熱砂の策謀家
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バイパーさんに洗脳されたスカラビアの寮生さんたちが
私たちに襲いかかってくる
支配人さんたちが魔法で攻撃をして守ってくれているけど
アズール「信じられない、これほどの大人数を同時に
しかも個別に操れるなんて!
平凡なんてとんでもない、彼の能力はスカラビアどころか
学園の中でも間違いなくトップクラスだ!」
フロイド「コイツら何度絞めてもまた起き上がってくんだけど
ゾンビかよっ!」
カリム「ジャミル!もうやめろ、わかったから
お前が寮長になれ!オレは実家に戻るから……っ」
ジャミル「はぁ?なに言ってんだ
俺の呪縛は、そんなことで簡単に解けはしない
カリム、お前がこの世に存在するかぎり!」
『っつ!!あ、頭が…痛い!!』
「リリィちゃん!?」
カリム「リリィ!!」
アズール「!?」
((『(あの人達が存在するかぎり…私は絶対に
幸せになんてなれないんだわ)』))
『…っ……!!』
ジェイド「いけません、ジャミルさん
これ以上ユニーク魔法を使い続ければ
ブロットの許容量が……!」
ジャミル「うるさい!俺に命令するな
俺はもう、誰の命令も聞かない!!
俺は、もう自由になるんだ!!!!!!!!」
『(ダメ_____)』
__ぴちゃんぴちゃんぴちゃん……__
オーバーブロットしてしまったバイパーさんは
黒い液体を身体に張り巡らせていて
後ろにはブロットの化身が佇んでいた
美しいスカラビアの景色が、どんどん澱んでいく
『(そ、そんな…カリムさんじゃなくてバイパーさんが?)』
カリム「なんだあれ!?ジャ、ジャミルの姿が!?」
ジェイド「空模様まで変わっていく…これは
アズールの時とおなじ……!」
アズール「__オーバーブロット!
援軍の見込みがない冬休みだというのに
やっかいなことになりましたね」
グリム「アイツも闇落ちバーサーカーになっちまったのか!?」
アズール「ブロットの負のエネルギーが膨れ上がっていく
みなさん、構えてください!」
バイパーさんに向かって皆が攻撃を仕掛けてくれるけど
赤黒い光の渦が私以外の皆を包んでしまった
『ユウくん!?グリム!!』
ジャミル「無能な王もペテン師も…お前らにもう用はない!
宇宙の果てまで飛んでいけ!そして、二度と帰るな!
ドッカーーーーーーーーーーーーーーン!!!!」
「「「「うわあああああああ~~!!!!」」」」
皆が一斉に空に飛ばされてしまった瞬間
魔法の絨毯が私の所に飛んできて軽々と乗せてくれた
ジャミル「そうはさせるか!!」
『!?きゃあああ!!!!』
いきなり赤黒い光の渦に包まれた私たち
魔法の絨毯は解れて糸になってしまった
『そ、そんな………』
ジャミル「ナイスショーーーーーーーット!!
フハハハハ!!あばよ、カリム!!
ひゃーーーーっはっはっはっはっはっは!!」
*~**~*
スカラビアの談話室では宴が行われていた
ジャミル「食料も飲み物も全部持ってこい!今日は宴だ!
