熱砂の策謀家
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一瞬でスカラビア寮生さんたちを倒してしまった
ジェイドさんにフロイドさん
スカラビア寮生さんたちは悔しそうに
モストロ・ラウンジから出ていった
フロイド「オラ、散れよ小魚ども!アハハッ!」
ジェイド「みなさまのまたのご来店、お待ちしております」
グリム「にゃっはー!!やったんだゾ!見たかコンニャロー!」
アズール「良い気分になっているところ恐縮ですが
今の戦いで傷ついた机や椅子の修繕費および
巻き込まれた僕らの労働費を支払って頂きたいのですが?」
グリム「えーっ!?金取るんだゾ!?」
アズール「タコ殴りにされそうなところを救ってあげたんです
安いものでしょう?」
『…分かりました、今月分のモストロ・ラウンジの
バイト代から引いて頂いく形で足りますか?』
アズール「いいでしょう、それにしても…本当に汚いですね
何をしたらそんな汚れるんです?」
グリム「オレ様たち、スカラビアの揉め事に巻き込まれて
ひでぇ目にあったんだゾ!」
アズール「…なんですって?スカラビアの揉め事、とは?」
「話せば長くなるんですが……」
ユウくんは、今までのスカラビアでの出来事を
分かりやすく丁寧に話してくれた
アズール「スカラビアの寮長が圧政を……?」
グリム「そう!寮生たちが毎日カリムに大変な目に
遭わされてるんだゾ」
アズール「あのカリムさんが、そんなことを?」
フロイド「えー、ラッコちゃんって
そういうことするタイプなんだ?」
ジェイド「あまりイメージにありませんね」
グリム「副寮長のジャミルってヤツがめちゃくちゃ困っててよ
この学園にしては珍しくいいヤツで
オレ様ちょっぴり同情しちまったんだゾ」
『…………』
アズール「…………」
ジェイド「アズールはジャミルさんと同じクラスでしたよね」
アズール「ええ、選択授業も同じことが多いので
よくご一緒しています
グリムさんの言う通り、彼はこの学園では
珍しいタイプかもしれません
あまり主張がない…というか、大人しくて地味というか」
フロイド「あー、オレもバスケ部でウミヘビくんと一緒だけど
イイコちゃんなプレイするヤツって印象
他の寮にあんま興味ないから知らなかったけど
スカラビアの副寮長だったんだ?」
アズール「寮長の圧政に、副寮長である彼が困っている
……では、力になってさしあげなくては!」
『え?』
グリム「ほぉ?オメーがそんなこと言うなんて
どういう風の吹き回しなんだゾ?」
アズール「失敬な、僕は前回の一件で自分の欲深さを反省し
心を入れ替えたんです
これからは海の魔女のように、慈悲の心で
学園に貢献しようと決めています
今、スカラビアが危機に瀕しクラスメイトが
助けを求めている___そんな一大事を
無視することは出来ません」
フロイド「ふ~~ん?」
ジェイド「ほほぅ……?」
アズール「毎年同じ顔に囲まれてターキーをつつくのにも
飽きてきたところです、僕たちも明日からスカラビアへ
お邪魔しようじゃありませんか」
グリム「えぇっ!?せっかく逃げ出したのに
また監獄に戻るのか?オレ様、嫌なんだゾ!」
フロイド「まーまー、アザラシちゃん…そう言うなって」
ジェイド「アズールに任せておけば、きっと
楽しいホリデーになりますよ」
アズール「お邪魔するのに手ぶらも失礼です
ジェイド、フロイド、手土産の準備を忘れずに」
ジェイド・フロイド「「はい/はぁ~い……フフフ」」
アズール「灼熱の砂漠で過ごすホリデー
悪くないじゃありませんか、楽しみですね……フフフ」
「…何か心強いのか怖いのかよく分からないや」
『…う、うん』
アズール「ところで、リリィさん」
『は、はい…いっつ!?』
名前を呼ばれて返事をした瞬間
いきなり右足を掴まれて思わず声が出てしまった
フロイド「うわぁ~なにそれ、痛そー♪」
ジェイド「腫れてしまっていますね」
アズール「こんな足ではまともに歩けないでしょう
客室に案内します、今日はオクタヴィネルで
ゆっくり身体を休めて下さい」
グリム「ま、まさか宿泊代も取る気か!?」
アズール「ふっ、僕もそこまで鬼じゃありませんよ
今回は特別にサービスして泊めてさしあげます
ジェイド、フロイド、彼らを案内してあげなさい」
ジェイド・フロイド「「はい/はぁ~い」」
『あ、あの……』
アズール「少し我慢して下さい」
『!?』
フロイド「…へぇ~」
ジェイド「…おやおや」
いきなりお姫様抱っこされて驚いたけど
静かに前を見つめる支配人さんに何も言えなくて
大人しく運ばれる事にした
支配人さん身体とか細いのに、余裕そうで感心してしまった
*~**~*
キレイなお部屋に案内されて、ソファーにおろしてもらうと
ポケットから小さい小瓶を渡してくれた
『…これは?』
アズール「その象のように腫れた足を元に戻す薬です
効果は保証しますよ?」
『でも……今月のバイト代で足りますか?』
アズール「金銭は不要です、これは……お礼ですから」
『お礼…?』
アズール「…母がとても喜んでいました、あなたの歌を」
『あ……』
支配人さんに歌をプレゼントした時の事を思い出したら
自然と微笑んでいた
『…ありがとうございます、有り難く頂きます』
瓶の蓋を取ると、緑のドロドロした液体に
少し怖くなったけど一気に中身を飲み干したら
右足を包むように黄緑の渦が巻きついていて
しばらくしたら消えてしまった
足の腫れが嘘のように消えていて
もしかしてと思って足を動かしたら、全く痛くなかった
『す、すごい…足が全然痛くありません!』
アズール「当たり前です、僕が作った薬なんですから」
『本当にありがとうございました!』
アズール「…1つ質問してもよろしいですか」
『はい、なんですか?』
アズール「あなたは今回のスカラビアの揉め事について
どう考えていらっしゃるんです?」
『!』
支配人さんにどこまで話したらいいのか分からなかったし
話していいのかも分からなかった
バイパーさんが犯人の可能性が高い理由も
カリムさんが操られてる証拠も何もないのに
話すのは違う気がしたから
『よく分かりません………ただ』
アズール「ただ?」
(カリム「大丈夫だって…オレを信じろ!」)
『…カリムさんを信じたいんです』
アズール「…そうですか、それを聞けてよかったです」
『(よかった?)』
アズール「その汚れた服では寝れないでしょう
そこの着替えを使って下さい」
『ありがとうございます!』
アズール「それでは、おやすみなさいリリィさん」
『はい、おやすみなさい支配人さん!』
支配人さんが静かに扉を閉め出ていくと
ふかふかのベッドに腰を下ろした瞬間
カリムさんとのキスを思い出して胸が苦しくなると
胸元の服を強く握りしめた
『……ごめんね、陽翔』
彼以外の人とキスしてしまった事実に
罪悪感と後悔だけが私の心を支配していた