夢主の名前を決めて下さい。
14. デービーバックファイト
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
オーダーを提出し、しばらくすると、フォクシー海賊団の司会が説明を始めた。
『さぁさぁさっそく参りましょう第一回戦、ドーナツレースだぁ! ロングリングロングランドをぐるりと一周するこのレースで、船を作るのに使える材料は、オール2本にカラ樽3個。船大工の腕の見せ所だァ! ちなみに武器火薬などは何でも使用オッケ~! バンバン敵をなぎ倒しちゃってくださ~い!』
「カラ樽3個だと、乗せられる人数に限りがあるわね。チーム分けはどうするの?」
「悪魔の実の能力者が多いからな」
「3チームで決まりだろ? 2人、3人、3人だ」
というわけで、1チーム目はナミ、ウソップ、ロビン。
2チーム目はゾロ、チョッパー、ティオ。
そして3チーム目はルフィ、サンジ。
上手いこと能力者を振り分けた。
……ただ、ちゃんと"船"を作れたのはウソップのいるチームだけ。
ほかのチームは、浮いているのが奇跡なくらいの形状だ。
「……これ、ちゃんと、はしる、の?」
ティオはチョッパーが作った船を、ジトっとした目で見つめていた。
玉乗りの要領で、樽をくるくる回すことで進む、妙に漕ぎ方に凝った船だ。
「大丈夫だぞ、ティオ!」
「ま、何とかなるだろ。落ちんなよ?」
「(コクン)」
荒削りな船ゆえに、乗れる場所が狭い。
ティオは鼬になってゾロの肩に乗っていた。
……さて、そんな奇妙な船にも劣る船が、ルフィとサンジのチーム。
「くそゴムっ、これじゃ船じゃねぇ! ただの木端だ!」
「よっしゃあ! 優勝目指すぞ!」
ルフィが不用意にバラしてしまった樽を、サンジが急遽つなぎ合わせただけの、ただのイカダ。
ナミはウソップと顔を見合わせて青ざめた。
「……これ、アタシたちがやるしかないってことよね」
「そうだな……」
「ふふっ」
ロビンだけは、大変な状況すら楽しんでいるようだった。
さて、敵チームはどんな塩梅かとナミが見渡してみると……
「ちょっと! チームの1人がサメってどういうことよ!」
それは他でもなくポルチェのチーム。
「いやぁん、別に人間じゃなきゃダメなんて誰も言ってないわよん? そっちだって、不思議な生き物が2匹いるじゃなぁい」
ポルチェが乗る船は、サメにくくりつけられており、まるで生きたモーターボート。
さらに、もう1人の仲間は魚人ときている。
海のレースでは最強の組み合わせだろう。
他にも、目を疑うほどの巨大な樽を3つ並べた船があったり、屋台の形の船や先端が尖った船など、多種多様。
……ともかく、どれもルールには抵触しないとのことで、揃ってスタートラインに並んだ。
「ウソップ、ロビン、島に沿って最短ルートを行くわよ!」
「……いや、たぶんやめた方がいいぞ」
「何でよ」
「敵がみ~んな船首を沖に向けてやがる。こりゃ何かあるぜ。おそらく、あのバカでけぇ樽の船に何か仕掛けがあんのさ」
ウソップは他のチームへ声をかけた。
「お~いお前ら! レースが始まったら一旦沖の方へ離れろ!」
……しかし、時すでに遅し。
「ん? 今なんて『レディーGO!』
"パァン!"
開始の合図と共に、やはり敵は全員沖の方へ漕ぎ出す。
麦わら一味は出遅れた。
すると、巨大な樽の船のフタが開き、中から大量の海水と共に大量の樽が流れ出てくる。
「何だ? この樽は」
「しまった、こういうことか!」
「何コレ……これが罠なの?」
ナミがオールの先でつつこうとする。
「あぁやめろバカ!」
ウソップが慌てて止めようとしたが……
"ツン……ドカァンッ!"
間に合わず、爆発と共にナミたちの船は空へと舞い上がった。
「「ぎゃあああああああ!!」」
しかしまっすぐに落ちてきたので、転覆せずに済む。
「はぁっ、はぁっ、危なかった……」
「だからやめろっつっただろーが!」
その様子を嘲笑うように、司会が声を張った。
『出た出た~! マザーシップ号名物、樽型クライダー! 触れたらその場で即爆発! 気をつけろ~?』
「んふっ、簡単に沈んじゃ嫌よん? 楽しませてねぇん?」
先頭はポルチェたちの船。
サメの力でぐいぐい前へと進んでいった。
対して、麦わら一味は爆弾樽に囲まれて立ち往生。
「ふーっ、ふーっ、あっち行け~!」
「にゃろう! まとめて吹き飛ばしてやる!」
「やめとけルフィ」
「そうだぞ! 大爆発しちまう!」
「だけどよ! このままじゃ……」
ゾロがフンと鼻を鳴らした。
「触れずに蹴ちらせばいいんだろ? ……おい、ちょっとそっち行ってろ」
「(コクン)」
ティオはゾロからチョッパーに飛び移った。
「ルフィ、そのオール貸せ」
「ん? おう」
「何するんだ? ゾロ」
「まぁ見とけ」
ゾロはルフィからオールを受け取ると、かざぐるまのように回した。
そして刀のようにひと振り。
"フワァッ……"
どこからともなく風が吹き、爆弾樽は全て風に煽られて、巨大な船へと戻っていく。
フォクシー海賊団は一様に慌てた。
「うおわぁっ!」
「アイツ、何てことを!」
「戻ってきた~!」
巨大な樽の船員たちは、そろって海へ飛び込んでいく。
"ドカァン、ドン、ドカァンッ!!"
樽が一斉に大爆発を起こし、巨大樽の船が壊れると共に、大きな波も引き起こされた。
「やべぇ! みんな船に掴まれ! 波に乗るんだ!」
サンジの声で、全員、サーフィンの要領で何とか波に乗る。
「いやっほ~い! おんもしれぇ!」
「言ってる場合かルフィ! テメェのせいでもう既に船が壊れかけてんだよ!」
一方ゾロたちの船は……
「うはぁっ怖かったぁぁ!」
「冷てぇ……」
「……びしょ、びしょ」
何とか波を乗り切っていた。
司会が声を張り上げる。
『お~っと麦わら軍団、うまく波に乗って先頭集団に追いついた~!』