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13. 海軍要塞ナバロン
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最初に気づいたのはチョッパーだった。
「ん? あ、ティオだ!」
風に乗ってきたティオの匂いに気づいたらしい。
チョッパーの声で、このあとどうやって逃げるべきか考えていた一味は、全員空へと目を向けた。
ティオを見つけたルフィが、満面の笑みで両手を振る。
「お! やっと来たか! おいティオ! 俺たちと一緒に海賊やろーぜ!」
ティオは一味の視線を受けながら、人の姿になって、ルフィの前に降り立った。
目を伏せて、小さな声で言葉を紡ぐ。
「……るふぃ、みんな……ここまで、つれてきて、くれて、ありがとう」
ティオの両手は制服の裾をギュっと掴み、震えていた。
それに気づくことなく、ルフィは屈託のない笑顔を向ける。
「ありがとうっつーんなら、俺たちの方だ。お前がいなきゃ出来なかったことがいっぱいある。ありがとな! だから、お前が必要なんだよ! なぁ、一緒に行こう!」
「……っ」
間近で言われると、もの凄く響く言葉。
ついに堪え切れなくなって、俯いたティオの両目から、涙が溢れ出した。
それを見て、一味は息を呑んだ。
ティオが泣くなんて、ゾロ以外は見たこともなければ、想像したこともない。
「ティオ? どうしたんだ?」
チョッパーが心配そうに首をかしげる。
ティオは嗚咽を飲み込んで、言葉を連ねた。
「……いけ、ないっ……みんな、きけんなめ、あわせたくないっ」
「危険な目?」
「(コクン)…てぃお、せかいじゅうの、じょうほう、もってる。せかいせいふの、ひみつも、しってる。だから、てぃお、かいぞく、なったら、すごいひとたち、おいかけてくる。みんな、ころされ、ちゃうっ」
涙が量を増す。
すると、ルフィはティオの目の前にしゃがんで、覗き込むようにティオの顔を見上げた。
「ティオ、お前はどうしたいんだ?」
「?」
「俺たちと冒険してぇのか、海軍に残りてぇのか」
「……」
そんなの、決まっている。
「……いき、たい。……みんな、と、ぼうけん、したいっ」
すると、ルフィはニカっと笑った。
「じゃあ何も迷うことねぇじゃねぇか!」
「……でも」
「おいおいティオ~、この俺様を誰だと思ってんだ? 8000人の部下を従えるキャプテンウソップ様だぞ!」
「?」
「要するに、どんな敵が来たってアンタのことは守るし、あたしたちだってみすみす死なないってこと。アンタは知らないかもしれないけど、この一味のメンバーって、厄介な奴しかいないのよ? 今さらその厄介が一つ増えたところで、何も変わらないわ」
「……」
ティオは目を見開いた。
ゆっくり顔を上げると、ルフィがにししっと笑う。
「何があっても、俺が守ってやる! 俺は強ぇんだぞ~? なっ? 冒険しようぜ? 俺たちと一緒に!」
7つの笑顔が見つめてくる。
……また、涙が溢れてきた。
答えなんて、決まってる。
「うんっ……」
ティオは笑った。
嬉しくて、嬉しすぎて。
笑うだけじゃ足りないから、泣いた。
泣きながら、笑った。
「よぉ~っし、決まりだ!」
「うはぁ~っ! ティオが仲間になった!」
「よっしゃあ!」
「ふふっ」
「やれやれね」
「うおおおっ! マイスウィートピュアエンジェル!」
一味が各々に喜ぶ中、ゾロが近づいてきて、ティオの頭に手を乗せた。
「覚悟は、いいな?」
ニヤリと笑みを浮かべて見下ろしてくる。
ティオはこっくり頷いた。
そして勢い良く抱きつく。
「うおっ、危ねぇな……」
ゾロはよろけながらも、ポンポンとティオの頭を叩いた。
……そう、この大きな手を待っていた。