熱砂の策謀家
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アズール「現時点で寮生の課題の達成度は
前日比の15%アップ、なかなかの成果です
ユウさんたちから、カリムさんが
情緒不安定にあると聞いていたのですが……
僕らが来てからは、彼の心も落ち着いている様子
カリムさんも寮生からの信頼を取り戻せそうで
良かったですね」
ジャミル「…………それじゃあ、困るんだよ」
アズール「え?」
ジャミル「悪いが、これ以上君らをスカラビアには
置いておけない、海の底へ帰ってもらおう」
アズール「ジャミルさん、急にどうしたんです?
僕、なにか気に障ることでも…?」
ジャミル「本当にわからないのか?
この俺の、悲しい顔を見ても?」
アズール「え……?」
ジャミル「__俺の目を見たな、馬鹿め
「瞳に映るはお前の主人、尋ねれば答えよ
命じれば頭を垂れよ"スネーク・ウィスパー(蛇のいざない)"」」
アズール「なにっ!?……うぅっ頭が……っ!」
ジャミル「抗えば苦痛が長ひく、さっさと諦めて従うんだ
__さあ!」
アズール「うう、う…………」
ジャミル「……アズール、お前の主人の名は?」
アズール「僕の主人は__……あなた様です、ジャミル様
なんなりと、ご命令を…………ご主人様」
ジャミル「…フ、ハハ…ハハハハハ!
俺を"平板な魔法士"と思って油断していたな
オクタヴィネルの寮長ともあろう者が、ザマァない
まったく……お前らのせいで
コツコツ進めてきた計画がパァだ!
あともう少しでオンボロ寮のヤツらが寮生を焚きつけて
カリムを追い出してくれそうだったのに!
俺の手を汚さずにカリムを寮長の座から
引きずり下ろすために、一体どれだけ
面倒な下準備をしてきたと思ってるんだ
まずはアズールに命令して
双子と共に珊瑚の海へ帰省させて……いや、待てよ
アズール、君は先日契約で奪った能力を
元の持ち主に返還したんだったな?」
アズール「はい………」
ジャミル「チッ、ではランプの魔人のように
コイツを便利に使うことは無理か…コイツを長時間
洗脳し続けることは難しいし」
アズール「……ですが、契約内容は覚えています」
ジャミル「なに?」
アズール「僕と契約するに至った人物の秘密
悩み、弱み、欲望……僕は全て覚えている」
ジャミル「なんて趣味の悪いコレクションだ
やはりお前とは友人にならなくて正解だったな
……その悪趣味なコレクションの中に学園長
ディア・クロウリーの秘密はあるのか?」
アズール「もちろんです、彼が漏らされたくない秘密を
僕は知っている」
ジャミル「は、ははっ……やった、やったぞ!!
これで、すべて上手くいく!!
やはりお前は俺のランプの魔人だ、アズール!!」
アズール「ご主人様は、学園長の秘密がお望みなのですか?」
ジャミル「そうだとも、学園長の弱みが握れれば
やっと俺は自由になれる、学園からカリムを追い出し
寮長になれるんだ!
…そうだな、カリムの弱みを握るためにも
もう1つ聞いておこう…アズール
灰咲リリィの秘密を知っているか?」
アズール「いいえ、彼女の秘密は存じ上げません…ただ」
ジャミル「ただ?」
アズール「彼女の"願い"を僕は知っている」
ジャミル「願い?言ってみろ」
アズール「…………」
ジェイド「__話は聞かせて頂きました」
ジャミル「!?」
グリム「やっと本性表したんだゾ!
