熱砂の策謀家
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(「カリムの親は、俺の親よりずっと偉い
だから……カリムも俺より偉い」)
(「だから、勉強も、運動も、遊びも
絶対カリムを抜いてはいけない…だから
カリムに合わせてなんでも"出来ないふり"した」)
(「お前が俺に勝ってるんじゃない
俺がお前に勝ちを譲ってやってるんだ
能天気な顔しやがって…気付け、鈍感野郎!」)
(「大人はみな同じセリフを言う
「君ならわかってくれるだろう」って?
なら…誰が俺をわかってくれる?」)
(「やめろ…もう、やめてくれ!!
カリム、お前がいるだけで、俺は……
ずっとお前に譲って生きていかなくちゃならない!」)
(「俺だって__一番になりたいのに」)
『(バイパーさん……)』
*~**~*
『…っ……………』
「リリィちゃん!?…よかった、目が覚めて」
ジャミル「う………ここは」
目の前は、キレイ夜空と星が輝いていて
崩壊していた建物も元に戻っていた
アズール「良かった、何とか正気を取り戻したようですね」
グリム「ふな"ぁ……しばらくあのバケモンの夢
見そーなんだゾ……」
カリム「じゃ、じゃみる……リリィ
うぉおおおえええあああわあああああん!!!!」
フロイド「ラッコちゃん、全然言葉しゃべれてねーじゃん」
ジェイド「一発殴ってやると言っていたのも
すっかり忘れていますね」
カリム「い、生きててよかった……いぎででよがっだ」
ジャミル「…お前はどうしてそう………はぁ~~……」
カリム「オレ、オレ……うっ、お前がどんな気持ちで
過ごしてきたか知らなかった…ず、ずっと、ズビッ……
我慢させてたこともひぐっ、ぜんぜん、知らなぐでっ……」
アズール「その結果が、この手酷い裏切りですよ」
フロイド「そーだよ、ウミヘビくんは内心ず~っと
ラッコちゃんのことバカにしながら生きてたんだよ」
グリム「オマエら、オレ様より空気読めねぇんだゾ!」
カリム「お前は、ひ、ひどいヤツだ……だけど、やっぱり
ずっとオレを助けてくれてたのも、お前なんだ」
ジャミル「…カリム」
カリム「だからもう、今日からやめよう
親の地位とか主従関係とか、そういうことで遠慮するのは」
ジャミル「…………は?」
カリム「今日からは、遠慮なしで本気で一番を奪い合う
ライバルになろう!改めて対等な立場で…友達になろう」
ジャミル「対等な立場で、友達に…………?
ふ……お前らしい結論だな、カリム……
なら、対等な立場で言わせてほしい
絶っっっっっっっっっっ対にお断りだ!!!!」
カリム「えっ」
グリム「えぇ~~~~!?」
ジャミル「考えなしで大雑把、間抜けで不器用
超がつくほどの能天気で傲慢
デリカシーゼロのボンボンが!!
そんなヤツと誰が好きこのんで友達になんかなるか!
利害関係がないなら、お前とは1ミリたりとも
関わり合いたくないね!」
カリム「え、えぇ~~~~!?なんだよそれぇえ!?」
グリム「なんか吹っ切れちまったのか
ズバズバキツイこと言いまくりなんだゾ」
「本当はあんな性格だったんだね
すごい猫の被りか方だったんだなぁ…」
『今まで言えなかったぶん、止まらなくなったんだね…』
アズール「いいじゃありませんか、僕は
今のジャミルさんのほうが好感が持てますよ」
ジャミル「なんだ?ニヤニヤして気持ち悪い」
アズール「実は僕、1年生の頃からずっと
あなたのことが気になっていたんです」
ジャミル「はぁ……?」
支配人さん曰く、バイパーさんは普段からあまりにも
目立たなすぎて逆に浮いていたらしく
座学も実技の成績も優れた成績を残していないと同時に
どの授業でも、絶対マイナス評価も残していなかった
全教科で10段階評価の5を
"わざと"取りつづけていた印象だったみたい
そんなこと、自然にあり得るわけがない
ずっとなにかがあるに違いないと思っていた時に
私たちの話を聞いてピンときてしまったらしい
ジェイド「なるほど、アズールだって
魔法薬学の成績は学年トップレベルですが
飛行術の成績は下から数えた方が早いですものね」
グリム「それもちょっと極端なんだゾ」
支配人さんは、先日のボードゲーム「マンカラ」を
一緒にした時に予感は確信に変わったと話してくれた
バイパーさんはフロイドさんの機嫌を損ねない程度に
勝敗をコントロールしていたらしい
ちょうどいい塩梅で、相手を勝たせていい気分にさせる
そんなこと、並の技術と精神力で出来ることじゃないと
バイパーさんを絶賛していた
カリム「だろ?だろ?
