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13. 海軍要塞ナバロン
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「こっちはいいぞ~! ナミ~!」
「了解チョッパー! ……上は準備オッケー。下は準備いい~?」
「いやだぁ~! これ打つとすっげぇ痛いんだもん!」
ウソップは叫び続けるが、ルフィ、ゾロ、サンジが、その頭を押さえつけて黙らせる。
「3!」
「2!」
「1!」
「「「インパクト!!」」」
"ズドォンッ!!"
耳を塞ぎたくなるほどの爆発音がして、メリー号は地面を走り、岩礁に乗り上げて宙に浮いた。
しかし……
「落ちてる! 落ちてるよぉっ!」
一回だけのインパクトで飛ぶ距離なんて、たかが知れている。
「ロビン! 頼んだわよ!」
「えぇ。シエン・フルール」
ロビンが手を咲かせ、タコの足を広げた。
そこに、すかさずナミがブレスダイヤルを吹きつける。
「まだ落ちてるぞ!」
「分かってるわよ!」
「ぶれすだいやる4つ、ふれいむだいやる、1つ。それで、ぜったい、とぶ!」
ティオがウソップの鞄を探り、ナミにもう1つブレスダイヤルを渡して、自分も2つのブレスダイヤルを噴射させる。
「るふぃ、ふれいむだいやる!」
「あ、そっか!」
慌ててルフィもダイヤルを取り出し、殻頂を押した。
「膨らみやがれ!」
ダイヤルの数が揃った瞬間、タコは急激に膨らみ始めた。
おかげで落下速度は緩んだものの、まだ落ちていることに変わりはない。
ティオはタコの膨らむスピードを瞬時に目算し、船底の3人に向かって叫んだ。
「うそっぷ、もういっかい!」
「おらウソップ様、もう一丁だってよ」
「バカ~、俺は豆腐屋じゃねぇんだよぉ~」
「今度クソトレビア~ンな豆腐、食わせてやるから。な?」
「な? じゃねぇよ!」
「足元見ろよ、どうする!」
「水が入ってきやがった!」
「~~~っ、あぁもう! ウソップ様、もう一丁行かせていただきます! じゃあゾロ君サンジ君、また肩と腕のサポートを……」
「よく言った」
「上出来だ」
「あぁ~~~この痛みはゴーイングメリー号の痛みぃぃぃっ!」
「3!」
「2!」
「1!」
「「「インパクト!!」」」
"ズドォンッ!!"
2発目のインパクト。
メリー号はやっと空に舞い上がった。
同じ頃にうまいことタコも膨らみ、メリー号はふわふわと上昇していく。
「うほ~っ、うまくいったぜ!」
「やったぁ!」
気球のように上昇したメリー号は、やがて、ナバロンの外壁を超えた。
途端、朝日が一味を照らす。
「うはぁ~!」
「きれ~い!」
脱出成功と共に、みんなで見る朝日。
「……」
ティオの、深海のような濃い青の瞳が、日の光で空色に輝いた。
なんて清々しいんだろう。
「すっげぇ! ホントにはりねずみだ!」
「立派な要塞だったんだなぁ!」
「お、おい、このスピードで撃ち落とされねのか?」
「だいじょぶ。こうしゃほう、ない」
「つまり、ナバロンにある大砲では、この高さまで届かないということよ」
「なぁ、このタコどこまで飛ぶんだ?」
「知るか。タコに聞け」
そう言うゾロは、早くも寝る体勢。
その眼前で、白いワンピースが揺れた。
「? 何だお前、着替えたのか」
「(コクン)」
頷くティオの手には、さっきまで着ていた海軍の制服と、二等兵の証明書。
ティオは甲板の手すりに近づき、それらを思いっきり放り投げた。
朝日に照らされながら、何もかも海へ落ちていく。
「いいのかい?」
サンジに訊かれ、ティオは大きく頷いた。
「……もう、きめたから」
今この瞬間から自分は海兵ではなくなった。
これから先、自分は―――海賊だ。
「……で?」
「?」
「何してんだ」
ティオはいつものごとく、胡座を組んだゾロの両足の間に座り、片方の太腿に頭を乗せていた。
「ねる、の」
「だから何で俺なんだよ」
「たかさ、ちょうどいい」
「あのなぁ!」
「うるさい」
「……っ」
大声でもないのに、ドスの利いた声に
その様子に、ナミとロビンが笑う。
「あははっ! 諦めなさいよ。別に問題ないんでしょ?」
「今まで、さんざん一緒に昼寝してきたんだもの。ね?」
「……フンっ」
ゾロはふてくされるように目を閉じた。
それを感じて、ティオも笑いをこらえられない。
「さ~て、船底の修理すっかな~。チョッパー、手伝ってくれ」
「おう!」
「いや~それにしても腹減ったなぁ。サンジ~、メシ~!」
「へいへい」
さて。
今日も麦わら一味の冒険は始まる。
新たな仲間、ティオを加えて。
→ 第二章:14. デービーバックファイト
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