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高校二年生の実態とか
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のりこ「あーームカつくー!」
『どーしたののりこ、また彼氏と喧嘩でもした?』
のりこ「悠…。悠じゃないんだからカレシと喧嘩するわけないでしょ?」
『えーアイツは彼氏なんかじゃ』
のりこ「いーなー悠はカレとラブラブで!今日も一緒に登校でしょ?行村(ゆきむら)なんて部活忙しいからって私に最近構ってくんないし!」
2-Hクラス。宗瑛学園高等部第二学年の中で一番の底辺クラス。
その中でクラスメイトの、のりこの叫びに鬱陶しがりながらも話しかける悠。席が隣だからしょうがないという感じであしらってはいるけれど、悠はのりこがそんなに嫌いではない。
『のりこ、メンズファイブは?ヒマならいつもみたいにかまってもらえばいーじゃん。』
のりこ「そのことでイラついてんの!行村といいトシといい皆して私のこと構ってくんない!」
流司「どうしたの悠?なんか騒がしいけど。」
『あ、流司。』
のりこ「あーあー悠ちゃんのナイトのご登場だよ。つまんねぇのー。あんこの所行こ、お二人はごゆっくりイチャイチャしてくださーい。あんこーー」
あんこ「のりこ?何なにー?」
のりこと悠と同じクラスの佐藤流司。
彼が来たことでのりこは二人の邪魔をするか、と半分の良心と最近彼氏の折り合いが悪い事の不満の腹いせとの投げつけで、よく一緒にいるあんこの所へと席を立った。
流司はそんなのりこを横目でみながら、悠の前の席に着く。
流司「なに話してたの?結構声でかかったから聞こえたよ?」
『なんか、最近みんなから構ってもらえないらしーよ。』
流司「ふーん。悠、今日は授業全部受けるの?」
『んー』
流司「朝から来るなんて珍しいから(笑)」
『どうせ私は不真面目だよ』
流司「すねないすねない」
スキンシップが人より多い(と思っている)流司は私の頭を言いながら撫でる。相変わらず大きな手だな、とその行為を受け入れる。
のりこ「あーほら始まった!2-H名物、佐藤と悠のゲロ甘スキンシップ!!」
あんこ「のりこ声でかーw」
のりこ「うるさいっつーの。…あっ!ねぇのりこ!私めっちゃいい事思いついたんだけどー。くみこも来なよー」
くみこ「ワタシ今彼とのメールで忙しーんだけどー。つか、悠と佐藤はもう付き合っちゃえよマジでさー」
あんこ「言ってもムダだよくみこー、コイツらもぅ手遅れだしwww」
手遅れ手遅れ、と手で悠と流司のセットを振り払う仕草をするあんこに、流司は満更でもなさそうに笑う。こんなのが楽しいのか。
『あー…流司に撫でられてたら眠くなってきた…』
流司「次サボる?俺現代社会とかワケわかんないし。」
『よく言うよー』
流司「だって何でか知らないけど、麻璃央くんも郁奈ちゃんも教室いないし」
『二人はいま資料室にいるって。センセイに呼ばれてた。』
流司「じゃあ俺らも外いこ?(笑)」
『そーだね、校内デートしよか(笑)
…って事だからあんちゃーん、センセイにテキトーに言っといてー。』
あんこ「はぁー?また私ー?」
『あんちゃんにしか頼めたいのー。』
あんこ「私は"あんちゃん"じゃなくてあんこ!!あんちゃんとか可愛くねーし!」
『あんちゃんはいつだって可愛いよ、くみこの次にね。』
くみこ「悠ちょーすきぃー」
後ろでキャンキャン何かを言っているのりこ達を残して、私は流司と教室を出た。
廊下が寒くて思わず『さむっ』って呟いたら、流司が笑いながら手を繋いでくれたから私は大人しく流司の手を握り返した。
仲のいい友達。そんなもんじゃない、きっとそれ以上だ。
それでも私たちはどちらかがどちらかに「好き」と告白をした事もなく、カップルの名前もなくただ二人でいる。
『…どこいくの?』
流司「日が当たるところ」
『屋上?』
流司「階段登るのダルいでしょ?そこまで行かない(笑)」
『そ(笑)』
この関係は、生温くて心地がいい。
二人して木陰に座って、二人して寝たらしい。
ふと目が覚めた私はしばらくボーッとしていた。今なん時だろう、と視線をさ迷わせると遠く校門の方に人影が見えた。男子高校生の、あれはのりこの彼氏の高校の制服のはずだ。ってことはのりこの彼氏だ。
肩にかけてあった流司の上着を流司の膝に返して、私は校門に向かって歩いた。
『ねーあのさー、』
行村「うわっ!?…あ、もしかして君ここの生徒?2-Hクラスの女子探してんだけど…」
『のりこの彼氏ー?』
行村「のりのこと知ってんの!?そう、オレ行村。のりこの彼氏。キミのりこの友達?」
『同じクラスー』
行村「さっきからケータイかけてんのに連絡来なくて。俺来たって伝えてくれる?」
『いーよ。…あ、なんかのりこ言ってたけど、最近カレシが構ってくれなくて寂しいって。部活忙しいの分かってるけど寂しいって言ってたよ?』
行村「オレ…。おぅ、ありがと、のりこの友達。サンキューな。」
『いやいや。じゃ、待っててねー』
のりこを探すならどこだろ。教室戻ってみるか…でも、のりこ基本的にあんまり授業受けてないはずだからどうせ校舎裏で少女トークでもしてそうだなー。
そうと決まったら校舎裏だ。べつに私は底辺クラスだから襲われることもないし、今の時期とくにテストもないし。
流司にはお詫びにコーヒー牛乳でもおごってあげよ。
校舎裏に行くと、女子の集団が見える。カーディガン的にあれあんこかな?
