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13. 海軍要塞ナバロン
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司令官室を目指して歩いていると……
(なみちゃん?)
前方に、見知ったオレンジの髪が見えた。
海兵の掃除当番用の服を着て、デッキブラシを操っている。
ナミのことだから、情報集めのために潜入しているに違いない。
ティオは物陰から様子を窺った。
「……」
向こうから海兵が3人歩いてくる。
ナミは肩を揺らしつつも、掃除するフリをして誤魔化し、すれ違いざまに話を聞いた。
「例の幽霊船、麦わら一味の船だそうだ。ジョナサン司令官により、我々に連中を拿捕せよとの秘密司令がくだされた。その際、最も強敵と思われるのが……」
「ロロノア・ゾロ……。かつて海賊狩りと恐れられた剣豪ですよね……。三刀流の使い手だと聞いています」
「どちらにせよ、一刻も早く捕らえて、ここに来たことを後悔させてやる」
話しながら、3人は角を曲がって行ってしまった。
そこに、噂をすれば影がさすというもので……
「誰を後悔させてやるって?」
ゾロが現れた。
その堂々とした様子にナミが青ざめる。
「げっ、アイツっ」
「ん? ここはさっき通ったな……」
「何でアンタは堂々と歩いてんの!」
"ゴチンッ!"
ナミは持っていたデッキブラシで、ゾロの頭を殴った。
「痛ってぇなこのヤロっ……なんだお前か」
「堂々と刀三本さしてたら一発でバレバレじゃない! あたしまで巻き添え食っちゃうでしょーが!」
ナミはゾロの刀を回収する。
「なっ、テメっ」
「まったく……」
と、そこに数人の足音が聞こえてきて、ナミは肩を揺らした。
「とりあえず隠れるわよ!」
「おいっ、俺の刀!」
見張り用のバルコニーへ走っていくナミに、ゾロも走ってついていく。
「……はぁ、行ったようね」
足音が遠のくと、ナミは思いっきりため息をついた。
ゾロは呑気な顔をしている。
「別にこそこそ隠れなくたってよ、いざとなったらやり合えばいいじゃねぇか」
「ドアホ! みんなどこにいるか分かんないのにそんなことされたら……」
「全員集まるんじゃねぇか?」
「あぁ、それも手ね。……じゃなくて! メリー号だって行方不明なのよ!? ……あぁ、ティオならこの要塞のことも知ってるでしょうに」
「まぁそう がなるな。それよりいい眺めじゃねぇか。着いたときは夜でよく分からなかったからなぁ」
「なに呑気なこと言ってんのよ! とにかくアンタはここでじっとしてて! ……ったくもう、いつもいつも迷子になってばかりのくせに!」
ナミはゾロの刀をバルコニー横の茂みに投げ込んだ。
「テメっ、何すんだ!」
ゾロは慌ててその刀を拾いに行くが、手が届かない。
「とにかく、少しは方向音痴を自覚して! 他のメンバーを見つけたら迎えに来るから、それまではここで大人しく「おい貴様! そこで何してる!」
後ろから響いた声に、ナミは肩を揺らした。
見つかった……。
恐る恐る振り向くと、自分と同じ掃除当番の格好をして、班長のハチマキを巻いた男がそこに立っている。
「そんなとこでサボってねぇで、さっさと掃除しろ!」
「あ、アイアイサ~……」
というわけで、ナミは連れていかれた。
ゾロはといえば、幸いバレることはなく、刀を拾おうと必死になっている。
「……」
ナミと掃除当番の班長が行ってしまった頃合で、ティオはこっそりゾロの様子を見に行った。
すると、状況は悪化していた。
「くそっ、あのアホ航海士っ、何でまたこんな厄介なところにっ!」
どうやら刀が茂みを通り抜けて、下の岩間に挟まってしまったらしく、ゾロはバルコニーから身を乗り出して刀を取ろうとしていた。
「……はぁ」
相変わらずのアホさ加減に、ティオは半目になる。
今のゾロは海から丸見えで、ちょうどジョナサン司令官が小舟からゾロのことを望遠鏡で見ていると、伝えたいくらいだった。
そのうち、刀はさらに下に落ち、それを追ってゾロも落ちていく。
「んなっ、マジかああぁぁぁっ!」
"バシャァンッ!"
ゾロは刀もろとも海へ落ちた。
そして、ようやく刀を捕まえて水面に顔を出す頃には……
"カチャ、カチャカチャ"
「?」
数十人の海兵に取り囲まれ、ありったけの銃口を向けられていた。
そこにジョナサン司令官がやってくる。
「ようこそ、我が要塞ナバロンへ。……まずは一匹、っと」
ティオがこっそり見つめる中、ゾロは地下牢へと連行されていった。
「……」
ゾロが捕まった。
しかし、心配は要らないと頭が告げる。
きっとどうにかなる。ゾロのことだもの。
「……」
……いや、何を考えている?
麦わら一味は"敵"だろう。
ティオは、もう一度 頭を振って思考を切り替えてから、当初の目的を果たすため、司令官室に向かった。