よくもオレ様たちを騙してくれたな!」
ジャミル「なっ……お前たち、どこから聞いて……!?」
ジェイド「最初からすべて、ですよ
談話室を出てからのおふたりの会話は
ずっとアズールのスマートフォンから
全世界にライブ配信されていたんです」
ジャミル「……は?」
ジェイド「現在アズールのマジカメアカウントの
ライブ配信を視聴中のユーザーは5000人越え
「某有名魔法士養成学校の闇実況」として話題騒然です
副寮長の晴れ舞台、もちろん寮生のみなさんも
談話室に集まって視聴中です」
「ジャミル副寮長…今の話は本当なんですか?」
「今までずっと、寮長や僕たちを騙していたと!?」
グリム「いい人ぶっておいて、ひでぇヤツ!
とんだ嘘つき野郎なんだゾ!」
ジャミル「そ、それは……違う、俺は……っ」
ジェイド「もう言い逃れは出来ませんよ
アズールに使った洗脳魔法が動かぬ証拠
ジャミルさん……貴方こそユニーク魔法でカリムさんを操り
スカラビアを混乱に招き入れた黒幕だ!」
ジャミル「…事を荒立てるつもりはなかったが
…こうなれば仕方ない、アズール!命令だ!
コイツら全員捩じ伏せて、拘束しろ」
アズール「はい…僕はジャミルさまの忠実な下僕
__な、わけないじゃないですか」
ジャミル「なにっ!?」
アズール「ジャミルさん、先ほどのお言葉
そのままあなたにお返ししますよ
僕を"傲慢な魔法士"と思って油断していましたね
熟慮の精神をモットーとするスカラビアの副寮長とも
あろう者が、ザマァない」
ジャミル「どういうことだ?確実に目を見て洗脳したはず…」
『…………』
支配人さんの作戦はこうだった
まずカリムさんが洗脳されないように
バイパーさんと二人っきりにさせないこと
そして、寮長であり一番魔法が強い支配人さんに
バイパーさんが洗脳をさせる機会を作ること
洗脳されないように、アズールさんは自身のユニーク魔法で
フロイドさんのユニーク魔法を貰っていた
フロイドさんのユニーク魔法
「バインド・ザ・ハート(巻きつく尾)」は
相手の魔法を妨害して矛先を逸らすことが出来る魔法だから
バイパーさんの洗脳を逸らすことが出来たんだ
カリム「……ジャ……ミル?これは一体……どういうことだ?」
ジャミル「カ、カリム……」
カリム「お、お前がオレを操っていたなんて……嘘だよな?
最近たまに意識が遠のいて、いつの間にか時間が
過ぎてたりしたことがあったけど
でも、ただの貧血か居眠りだろう?
オレ、どこでも寝ちまうからさ……なあ、そうだろ?
オレ、居眠りしてただけだよな?」
『…っ、カリムさん』
カリム「お前がオレを操るなんて、オレを追い出そうと
するなんて、するわけないよな?
ジャミル、お前だけは……お前だけは絶対に
オレを裏切ったりしないよな?
だってオレたち、親友だろ!?」
ジャミル「…はは……あはははははは!!!!」
カリム「お、おい…どうしたんだ?」
ジャミル「…………そういうところだよ」
カリム「え……?」
ジャミル「俺はな……物心ついた時から、お前のそういう
能天気でお人好しで馬鹿なところが
大っっっっっ嫌いだったんだ!!!!
こっちの苦労も知らないでヘラヘラしやがって!!
お前の笑顔を見るたび虫酸が走る、もううんざりだ!!
もう取り繕っても意味がない……俺はな
お前さえいなければと毎日毎日願い続けてきた
だが、それも今日でおしまいだ!
俺も、家族も……なにもかも、どうにでもなれ!!」
カリム「ま、待て、ジャミル!」
ジャミル「「瞳に映るはお前の主人
尋ねれば答よ、命じれば頭を垂れよ__
スネーク・ウィスパー(蛇のいざない)!!」」
「「「「ううっ……頭が………」」」」
アズール「なっ…まさか、寮生全員を洗脳にかけただと!?」
ジャミル「お前たち、カリムとオクタヴィネルのヤツらを
外につまみ出せ!」
「「「「はい、ご主人様……」」」」
カリム「ジャミル!?」