戦ドーナツレース、俺たちの勝ちだ!」
「ぅふんっ、惜しかったわねん?」
さっそく、司会が勝利のコールと共に話を進める。
『さぁ、第一回戦は我らがフォクシー海賊団の勝利! 戦利品には誰が選ばれるのか!』
「まず1人目、俺が欲しいのは……」
"ビシッ"
「お前だ! 船医、トニー・トニー・チョッパー!」
「え、俺!?」
チョッパーは引きずっていかれ、フォクシーに手渡された。
「ふむ、今までに見たことのない不思議な生物。想像以上にフッカフカだ!」
「いやぁん親ビン! 私にも触らせてくださぁい!」
そこらのぬいぐるみより触り心地のいいチョッパーは、女たちの間で引っ張り回されていた。
「チョッパー!」
「あの野郎、狙いはチョッパーだったのか。確かにアイツは、珍獣の中の珍獣……」
「可愛いものマニアってこと?」
「毛皮マニアじゃないかしら」
「言ってる場合かよ! これはシャレじゃねぇんだぞ! 仲間とられたんだ!」
無理矢理フォクシー海賊団のマスクをつけられて、チョッパーはボロボロと涙を流す。
「み、みんなぁ!」
「チョッパー……」
「おっ、おれはっ、お前たちとだから海に出たんだ! 俺、嫌だよ、ルフィ! ルフィが誘ってくれたから、俺は海に出たんだ! 俺は、麦わら海賊団の船医っ、トニー・トニー・チョッパーだぁ!!」
"ドカッ!"
チョッパーの叫びを、地面にめり込むほど強く置かれた酒瓶の音が遮った。
酒瓶をめり込ませたのは他でもない。
ゾロだ。
「ガタガタぬかすなチョッパー。見苦しいぞ」
響き渡る低い声。
麦わら一味だけでなく、フォクシー海賊団の視線も一気にゾロに向いた。
「お前が海に出たのはお前の責任。どこでくたばろうがお前の責任。誰にも非はねぇ。ゲームは受けちまってるんだ。ウソップたちもお前も、全力でやっただろ。海賊の世界で誰がそんな涙に同情するんだ? 男なら、褌締めて勝負を黙って見届けろ」
ティオはその横で、黙ってりんご飴を齧る。
「……」
しかしナミは居た堪れなくてゾロに訴えた。
「ちょっ、そんなことっ……あんたアイツの気持ちをっ」
すると、チョッパーはずびっと鼻をすすり、涙を拭って言う。
「煮るなり焼くなり、好きにしろぃ!」
「「「うおおおおっ!」」」
「チョッパー……」
唖然とするナミに対し、ゾロはニヤリと口元を歪めた。
「フン、やりゃ出来るじゃねぇか」
「うおおおおっ、イカすぜあの剣士!」
「親ビン、次はアイツ貰いましょう!」
「トナカイも根性あるなぁ!」
「泣けたっす……マジ泣けたっす!」
さて、盛り上がってきたところで第二回戦、球技・グロッキーリング。
メンバーはゾロ、サンジ、ティオ。
盛り上がる会場を尻目に、ティオはロビンのもとへ来た。
「あら、どうしたの?」
「これ、もってて」
食べかけの自分のものと、もう1本、チョッパーが食べていたりんご飴を、ロビンに預ける。
「あとで、ちょっぱーと、たべる」
「ふふっ、分かったわ。いってらっしゃい」
「ティオ、ゾロとサンジ君が喧嘩しないようにくれぐれもよろしくね?」
「……。……どりょく、する」
「おい、早く来いよ」
「(コクン)」
「さて、取り返すとするか。うちの非常食」
ナミが不安げな表情を浮かべた。
「大丈夫かしら……」
「さぁ……ふふっ」