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俺は君が心配なんです!!


arside

言えない…。
これは絶対にいのちゃんには知られちゃいけないことなんだ。
知られちゃったら、俺はもう…。

それは俺がスタッフさんと食事に行った日に起きた事件で、誰にも話すことが出来ずずっとモヤモヤしていて、あれだけ心配してくれてたいのちゃんにまでさらに心配かけちゃって、申し訳無い気持ちで押し潰されそうな時だった。

「大ちゃん?どうかした?いつもの元気ないみたいだけど?」

光が話しかけてくれたんだ…。
光ならこの想い受け止めてくれるかな?

「光…。ちょっと話あるんだけど、この仕事終わったら俺ん家来てくれない?」

「大ちゃん家?別に良いけど。」

俺は光とそう約束し、仕事終わりに一緒に俺ん家に光を連れてきた。

「お邪魔しまーす。」

「適当に座ってて。飲み物持ってくる。」

冷蔵庫からお茶を取りだし、二人分のコップを用意し、お茶を注いで、リビングに持っていった。

「で?大ちゃん、何の話?その話は大ちゃんが元気なかったのと関係するの?」

来た。
俺が話あるって持ちかけたんだし、正直言いにくいことだけど、ちゃんと話さないと。

「俺ね、この前夜にスタッフさんと食事に行ったの。最初は楽しく食事してたんだけど、お酒も少し飲んだからかだんだん眠くなってきちゃって、失礼ながら眠っちゃったのね?そして気付いた時にはもうそのスタッフさん家に移動してて、そしたらそしたら……。」

光は俺の話を聞いてる途中で、すごい険しい顔をしていたが、俺は話してる途中でその時の事を思い出してしまい、手が震えた。
その手が震えた俺を落ち着かせるように、光は隣に来てくれて自分の手を強く握ってくれた。

「ゆっくりで良いから。もう話すの無理そう?」

「ありがとう、ちゃんと最後まで話すよ。
俺、何か薬を盛られたみたいで、食事してる途中で眠たくなっちゃったって話はしたじゃん?そのスタッフさん家に移動して、目を覚ましたんだけど、体に力が入らなくてさ、でも俺の脳が警報を知らせてくるんだよ。ここにいたら危険だって。体に力が入らないから、その後は話したくもないくらいおぞましい事をされて…。」

もうそれ以上は話したくなかった。
途中から声が小さくなりながらもちゃんと話せた事に安心した俺は嗚咽を堪えるのに必死だった。

「ありがとう、勇気出して話してくれて。そして、守れなくてごめん。良く耐えたね。泣いて良いよ。」

その言葉を聞いた途端、涙が止まらなくなった。
拭っても拭っても、後から、溢れ出てきて止まらない。
そんな俺を光は何も言わずに抱きしめてくれた。
不思議と怖いと思うことはなかった。

光、ありがとう。




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