阿呆な王が消え、真の実力者が王になった記念日だからな
…そうだろうリリィ?」
『…っ、!!』
バイパーさんの魔法で
赤いベリーダンスの衣装に変えられて
両手には手枷がつけられている
まさにジャスミンが捕らえられた時と同じ状況だった
ジャミル「ああ、とても清々しい気分だ
いくらでも魔力が沸き上がってくる」
『(このままじゃバイパーさんが…考えなくちゃ
バイパーさんが魔法を使わなくてすむ方法を)』
ジャミル「…何を考えている」
『!?』
いきなり手枷を引っ張られると
両手を床についてしまって無理やり顎を掴まれたら
目が合うように顔を上に向けられた
ジャミル「最初に会った時から
変に鋭くずる賢い女で気に入らなかったが
言え…何を考えていた?」
『…………』
そうだ、もしこの状況がアラジンと同じなら____
『…あなたの事を考えていたんです』
ジャミル「…………」
嫌悪感を押し殺してバイパーさんの頬に触れた
ジャミル「ははは…もっと言え、俺を褒め称えるがいい」
『…あなたは、とてもハンサムで』
ジャミル「ほう?」
『…色黒で、背が高くて』
ジャミル「それで?」
『目が吊り上がっていてとても……賢そうです』
ジャミル「それから?」
『肩がイカッてて……見るからに……強そうです』
ジャミル「他には?」
『…お髭がよく似合ってて………うっとりします』
ジャミル「…ふん、なかなかの褒め言葉じゃないか」
『!?』
バイパーさんの顔が近付いてくる
そう、ジャスミンはジャファーにキスをして
アラジンをピンチから救ったんだから……私も
((「…リリィ、自分に嘘だけはつかないで」))
『っ、絶対に嫌!!』
ジャミル「なっ!?」
近くのテーブルに置いてあったグラスを取って
中身をバイパーさんにぶちまけた
少し距離を取ったら、私を睨み付けるバイパーさんに
恐怖で身体が震えるけど目を逸らさずにはっきり伝えた
『…ツラかったと思います』
ジャミル「…何だと?」
『主人と従者とか、家族の事とか
我慢することがたくさんあってツラかったと思います
でも…それでもあなたはカリムさんに
素直に伝えるべきだったんです!!』
ジャミル「伝える?…バカな、伝えた所で何も変わりはしない
俺はずっとアイツに縛られて生きていくんだ!!」
『そんなことありません!!
カリムさんは…確かに鈍感な所がありますけど
それ以上に優しく温かい人です!!
バイパーさんの思いを知った今なら
自由になれる方法を一緒に』
ジャミル「うるさい!!…っ、俺の復讐はまだ終わってない
アイツの大事な物は全部ぶっ壊してやる!!
そう…まずはお前からだ、リリィ!!」
『!?』
カリム「リリィーー!!!!」
アズール「リリィさん!!」
『!!』
ジャミル「お前たちは!?
時空の果てまで吹き飛ばしたはずだ
この短時間でどうやってここまで戻ってきた?」
カリム「乾いた川に水を満たして泳いで帰ってきた!」
フロイド「思ったより遠くて、かなり疲れた~」
ジャミル「なんだと!?……チッ、そうか
カリムのユニーク魔法で……フン
お前の魔法にも使い道があって良かったじゃないか
植木の水やりか、お遊戯くらいにしか役立たない
くだらない魔法だと思っていたのに」
アズール「ふっ、カリムさんの力を侮っていたようですね」
カリム「ジャミル…お前がオレをどう思ってたか
よくわかった…間違いなく、お前は卑怯な裏切り者だ!」
ジャミル「馬鹿め、疑いもせず信じるほうが悪いんだろ?」
カリム「正々堂々、オレと勝負しろ!そしてオレから奪った
寮長の座とリリィを返してもらうぜ!」
『…っ、カリムさん』
ジャミル「奪っただと?ハッ……どの口が!!
俺から何もかも奪ったのは、お前のほうだ!」
『きゃ!?』
グリム「リリィ!!」
「リリィちゃん!!」
ジェイド・フロイド「「!?」」
いきなりどこかに閉じ込められると
天井から砂が落ちてきた
ガラスを強く叩いても、全然びくともしない
アズール「何ですか、あの砂時計は!?」
ジェイド「さぁ…早く俺を倒さないと
あいつが砂に埋もれて窒息してしまうぞ!」
カリム「っ、待ってろリリィ!!」
『カリムさん…皆さん!!』
皆がバイパーさんに挑んでいく
とうとう砂が口と鼻を覆って目の前が暗くなった瞬間
いつの間にか意識が遠のいていった