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あの子のとなりにならぶには
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昼休みあとの5限目。
科目は数学者だけど、誰一人として先生の話を聞いてはいない。
先生も諦めたのか、問題式を黒板に3つ書き終えたら椅子に座り生徒と話をしている。
H(底辺)クラスの授業なんてそんなもんだ。
流司「なーに変な顔してんの?」
『…流司が私のじゃがりこ食べたから怒ってんのー』
ダルい午後の授業、前の席の流司は椅子を跨(またが)って後ろの席の悠を構っていた。
もちろん、正確な流司と悠の席はそこではないが、このクラスに席なんてあってないようなものだ。
窓辺に立って数人で話し込んでる女子や、机をくっつけて何やらゲームで盛り上がってる男子など、自由奔放なクラスに席なんてカンケーない。
自分のを使おうが、人に使われようが皆文句なんて言わない。
悠を構っている流司が悠の鼻を指でつついて笑った。
2人の前にはカラになったじゃがりこがある。
流司「俺が食ったのは最後の1本でしょ(笑)そんなにお腹減ってたの?」
『流司が私の口に突っ込んでたんでしょ。』
流司「じゃがりこ差し出したら食べる悠が面白くてつい(笑)」
『そーゆーのやってないから。』
のりこ「まーた佐藤と悠はイチャついてんの?…見せつけてくれるよね~」
『見られちゃうよね~』
流司「むしろ見せつけてっから。」
『なんでよ?』
流司「悪い虫がつくからに決まってるだろ?」
のりこ「悠に手ェだす虫なんて、よほど肝が据わってる虫かバカな虫だよ。バックにこんな魔王がいるわけだしー。」
『私の剣士(ナイト)様は無敵なんでww』
流司「悠限定でね。」
のりこ「いいなぁ悠はカレと学校同じで。シネ、滅びろリア充!!!」
流司「それブーメランだから。」
『いいじゃん行村くん。部活頑張ってんの?』
のりこ「うん、あれから少しずつ構ってくれるようになったしー…」
流司「不満そうだね?」
気分が晴れないのかのりこは表情が曇っている。
どうしたのだろうか。
のりこ「…ったりまえじゃん!!」
『どったの』
のりこ「私、今年こそはトシと同じクラスになりたいの!!!」
テストの成績順でクラスが決まるこの学園において、それはとてもあこがれの事だ。
あのメンズファイブと同じクラス。
最近転入してきた子以外はみんな男子クラス、なにそれ羨ましいとのりこは言う。
『じゃあ、どーすんの?』
流司「手錠でもかけてテスト受けられなくすれば??」
のりこ「ナニソレちょういいじゃん!!」
『確かあんこ卓球マネだったよね?捕まえた後はそいつらに任せたらいいんじゃない??』
あんこ「ちょっとーー勝手にわたし巻き込まないでよー」
のりこ「あんこも清水トシと同クラなりたいでしょ??」
あんこ「なにそれ!なりたいなりたい!!」
のりこ「じゃあさーちょっと手伝ってくんない?」
のりこはメイクしていたあんこの席に近づいて事の概要を説明している。
ちょうど話が定期テストだったので、悠は流司に質問した。
『次のテスト、流司はどーすんのー?』
流司「どーすんのってどういう事??」
『勉強するの?』
流司「なわけないじゃん。なんで?」
『……なんとなーく、聞いただけだよ。』
流司「そう?」
『うん。…そーいや郁奈たちは?』
流司「さぁ…教室いないけどカバンあるし、校内デートでもしてるんじゃない?」
『あーありそー。あの二人もテスト勉強しないでほしーなー』
流司「…しないと思うわ俺(笑)」
『…そっか。』
ガヤガヤした教室が少しずつ遠くなっていく。
最近あまり寝れてない悠はウトウトと眠くなってくる。
流司「…悠、ねむいの?」
『さいきん寝れてなくてさぁー』
流司「そこじゃ寒いでしょ?コッチおいで。」
『いくー』
流司は今までの体制を崩して、かべに少しもたれ掛かるように座り直した。
そして自分の足の間を示し悠は素直にそれに従う。
背中から流司の温もりが伝わってくる。
『…あったか』
流司「だろ?(笑)そのまま寝ていいよ、俺も寝る。」
『ん…、おやすみー…。』
流司「おやすみ。」
悠は流司に包まれたまま机に突っ伏して寝始めた。
やっぱりこの匂いはとても落ち着く。この温もりは心地が良い。
流司の呼吸が規則正しく聞こえる中、悠も安心して眠った。
