俺は君が心配なんです!!
「食事って二人きりなんでしょ?疑うと言うか、俺は大ちゃんが心配なんだよ?」
これは本当。
大勢のスタッフさんと食事するのとは訳が違うんだから。
「確かに二人きりだけど…。でもいのちゃんに心配されるほど、俺はか弱くもないし、第一男だよ?大丈夫だって!いのちゃんは考えすぎ。」
本当に考えすぎなのか?
どうもそうは思えないんだよな…。
「あ、俺この仕事が終わったら山田と飯だから!じゃーな。」
「大ちゃん、まだ話は終わってない!!」
俺がそう言い終わる前に大ちゃんはそそくさと楽屋から出ていってしまった。
くそっ!
大ちゃんを引き止められなかった…。
あのスタッフさんといつ食事なのかも分かんないし、それに食事して何かあったら…。
珍しく俺が険しい顔をしてるのを見かねてか、
「いのちゃん、どうしたの?」
「光…。」
光が話しかけてくれた。
「実はね…。」
と事の経緯を話すと、光も一緒になって大ちゃんの事を心配してくれた。
「それはかなり心配だね。俺が話した裏の顔があるスタッフさんと食事することになってたなんて。とりあえずいのちゃんは大ちゃんの様子を注意深く見といて。」
「うん、分かった。」
こうして光も協力してくれることになり、俺達は注意深く大ちゃんの様子を見ていて、変化があったのは数日後のことだった。
大ちゃん、心なしか元気ない?
ムードメーカーの大ちゃんが元気ないとか何かあった?
俺は光とアイコンタクトを取り、大ちゃんの元へと急いだ。
「大ちゃん、元気ない?」
「い、いや、そんなことねーよ!」
今明らかに動揺が見てとれた。
やっぱり何かあったんだ。
俺じゃ頼りにならないかな?
「何かあった?俺で良ければ、話聞くよ?」
「いや、本当に何でもないから。」
何でもないって感じではないんだけどな。
俺にも話してくれないってことは、俺じゃ都合悪い?
こんなにも大ちゃんを気にかけるのっておかしいこと?
何だよ…。
光からあんな話聞かされて、大ちゃんはそのスタッフさんと仲良くしてて、心配するなって言われる方が無理だろ?
俺じゃ役にたてないのかよ。
「いのちゃん、大丈夫?」
「俺のことなんかより大ちゃんだろ…。」
そう俺のことなんかより、大ちゃんの方が心配だ…。
「大ちゃんもそりゃ心配だけど、俺はいのちゃんも心配なんだけど。このままだったら、いのちゃんも潰れちゃうよ?潰れる前に吐き出してごらん?」
光、ありがとう。
俺は光に今思ってることを吐き出すことにした。
「光、俺さ、大ちゃんが元気ないと心配だし、何かあったのか?って思うし、俺が大ちゃんの一番支えになりたい。それでも俺に話せないようなことがあるなら、光になら大ちゃんも話してくれるのかな?」
光は俺の言い分をうんうんとしっかり聞いてくれて、光の優しさに俺の心が軽くなったんだ。