熱砂の策謀家
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あの事件からさらに数日が過ぎて
今日はホリデーの宴に東のオアシスに向かうことになった
カリム「よおし、ジャミルの体調も回復したし
冬休みの課題名終わった!
今日はみんなでホリデーの宴といこうじゃないか!」
ジャミル「お前の宴好き、なんとかならないのか?」
アズール「まあまあ、いいじゃありませんか
賑やかなホリデーパーティーで嬉しい限りです」
ジェイド「ラクダにはたっぷりご馳走と飲み物も
積み込みましたし……」
フロイド「オアシスで泳ぐために水着も持った!」
カリム「それじゃあ……象もクジャクもみんな連れて
オアシスまでパレードだ!」
グリム「出発進行!なんだゾ~!」
「みんな元気だね…特にグリムとカリムさん」
『ふふふ、本当に!』
すごい行列で賑やかなパレードに驚きつつ歩いてると
カリムさんに声をかけられた
カリム「リリィ、疲れてないか?」
『はい、私は平気です!私より寮生さんの方が
疲れてそうなので、声をかけてあげて下さい!』
カリム「…そうか、何かあったらすぐに教えてくれよ!」
『ありがとうございます♪』
ジャミル「…………」
目の前の寮生さんに声をかけるカリムさん
彼の笑顔にまた胸が苦しくなると
バイパーさんの「オアシスが見えてきた」って声に
ゆっくり顔を上げた
無事にオアシスに着いて、食事の準備を終えたら
カップに飲み物をついでいくと寮生さんたちに渡していく
カリム「さあ、宴の準備は整った!みんな好きなだけ食って
歌って、踊って、今年の嫌なこと全部忘れちまおう!
ほら、ジャミルもこっちで踊ろうぜ!」
ジャミル「お、俺はいいから……」
ジェイド「おふたりともお上手ですね
アズールも躍りを教えて頂いては?」
アズール「やめてください、人魚にはハードルが高すぎます」
フロイド「オレも踊る~!」
みんなの様子を眺めてたら
聞き覚えのある声に耳をすませると
砂漠の方から走ってきたのは
エースくんとデュースくんだった
グリム「エースに、デュース!?」
「2人ともどうしたの?冬休みで実家に帰ってたはずじゃ?」
エース「どうしたの、じゃねーっつの!
お前らこそどうしちゃったわけ?」
デュース「「スカラビアに監禁されてる」なんて
メッセージが届いたと思ったらメッセも
通話も通じなくなって……」
グリム「あ、そういえばコイツらにも
連絡しとけって言ったっけ
役に立たないとは思ってたけど
ほんとうに全部解決してから来たんだゾ」
『ユウくん…返信してなかったの?』
「…すっかり忘れてました」
『あらあら…』
デュース「よくわからないが…この楽しげな様子を見る限り
危機的状況ってわけじゃなさそうだ」
カリム「なんだ?ユウたちの友達か?」
フロイド「あ、カニちゃんじゃん!遊びに来たの?」
デュース「カニ…?」
エース「あー、フロイド先輩は同じバスケ部で
スカラビアのジャミル先輩も同じ部活なんだけど」
カリム「おお!そうかそうか!ジャミルの友達なら
オレの友達だな!」
ジャミル「おい、何度も言うが
俺はお前と友達になったつもりは…はぁ、聞いてないな」
カリム「とにかく、せっかく来たんだ
お前らもホリデーの宴に参加していけよ!」
アズール「こちらにピザやパスタもありますよ」
ジェイド「お飲み物はどうされますか?」
エース「げげっ、オクタヴィネルの奴ら!」
デュース「お前たち、なんであいつらと一緒にいるんだ?」
グリム「オマエたちがいない間、オレ様たち
そりゃあもう大変な目にあったんだゾ!
