熱砂の策謀家
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次の日
支配人さん達と一緒にスカラビア寮に訪れた
アズール「こんにちは、お邪魔します」
フロイド「うわー、あっつ、マジ真夏じゃん」
「昨日俺たちをボコボコにしたオクタヴィネルの奴ら!」
「スカラビアになんの用だ!」
アズール「ああ、みなさん…昨晩は失礼しました
みなさんがか弱い動物を一方的に苛めているように
見えたもので、心優しい僕は咄嗟に庇ってしまったのですが
よくよく話を聞いてみれば、オンボロ寮の3人は
スカラビアから魔法の絨毯を盗み出した
窃盗犯ということがわかりまして
間違いに気付いた僕は、責任をもって
この窃盗犯を引っ捕らえ、魔法の絨毯を
お届けにあがったというわけです」
グリム「うぬぅ……不本意なんだゾ……」
「確かに……」
『二人とも、今は我慢だよ!』
絨毯「♪♪♪♪」
『え?あ……ふふふ!』
グリム「こいつ、ずいぶんリリィに懐いてるんだゾ」
魔法の絨毯が私の周りをぐるぐる飛んで
甘えているような気がして可愛いって思っていたら
ジャミル「おい、お前たち、そろそろ朝の特訓の時間だ
集合に遅れるとまたカリムに……!!!???」
アズール「おや、ジャミルさん!
こんにちは、ご機嫌いかがです?」
ジャミル「アズール・アーシェングロット……!
それに、リーチ兄弟……一体、何故ここに?」
ジェイド「僕たちの故郷は、冬は帰省が困難な立地でして」
フロイド「毎年ホリデーは寮で過ごしてるんだぁ~あはっ」
ジャミル「なん、だって?」
アズール「ところで、カリムさんはどこにいらっしゃいますか?
魔法の絨毯をお届けにあがったのですが…」
ジャミル「えっ、あ、ああ…届け物なら俺が預かろう」
アズール「いえ!結構、この魔法の絨毯は国宝級の逸品です
後々傷などが発見されて「オクタヴィネルの奴らのせいだ」
などとクレームをつけられては困りますから
直接カリムさんにお渡ししてしっかりと検品して頂きたい」
ジャミル「カリムはそんなこと気にしないはずだ
だから俺が預かって……」
アズール「ご安心ください、落とし物の20%にあたる
報労金を要求したりもしませんから」
ジェイド「昨晩スカラビアのみなさんに働いた無礼についても
お詫び申し上げたいですし」
フロイド「手土産のシーフードピザももってきたしぃ」
アズール「とにかく、絶対に直接会ってお渡ししたいのです
彼はもう起きていらっしゃいますよね?」
ジャミル「だから、今日は都合が悪いと……
勝手に入っていくな!アズール!」
『(ご、強引………)』
*~**~*
スカラビアの談話室にいくと
カリムさんが笑顔で私たちに振り返ってくれた
カリム「あれ、アズール?なんでウチの寮にいるんだ?」
アズール「こんにちは、ご機嫌いかがですか、カリムさん
いやぁ~~、いつ来てもスカラビアは素晴らしい
外は雪もちらつく真冬だというのに
まるで真夏の陽気じゃありませんか
リゾート開発をすれば、大量の集客が見込めそうな
素敵なロケーションです」
カリム「おう?よくわかんねーけど
褒めてくれてサンキューな!」
アズール「今日はあなたの魔法の絨毯を捕まえたので
お届けにあがったんです」
カリム「えぇ?アイツまた勝手に逃げ出したのか?
そいつは手間をかけたな」
絨毯「♪」
『きゃ!?』
カリム「おっと!」
いきなり魔法の絨毯に引っ張られると
カリムさんの所に連れていかれて
何故かカリムさんと一緒にぐるぐる巻きにされていた
カリム「なんだ?いつの間にリリィと仲良くなったんだ?」
絨毯「♪♪」
カリム「そうかそうか、良かったな!」
アズール「…ところで、今年はスカラビアは
ホリデーを寮で過ごされるとか」
カリム「ああ、もしかしてお前たちも?」
アズール「そうなんです!いやー奇遇ですね
そこで、これを機にオクタヴィネルとスカラビアで
親睦をふかめる合宿を致しませんか?」
ジャミル「なっ……!?」
アズール「この冬採用されたというスカラビア独自の
学習スタイルも学ぶところが多そうですし」
カリム「そりゃいい!オクタヴィネルの寮長かウチの寮に
滞在してくれるなんて、願ってもない」
ジャミル「……カリム、俺は反対だ」
『(やっぱり)』
バイパーさんの反対は想像出来ていた
その反応にカリムさんは不思議そうにしていた
カリム「えぇ?なんでだよ」
ジャミル「他の寮に追いつくために、わざわざ休みを潰して
特訓しているんだぞ
それなのに他寮の寮長を招き入れるなんて
敵に手の内を明かすようなものじゃないか」
カリム「敵なんて大げさだな、それに
オンボロ寮の3人はお前が連れてきたんじゃないか」
ジャミル「それは……っ、そうだが
俺はお前たちのためにも言っているんだぞ、アズール」
アズール「ジャミルさんのご意見はごもっとも
他の寮は常に成績を競い合うライバルですから
残念ですが、僕らはこれでお暇しましょう
…行きますよ、リリィさん」
『あ……はい』
カリム「…リリィ」
支配人さんが魔法の絨毯を退かしてくれて
カリムさんを気にかけながら支配人さんの所に向かうと
アズール「はぁ……極寒の中、今年も3人ぼっちの
ホリデーですか……ま、仕方ないですけど……」
ジェイド「頑張って魔法の絨毯を捕えたんですがねぇ……」
フロイド「モストロ・ラウンジもめちゃくちゃに
なったのになぁ……」
「「「はぁ~~~~~……ションボリ」」」
グリム「な、なんてあからさまな
"引き止めてほしい"って態度なんだゾ!」
カリム「__ちょっと待った!!」
ジャミル「…………はぁ~~」
カリム「アズールはこの学校でもトップレベルの魔法士だ
スカラビアの成長のためにも滞在してもらった方がいい
それに、せっかく訪ねてきてくれたヤツを
無下に追い返すなんて、アジーム家の名折れだ」
アズール「あぁ……カリムさん!
なんて懐が深くてお優しい方なんでしょう!
もちろんですとも、僕で教えられることがあれば
なんなりと!」
ジェイド「料理や掃除のお手伝いなら
僕たち双子とリリィさんにお任せください」
フロイド「そーそー、いつも店でやってるから、得意だしぃ
ねぇ~イルカちゃん?」
『はい!お裁縫も得意なので何かほつれている衣類があれば
お直しさせてください!』
カリム「そいつは助かる!ジャミルの負担も減るだろう」
ジャミル「俺のことはいいから…ああもう!全然聞いてないな」
カリム「よし、早速だがアズールの胸を借りて特訓だ!
荷物を置いたら庭に来てくれ」
アズール「了解しました、スカラビアのみなさん
どうぞお手柔らかに、フフフ……」