美貌の圧制者
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『(誰かが歌ってる……この歌声)』
(「鏡の中に閉じ込められた男
…この世で最高に美しい女は?」)
(「若い娘の姿が見えます
唇は赤いバラ、髪は黒々と輝き、肌は雪の白さです」)
(「はっ!白雪姫…」)
(白雪姫「これはね、望みのかなう井戸
お願い…誰か素敵な人が現れますように」)
(王子「やぁ、驚いた?…ついに会えた
どうか聞いて僕の想いを、真心を告げるこの歌を
永遠に口ずさもう」)
『…………』
目を覚ましたらまだ外は暗くて
時計をみたら6時を指していた
着替えをすませて部屋を出ようとしたとき
何故か後ろを振り返って鏡を見つめるけど
『(…なんだろう?)』
後ろ髪を引かれながら部屋を出て
談話室の暖炉に火を灯して思い出すのは
さっきの夢の内容だった
『白雪姫か……』
どうしてこんな夢を見続けるんだろう
『学園長先生に相談してみようかな……』
でも、学園長先生だって暇じゃないだろうし
最初の頃はユウくんに話してみようって思ったけど
ユウくんも学校とかグリムのお世話で大変なのに
変な心配かけたくなかったから話すの止めちゃったんだよね
『…もう少し落ち着いてから話してみよう』
今日からホリデー明けの新学期
まず最初が大事だよねって気合いを入れたら
朝食を作りに台所へ向かった
「「いってきまーす/なんだゾ~」」
『いってらっしゃーい!』
グリムとユウ君を見送って朝食の片付けを済ませたら
ゴーストさんたちから購買部に行くように連絡をもらって
皆さんに見送られながら購買部に向かった
今日もバリバリ働くぞ!
*~**~*
購買部で働くサムさんからの依頼で
地図を片手に学園の外に出ていた
購買部は必要なものがほとんど揃っているから
逆に買えないものの方が少ないんだけど…
(サム「これはキミにしか出来ない依頼なんだ!
よろしく頼むよ…お嬢さん?」)
『女性専用のお店か……確かに、私しか無理だよね』
もう一度地図を見ながら目的地の町にたどり着くと
大きな建物が立ち並んでいて
昔ながらの活気ある街並みに胸が高鳴る
地図を頼りにお店を探していると
目的のお店に着いてゆっくり扉を開けて中に入った
*~**~*
『ふぅ~…これで全部かな?』
ベンチに座って休憩していると
頭をよぎったのは先ほどサムさんから聞いた話の内容
『("全国魔法士養成学校総合文化祭"
…確かユウくんから貰った年間予定表にも
そんな事が書いてあったかも)』
2月中旬に行われる「全国魔法士養成学校総合文化祭」
今年の開催場所が、NRCに決定したらしい
全国魔法士養成学校総合文化祭は
全国の魔法士養成学校から代表生徒が集結して
2日間にわたって、美術や音楽、魔法に関する研究発表や
弁論大会などが行われる祭典
例えるなら、文化部のインターハイ
また魔法庁や魔法教育委員会、魔法大学、魔法開発企業
研究施設、さらには芸能界も注目する
次世代の才能を発掘する場でもあるって
サムさんが言っていたけど…魔法の世界でも
芸能界とかあるんだなって少し驚いた
『(また忙しくなりそうだけど…頑張ろう!)』
「おい!!こっちにはいないぞ!?」
「どこに行ったんだ!!」
「まだ近くにいるはずだ!!探せ!!」
『?』
数人のカメラを持った人達が
誰かを探しているらしく走ってどこかに消えてしまった
遅くならないうちに帰ろうと荷物を持って歩き出した瞬間
ドン!!!!
『きゃ!?』
「!!」
誰かとぶつかったら
買った荷物を落としてしまって慌てて拾ってると
ぶつかった人も一緒に荷物を拾ってくれた
『すいません、ありがとうございました!』
「こっち、こそ…ごめんなさい」
『…あなた、もしかして』
「!!…さ、さようなら!!」
『あ…』
帽子を深く被っていたから顔がよく分からなかったけど
その場から逃げるように走った男の子が気になって
その後ろ姿を見つめ続けた
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