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『…ん、』
流司「あ、悠はよ。」
流司の家に連泊して何日目か。
高校には行かずにダラダラと2人で過ごしていたらいつの間にか悠は寝ていたらしい。
寝る前に流司に膝枕をしてもらっている記憶はないが、今この状況は何だろう。
見上げた流司の顔の後ろの窓からは夕方の光が差し込んでいた。
流司「悠、郁奈から連絡きてたよ。」
『え、まじか。』
スマホを開くと随分前にLINEで連絡が来ていた。
どうやら今日は宗珱学園総合体育大会…要するに体育祭らしい。
参加するかどうかの連絡ではなくて、郁奈は私らが不参加なのを前提に、参加した2-Hのクラスにお疲れ様のクッキーを焼いたと黒羽くんとクッキーとのスリーショットを送ってきた。
要するにクッキー作るくらい暇だったらしい。
あんことくみこ、のりこからもLINEで、
「また体育大会不参加かよ!」
「いつまで彼氏とイチャついてんだ学校こい!私は今日休むけどね!」
「悠足速いんだから参加してよねー体育大会ー」
なんてテキトーなものばかり送られてきていた。
3人には「ごめん寝てたわ」とテキトーに返信して、郁奈にはおつかれスタンプを送った。
『なんか、郁奈と黒羽くんクッキー作ったらしいよー?』
流司「知ってる、麻璃央くんからスリーショット送られてきたし。」
『私も。』
流司「てか、今日体育大会だったらしいじゃん?」
『…参加したかった?』
流司「いや…なんか話聞く限りやってる事マトモじゃないし…。参加して点数もらえないなら不参加でも同じじゃん?」
『心の声代弁してくれてありがと(笑)』
流司「まぁ、悠が参加しないなら俺も参加する意味無いし。」
『安心して来年もたぶん不参加だしー。』
その時、流司のお腹がなる。
『…お腹空いた?』
流司「まーほどぼとに?家に何もないから俺コンビニ行ってくるわ、悠は夕飯なに食べたい?」
『……久しぶりに、私も外行く。』
流司「…じゃ、取り敢えずその上にTシャツかパーカーは羽織ってよね?」
『あたりまえじゃん?(笑)』
この前から流司の家に連泊している悠だが、連泊をして外に出たのは1度もなかった。
ずっと悠は流司の家に引きこもっていたので、流司はいつも自分と悠のご飯を買いにコンビニまで1人で行っていたのだ。
『ねぇ?』
流司「ん?」
『どうせ行くならスーパー行こ?簡単な鍋でも作ってさ、スリーショット撮って郁奈と黒羽くんに送り付けよーよ。』
流司「それ名案(笑)まだ時間あるし、チャリじゃなくて歩いて行こーか。」
『りょーかい。』
パーカーを羽織った悠は流司のクロックスを勝手に履いて玄関に立つ。
流司「それ、俺のなんだけど。」
『いーじゃん貸してよ、減るもんじゃないし。』
流司「そーいう問題じゃないから…。はぁ、転ぶなよ?」
『そんなヘマしないしー。靴ないんだもん貸してよー。』
流司「あーそうだった、悠靴ないんだったわ。スーパーでクロックス売ってっかな…」
『ドラッグストアなら売ってんじゃん?知らないけどー。』
ダラダラ喋りながら2人して玄関を出て外を歩く。
久しぶりの外に悠は眩しいのか目を細めていた。
時間帯のせいか、家に帰る小学生や中学生が目立った。
スーパーは思いのほか空いていて買い物もスムーズに出来た。
流司「なんかさ、」
『なに?』
流司「こーしてご飯の買い出し悠と行くとか、俺ら同棲してるみたいだよな(笑)」
『ちがいない(笑)てか、なんかもう半同棲だよねー(笑)』
流司「まぁなー。」