「ちげーし!!」
「目ざわりなんだよ」
どうやら声的にあんこだ。ってことは、のりこもいるかも知れない。
悠は一人を囲んで言い合っている女子の集団に何の怯えもなく、恐れもなくズカズカと進んでいった。
『あんちゃーーん、のりこいるーー??』
あんこ「ダレだよ!?……って悠じゃん。いるいるー。ホラ。」
のりこ「ちょっとナニ?今めっちゃ真剣な時なんだけどー」
『のりこケータイ見た?アンタのカレシが校門でのりこの事待ってたよ?つか、なにシューズ脱いでんの?』
のりこ「脱いでワリーかよ?てか、はぁ!?行村ぁ!?……あ、マジだ、めっちゃ通知来てんだけど。」
『あっ、くーちゃんいたんだ。私これから流司とデートだから、小可センセイの問題くーちゃんに行くかもメンゴー』
くみこ「はぁ!?ふざけんなよ!」
『こんどくみこのカレの愚痴聞いてあげるからさー』
くみこ「…おっけ、貸一つね」
女「くみこのノロケ愚痴聞くとか悠強くね……?」
あんこ「えーのりこ行くのー?」
『行ってあげなよ、なんか彼氏さん泣いてたよ?(ウソ)』
あんこ「のりこ何したの!?」
のりこ「なっ…!?知らねーし!ゴメン行くわ!」
ひな「ちょっと待って!!!!」
のりこがシューズをはいて行こうとすると、それまでずっと黙っていた女の子が突然声を上げた。
ひな「あなたは誰だか知らないし彼氏だかなんだか知らないけどコレだけは言わせてくんない!?…あんたら、"トシトシ"しか言えないの?」
のりこ「あ"!?」
ひな「そのトシに直接言えばすむ事じゃないのぉ!?私を呼び出す労力他に回せないのか!?つってんだボケ!!それに、そうやってどんどんあんた達が勝手にトシ像作ってくから!アイツはアイツで笑えなくなっちゃうんでしょー!?」
辺りがシンとする。
誰も何も言えずに、静かな空間が切り取られたようにそこにある。
間違っていないと自信を持つ女の子は、正面からのりこ達を睨み返している。
そんな時、上から誰かの声が聞こえた。
トシ「…おーー、こわっ。本当にあんだねー、こーゆー事って。」
女「ト…っ、トシっ!!」
ひな「なんで…そんなトコに…」
トシ「そりゃ、あそこから見えたらと飛ぶっしょとりあえず。でも、この人数相手に啖呵(たんか)きるなんて、さすが俺の姫♡」
ひな「はぁ!?誰のせいだとーーー………ん"?"俺の"?」
上から声をかけてきた男はよいしょと軽々と上から飛び降りてきて、女の子の横に立った。
最近構ってくんないとのりこが言っていたメンズファイブのトシ。どうやら、彼は彼だけのオヒメサマを見つけたらしい。
お遊びだったのりこを中心としたあんこもくみこも、ここにいる他の女もココでサヨナラってわけだ。
トシ「女ってめんどくさいねー。いちいち白黒つけなきゃいけないなんて。……多分、俺モテるから当分友達できないと思うけどガマンして。」
そう言って女の子を見せ付けるみたいに抱きしめた清水トシ。
今までのノリではないと、当然ここにいる皆が分かっている。
のりこ「はぁ!?トシ、それってーー」
トシ「つーか、何見てんの?」
これから彼が言うことなんて、100%予想ができてしまうから。
『のりこ』
場の雰囲気をぶち壊してのりこの名前を呼ぶ悠。
呼ばれたのりこはなに?と今の少し悲しそうな顔を隠しもせずに悠の方を向く。
悠は何ともないようにのりこにいった。
『彼のところ行きなよ、めっちゃ時間たってんだけど。私のりこの彼氏に怒られるじゃん』
のりこ「やば、忘れてた!サンキュ悠、行くわ!!」
『はいはい早く行けー』
すると遠くから流司がこっちに走ってくる姿が見えた。なんか落ち着くなぁ。
流司「…あっいた!悠…、行こう悠、もうすぐチャイムなるし。」
『…そーだね』
そのまま私はのりことは逆方向に流司に連れられてその場を去る。
少し後ろを振り向こうと首を向けようとして、流司に阻止された。おまけに肩に腕を回され肩を組まれた。
流司「みなくていいから」
『…はーい。……ねぇ、喉乾いてるよね?』
流司「え?急になに??」
『自販機行こう、私がコーヒー牛乳かいちご牛乳おごってあげるよ』
流司「俺ファンタがいい」
『贅沢いわなーい』
ファンタよりコーヒー牛乳の方が40円安いことなんて生徒全員が知ってる。
私が奢ったものなら文句言いながらも受け入れる流司は私が知ってる。
これでいい。
のりこもくみこもあんこも、他のみんなも、私のクラスメイト何だから、2-Hなんだから。
好きに生きて、楽しく笑って、誰も傷ついてなんか欲しくないからこれでいい。
流司「なに考えてるの」
『いちごとコーヒーどっちがいいかなって』
流司「悠はコーヒーの方が好きでしょ?」
『毎回だと飽きるから変えるのもありかなぁって』
流司は私の髪をクシャリと掻く。
馬鹿なこと考えんなよ、って言いたいんだろうな。
体育館と校舎の間にある渡り廊下の自販機まで、流司は目が覚めたら私がいなくて上着が返されてたに事にたいする文句をブツブツ言っていた。
まぁ、何も言わずに勝手をしたのは私が悪いか。