グリム様の武勇伝を聞かせてやるから、そこに座れ!」
エース「なんだそりゃ……ま、無事だったならいいけどさ」
デュース「まったく…人騒がせなヤツらだ」
「心配して来てくれたんだね…二人ともありがとう」
エース「別に?実家にいてもゲームくらいしか
やることなくて暇だったし……」
デュース「いつでもメッセージしてこいといった手前
無視も出来ないからな」
グリム「素直じゃねぇヤツらなんだゾ」
『…………』
エース・デュース「「?」」
「リリィちゃん…?」
素敵な景色に、美味しい料理と楽しい音楽
いつもなら喜んで参加出来るのに
どうして私…泣きそうな気持ちになってるんだろう
_____ビュン
『!?』
エース「な、何あれ!?絨毯!?」
デュース「は、早い!!」
カリム「オレが行く!!みんなは宴を続けてくれ!!」
ジャミル「ま、待てカリム!!」
何故か魔法の絨毯で空を飛んでる私
その後を箒で追いかけてくるカリムさんに
魔法の絨毯にしがみついてお願いした
『お願いもっとスピードを出して!!
カリムさんが追い付けないくらい……っ、早く!!』
絨毯「______」
『?!』
カリム「リリィ!!!!」
目の前が見えないくらいのスピードに
怖くてしがみついてたら
いきなりの急回転に思わず手を離してしまうと
地面に向かって落ちていく
『きゃああああ!!!!』
カリム「_____!!」
ポスッ
カリム「…ふぅ~ギリギリ間に合ったぜー」
『…っ…………』
地面に落ちるギリギリで魔法の絨毯に助けてもらえて
カリムさんの胸に頭を預ける形で倒れていた
カリム「大丈夫か?」
『……ごめんなさい』
カリム「いいって、いいって!気にするな!」
『…っ、違うんです!!』
カリム「?」
カリムさんから離れて身体を起こしたら
今までカリムさんに抱いていた思いを伝えた
『私……ずっと、カリムさんを大事な人と重ねていました
そんなカリムさんがスカラビアの人たちに
嫌われてるのが嫌で…何かしてあげられたらって思った
今まで彼にたくさん助けてもらったから
今度は私が助ける番だって思ったのに
…結局何も出来なかった』
カリム「……リリィ」
『そんな自分が情けなくて…そしたら
カリムさんと彼を重ねてた事も申し訳なく思えてきてカリムさんに会うのが…恥ずかしくなったんです』
カリム「それで最近オレを避けてたんだな?」
『…本当にごめんなさい』
カリムさんの返事が怖くて、俯いたままでいたら
いきなり横に倒れたカリムさんにびっくりすると
いつもの明るい笑顔で話しかけてくれた
カリム「よかった~!オレ、ジャミルだげじゃなくて
リリィにも嫌われたのかと思って焦ったー!!」
『…怒ってないんですか?』
カリム「ん?怒るわけないだろ?それに…リリィが
オレを誰かと重ねて見てたのは知ってたし」
『え_____』
カリムさんの言葉に何も言えないでいたら
空を真っ直ぐ見つめながら、私に話しかけてくれた
カリム「魔法の絨毯であの歌を聞かせてくれた時から
あの歌って、そいつとの思い出の歌なんだろ?
歌ってる時のリリィ、本当に幸せそうだったからさ」
『…っ…………』
カリム「…でもさ、リリィがオレに言ってくれた言葉が
全部そいつと重ねて言ったわけじゃないだろ?
リリィは何も出来なかったって言うけど
オレはリリィの言葉に救われた…感謝してるぜ!」
『…カリム、さん』
カリム「会えるといいな…いや、絶対会えるさ!」
『っ、』
今なら…カリムさんになら伝えてもいいかな
私の素直な気持ちを_____
『…っ、はぃ……すごく……会いたい、です!』
カリム「…ああ!」
言葉にした瞬間、涙が溢れて止まらなくなって
両手で顔を隠して俯いた
カリムさんは泣き止むまで頭を撫で続けてくれて
その温かさにやっぱりカリムさんは彼に似てるって思うと
また涙が止まらなくなった