やっぱりジャミルはすごいヤツなんだよ!」
アズール「ジャミルさんはカリムさんより
僕のようなタイプと気が合うと思いますよ
どうです?これを機にオクタヴィネルに転寮して
僕と手を組んで一旗あげてみませんか?」
ジャミル「絶対にお断りだ、大体なんなんだお前は
いきなり出てきてぺらぺらと……胡散臭いんだよ!
今後もお前とは永遠に友人になんかなりたくないね」
ジェイド「おや、言われてしまいましたねぇ」
アズール「フフフ……かまいませんよ
今回の僕の秘密コレクションに新たな真実が1つ
追加されたことで良しとしましょう」
フロイド「別名・他人の弱点コレクションね」
ジャミル「…フン、世界中に向けて明かされちまった
秘密なんて、弱みでもなんでもないだろ
……もう、今日からは遠慮しない
カリムにも、お前らにも、誰にも
二度と勝ちを譲ってやる気はないからな」
カリム「…ああ!オレも絶対に負けないぜ!」
『(良かったですね…お二人とも)』
*~**~*
スカラビアのお風呂から上がって、部屋に戻っていたとき
談話室から物音が聞こえて近付くと
グリム「ああ……もう食べ終わっちまった
もっと…もっと黒い石が食いてぇんだゾ……ヒヒ……」
『……グリム?』
グリムに近寄ってしゃがむと頭を撫でながら声をかけた
『…こんなところで何してたの?』
グリム「それが……よくわかんねーんだゾ
いい匂いがして……ふらふら~って……」
『…いい匂い?』
グリム「でもなんも無かったみてーだな!」
『そう…だね』
グリム「……リリィ?」
『…………』
何故か分からないけど、グリムを抱き締めたら
そのまま立ち上がって部屋に戻った
談話室を振り返っても、もちろん何もないのに
何故かすぐに離れたくて仕方なかった
*~**~*
あの事件から数日後の夜
最上階のバルコニーで景色を眺めていたら
スマホに登録されていない電話からの着信に
まさかと思って電話に出た
『…もしもし?』
リドル「(…久しぶりだねリリィ)」
『やっぱり、リドルさんだったんですね!』
久しぶりのリドルさんの声に嬉しくなると
勢いそのまま話し続ける
『ホリデーいかがお過ごしですか?』
リドル「(…楽しかった……とはいかないけど
でも、母さんと少し話すことが出来たんだ)」
『え?』
リドル「(学校での出来事や僕の将来について
…何も言ってはくれなかったけど
僕はすっきりしているよ)」
『怒りも反対もしなかったって事はリドルさんのお母さんも
色々考えてくださっているんですよ!
諦めずに待っていてあげて下さいね?』
リドル「(そうだね…)」
『お気持ち伝えられて良かったです!』
リドル「(…何かあったのかい?)」
『え?』
リドル「(少し元気がないように聞こえたんだが)」
『…………』
リドルさんの言葉にスマホを強く握りしめると
いつもの声の高さを思い出しながら話しかける
『実は…オンボロ寮の掃除が想像以上に大変でして
朝から晩まで掃除してもキレイにならないんです!』
リドル「(そ、そうなのかい?)」
『特に屋根裏部屋は埃と蜘蛛の糸がすごくて…あ、
愚痴ってしまってすいません!』
リドル「(いいんだよ、君は少し働きすぎな所があるから
適度に休まないといけないよ?)」
『わかりました!』
リドル「(…それじゃあ、そろそろ切るよ)」
『はい、おやすみなさいリドルさん!』
リドル「(おやすみリリィ、また学校で)」
『……はい、お待ちしています』
電話が切れたのを確認したら
スマホとは反対の拳を強く握りしめる
『…いいな………気持ちを伝えられる相手がいて』
泣きたくなる気持ちを誤魔化して
勢いよく頬を叩いたら、そのまま階段を下りた
カリム「……リリィ」
ジャミル「…………」