俺は君が心配なんです!!
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俺は今かなり心配している。
同じメンバーの有岡大貴をだ。
何で心配してるかって?
ほら、今仕事の合間なんだけど、スタッフさんとあんなに楽しそうに話してる大ちゃん、そのスタッフは大ちゃんに好意を寄せている……と思う。
いちいち大ちゃんに話しかけるし、今だって、ピンマイクがどうとかで距離めっちゃ近いし。
それくらいなら、普通なんだよ?
だーけーどー、俺聞いちゃったんだよね。
大ちゃんに内緒である話をメンバーから聞いた時は驚いたさ。
あのスタッフが…って。
でもその話が本当なら、大ちゃん?
あなた、結構ヤバいんじゃない?
あ、今も何か耳打ちしながら話してるし。
何でそんなに楽しそうに話せるんだよ!!
こちとら、気が気じゃないわっ!
って大ちゃんはあの話知らないんだっけ?
あのスタッフさんが可愛い子には手を出すって噂…。
それをメンバーの光から聞いて、だから俺は大ちゃんが心配なんだよ?
とりあえず大ちゃんを呼び戻すか。
俺はそんなことを考えてる内に、大ちゃんの近くまで来ていた。
「スタッフさん、すみません、大ちゃん借りて良いですか?ちょっと話あるからこっち来て。」
「あ、良いですよー。」
そして、スタッフさんと別れ、とりあえずは楽屋に戻りつつ、何を話してたか探ろうとしていたら、
「いのちゃん?話って何?」
先に大ちゃんから切り出されてしまった。
「あのスタッフさんと何話してたの?」
「色々だよ、美味しい食べ物の話とか、仕事の話とか。それがどうかした?」
美味しい食べ物の話って?
まさか?
「まさか食事に誘われた…とか?」
それなら俺も…と言おうとしたのだが。
「何で分かったの?いのちゃん、すげー!」
いやいや、美味しい食べ物の話とかしたら、普通流れでそうなるって分かるわっ!!
「もしかして、もう約束してたり?」
「うん、だって、スタッフさんだよ?仲良くしとかなきゃ!!」
全く警戒心がない…。
人とすぐ仲良くなれるのが大ちゃんの良い所でもあるけど、この場合はどう考えても……。
「別にスタッフさんだし、食事までする必要ないんじゃ?」
「でももう約束しちゃってるし、ぱぱっと食事して帰るよ?いのちゃんは何を心配してんの?」
俺らの仕事の関係上、仕事が終わるのはだいたい夕方か夜だ。
スケジュールの都合で、昼に終わることもあるにはあるが、それはほぼないと言って良かった。
「何を…って、あのね大ちゃん、あのスタッフには裏の顔があるんだよ…。それが本当かは分からないし、噂だけど、あのスタッフと食事するのは辞めた方が良いよ?」
何の噂かまでは話せないけど、これで分かって大ちゃん…。
「裏の顔?噂?何それ?いのちゃんは俺が仲良くしてるスタッフさんを疑うんだ?」
疑いたくはないけど、あの噂を聞いちゃった以上はそれが事実なのかを確かめなければいけない。
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