レジも混んではいなくてなんの問題もなくお会計を済ます。
レジ横にちょうど欲しかったクロックスが売っていたので買い物は全て済ませることが出来た。
同じ道をまた2人して戻る。
重いレジ袋を誰が持つか2人で言い争ったが、結局流司が食べ物の袋を、悠がクロックスの袋を持つことになった。
流司いわく、「ぶかぶかのクロックス履いてるやつに重いもの持たせたら転ぶのが目に見えてる、ダメ。」らしい。
そんなにドジではない、と悠は反対したが最終的には流司の「ダメ」が可愛いので許した。
流司「可愛いとか…男に言うことじゃないだろ…」
『自信持ちなよ、流司は可愛いんだから。』
流司「だからさぁ~」
『かっこいいって言われたいの?』
流司「そーゆーわけじゃないけど…複雑…。」
『元気だしなよー。流司そこらの男より顔面偏差値高いしおフェロ抜群だし。』
流司「顔面とかいうな!おフェロって何だよ!」
『魅力的な?』
流司「テキトーだな」
『真面目にやってたら疲れるっしょー』
流司「間違いない(笑)」
そんなテキトーな話をしていたら、向かい側からこちらに向かって歩く6人組がこちらを指さしてきた。
メンズファイブ+ひな「あれ?もしかして…」
『ん?……ダレ??』
流司「え、…悠の知り合い??」
『いやいや、アイツ以外知らないけど…。』
流司「じゃあ麻璃央くんとか?」
『あーありえるわー…郁奈とかね?』
悠は唯一清水トシを指さす。
ひなは少しガッカリしていたが、それでもあまり気にしていないのか流司と悠に近づいていった。
ひな「2人も体育大会の帰り??」
『いや?』
ひな「え??」
拓依「どゆこと?俺ら結構体育大会終わってすぐくらいに学校出たんだけど…。」
小次郎「そういや、俺は2人を体育大会で見かけなかったな。」
ひな「あ、たしかに…!」
トシ「そうだな。」
流司「見かけるも何も、俺ら出てないし。」
拓依「はぁ!?」
流司&悠「『サボり』」
メンズファイブ+ひな「はぁあ!?サボり!?」
ナオ「1年間で唯一体育の成績がつく行事サボったなんて…」
トシ「まー安心院ならありえる事だけどね(笑)」
『そーゆーことー』
流司「俺ら別にそーゆーのどーでもいいから。」
トシ「ってか、安心院それ何の買い出し?うまそー」
そう言ってトシは悠に近づきスーパーの袋の中を見ようとする。
あのスーパーの袋は色つきで半透明なので、トシ達の所からじゃ中身が分からないらしい。
『…』
トシ「…安心院?」
流司「俺らの晩ご飯。じゃあ、6人とも体育大会お疲れ様でした。」
流司が悠の手を引いて歩き出す。
『…じゃね、バイバーイ。』
悠は振り向いて6人にサヨナラの挨拶をした。
ひなは2人を羨ましそうに見ている。
ジュン「2人に気になるところでもあるの?」
ひな「だって羨ましくない!?"俺らの晩ご飯"って…!私も彼氏と一緒に夕飯の買い出し行きたいっ!」
トシ「また始まった…ヒメの妄想…」
拓依「俺らの晩ご飯…ヒメと買い出し…」
小次郎「こっちもか」
ひなと拓依は妄想の中に入ってしまって周りに幸せオーラが出ている。
それを残りの4人は呆れてみている。
その中でトシは先程の悠の、あの微妙な反応に疑問を持っていた。
それを庇うように流司が悠の手を引っ張って帰ったことも何故か違和感を感じた。
トシ「ま、気のせいか。」
ジュン「ん?何が?」
トシ「何でもねぇよ。」
ジュン「そ?」
ナオ「それよりこのふたりを早く現実に帰すよん!!」
小次郎「そうだな」
第2学年の体育大会第1位は2-特Aクラス。
最下位は言わずもがな2-Hクラス。