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13. 海軍要塞ナバロン
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ティオは特に行くあても定めず、適当に歩いていた。
「?」
しばらく歩くと、司令官室に入っていくロビンを見つけた。
海軍の佐官レベルの服装をしているため、おそらく潜入中だ。
ティオはバレないように鼠に変身して、こっそり司令官室へ入り込んだ。
「……」
入ってみると、大勢の海兵たちが頭を連ね、一兵卒に扮したウソップを捕えていた。
ウソップはどうやら変装がバレて、今から牢屋にぶちこまれようとしているらしい。
そこにロビンの声が響く。
「初めましてジョナサン司令官。海軍本部監査官、シェパード中佐です」
そう言って証明書を見せる辺り、ウソップとは違って、ロビンは実在する人物に変装したらしい。
……変装元の本人がどうなったかは、想像に難くない。
「よ、よぉ中佐! 久しぶりだなぁ!」
ウソップが裏返った声でロビン、もといシェパード中佐に話しかける。
すると、ジョナサンがロビンに尋ねた。
「中佐、この方をご存知で?」
「こんな人、知らないわ」
「なにーっ!?」
「ほぉら見ろ! さっきまでのお前の話は嘘で決まりだ! おい、連行しろ!」
というわけで、ウソップはゾロのいる地下牢に連れていかれた。
ウソップは裏切られたと思っただろうが、ティオからしてみれば、ウソップはロビンに安全な場所に移動させられたわけだ。
何かあっても、ゾロが一緒にいれば何とかなる。
「今から、このナバロンのことを調べさせていただきますね?」
「どうぞどうぞ」
「ありがとうございます」
完璧な演技力で、ロビンはちゃっかり情報収集を始めた。
さすが、20年も裏組織を渡り歩いてきた女だ。
……さて、そうは言ってもナバロンに関する情報を全て洗っている暇はない。
本物のシェパード中佐がどこかにいる以上、ロビンの正体がバレるのも時間の問題だ。
「……」
ティオの体は勝手に動いていた。
鼠の姿のまま、資料室を駆け巡る。
そして、ロビンが近くを通りかかる隙を見て、ヒントとなるであろう資料を押し出して落とした。
"パタン……"
「?」
ロビンが振り返ると、床に出入港記録が落ちていた。
目の端に、走り去る小さな影が映る。
「ふふっ」
協力してくれるのね。
ロビンは資料に目を通していった。
それを見終わって元の場所へ戻せば、近場で次の資料がゆっくり押し出されてくる。
そうしてティオが提示してくれた情報を元に、ロビンの頭の中で脱出の算段がまとまっていった。
……といっても、この要塞には出入口はひとつしかなく、メリー号を奪還して出て行くことに変わりはないのだけれど。
とりあえず、要塞の詳しい地図を一枚もらっていくことにした。
……しばらくすると、徐々に周囲の監視が増え始めた。
そろそろ引き時か。
そう思い始めたところ……
"……タタタ"
急に、監視の海兵たちが減り始めた。
走ってどこかに向かっている。
何か緊急事態でも発生したのだろうか。
話を盗み聞いてみると、捕まっていたゾロとウソップが脱走したらしい。
ということは、行動開始の合図と見ていいだろう。
ロビンは手に入れた情報と地図を持って、資料室を出た。
去り際に、部屋のどこかにいるであろう彼女に、一言残して。
「ありがとう」
「……」
本棚に潜んでいたティオは、何も言わず、姿も見せることなく、本の隙間で丸まった。