あんこがまたバカップルどうのなんて言っていたが、本人達には聞こえていないようでスヤスヤと気持ちよさそうに寝ていた。
まぁ、流司が悠のことをすっぽり覆っているために悠の寝顔はどこからも見れなかったのだけれど。
放課後まで学校に残るなんて久しぶりだ。
流司「気持ちよさよーに寝てたなー悠」
『起こしてくれても良かったのに。おかげで郁奈も黒羽くんも帰っちゃったじゃん。』
流司「はいはい、悪かったって(笑)」
笑いながら流司は悠の頭を撫でる。
まんざらでもない悠はそれを普通に受け入れつつ、ポツンと廊下に落ちているカギを見つけた。
『ん?アレカギ??』
流司「なんの…って、カギ裏に"あんこ♡"ってシール貼ってある…。」
『あんこかぁ。あんこ卓球マネだよねー』
流司「届ける?」
『付き合ってくんない?』
流司「俺が拒否ると思ってんの?てか多分、アイツら今ふつーに部活してないと思うよ。」
『?』
流司「"トシ捕まえに行ってくる~"って言ってた。」
『あー…じゃあどこいると思う?』
流司「捕まえて置いとくんだったら、卓球場とかじゃね?」
『うわダル…体育館の上じゃん…』
途中、自販機でパックのコーヒー牛乳を流司に買ってもらいながら悠と流司は体育館に行った。
たまにあんこの忘れ物を届けに来たりしていたので、卓球場の場所は二人とも把握している。
流司の推測通り、卓球場には少し人だかりができていた。揉めているあたりあのメンズファイブもいるのだろう。
それに何度か顔を見たことがある卓球部員もいる。
トシ「面は割れた。あとはこれをどうするかだな。」
部員「なっ」
拓依「この手錠力ずくじゃ無理だよ、色々やったけど。」
部員「はっ」
トシ「カギ隠した所みた?」
ナオ「見てないよん」
ジュン「zzZ」
部員「僕達シカトしてお話しないでっ!!」
騒いでいる中に悠はズカズカと入っていく。
『あんこー…あれ、あんちゃんはー??』
トシ「…おまえ、」
部員「マネ?アイツなら清水トシを連れてきて帰ったけど。」
『まじかよせっかくここまで来てやったのに…。』
流司「コレ、あの子の忘れ物なんだけどさ…」
メンズファイブ「「「あっカギ!!!!!」」」
『あんちゃんいないならいいや、キミに預けるね。』
部員「お、おぅ…」
『じゃね、次の大会がんばってねー』
流司「あと、女の子は丁寧に扱えよ?」
拓依「ちょ、待てよ!!カギありがとなー!!」
帰ろ。そーだな。
それだけ会話して悠と流司は今来た道をもどった。
別に2人はメンズファイブを助けたかった訳では無いし助けたつもりもないが、拓依に帰り際お礼を言われなんとも言えない気分だった。
自分たちは友達の忘れ物を届けに行っただけ。
流司「このまま帰るのダルいから、どっかでご飯食べよ?」
『さんせーい。私手持ち少ないけど。』
流司「悠はそういう事気にしなくていいから。俺が誘ってんだし。」
『じゃあ誘われてやりますかー(笑)』
流司「それでいい(笑)」
後日、期末テスト順位表が張り出された。
麻生ひなは3位。
まぁまぁ妥当なところだけど、自分ならもっと出来たんじゃないかと思ってしまう。
トシ「ヒメって頭いいんだ」
小次郎「転入の時点で特Aに入れるくらいだ、そうだろうな」
拓依「あっねぇアイツらは!?黒羽麻璃央と佐藤流司とそのカノジョたち!」
ひな「たしかにちょっと気になる…お友達になりたいし…」
トシ「まだそれ言ってんのかよ」
ジュン「彼等は2-Hクラスだからしたの方だろうね」
ひな「そうなんだ…えぇと、黒羽麻璃央と佐藤流司は…」
ナオ「…あ、いた!!ここだよん!」
ナオが指さした先にはたしかに"黒羽麻璃央"、"佐藤流司"と書かれていた。
自分たちがいた所とは偉く遠いところだ。
近くには"橘 杏来(たちばな きょうこ)"…これはいつも彼女が言っている"あんこ"さんだろう。
ひな「そういえば、彼女たちのなまえは?」
トシ「佐藤流司といるのが安心院悠で…」
ジュン「黒羽麻璃央と仲がいいのが織本郁奈だよ。」
拓依「あっいた!!この人だよな!?」
ナオ「ホントだ、ちゃんと載ってるよん」
下6人の順位は6人とも同じだ。ということは、底辺は6人とも0点ということだ。
ひな「にしても、4人ともキレーに並んでるね…」
トシ「まぁ、そういう奴らだからな」
ひな「あの4人…頭悪かったんだ…」
拓依「ちょっヒメ正直すぎ!!聞こえたらどーすんの!!」
ナオ「ヒメらしいね♪」