PROLOGUE
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メインストリートにそびえ立つ7つの石像
そこにいた石像に見に覚えがあった
『この人達って……』
「ハートの女王を知らねーの?」
『!』
後ろから聞こえた声に振り返ったら、制服を着た男の子
赤い髪に左目にハートの痣…違うわざと描いてるんだ
グリム「ハートの女王?偉い人なのか?」
「昔、薔薇の迷宮に住んでた女王だよ
規律を重んじる厳格な人柄で、トランプの兵の行進も
薔薇の花の色も一切乱れを許さない
マッドな奴らばっかりなのにだれもが彼女に絶対服従
何でかって?規律違反は即うちくびだったから!」
グリム「こ、怖ーんだゾ!」
「クールじゃん!俺は好き!だって、優しいだけの女王なんて
みんな従わないだろ?」
グリム「確かに、リーダーは強いほうがいいんだゾ」
『…そうかな?』
「は?」
『確かに優しいだけじゃダメかもしれないけど
それって逆もしかりだよね?
厳しいだけじゃ誰もついていかないだろうし
優しいからこそ、自分もその人に優しくしてあげたいって
思うはずだから…』
「確かにそうだね!」
「…………」
グリム「ってか、オマエ誰だ?」
「オレはエース!今日からピカピカの一年生
どーぞヨロシク♪」
グリム「オレ様はグリム!大魔法士になる予定の天才だゾ
コッチの冴えないの黒髪がユウで金髪がリリィ
オレ様の子分なんだゾ」
エース「へぇ、珍しい響きの名前だな」
「よろしくね!」
エース「おう♪」
『よろしくお願いします!』
エース「…ああ」
グリム「なあなあエース、それじゃあっちの
目に傷があるライオンも有名なヤツなのか?」
『(あれはライオンキングの…)』
エース「もちろん!これはサバンナを支配した百獣の王
でも生まれながら王じゃなく綿密に練った策で
王座を手に入れた努力家だ
王になったあと、嫌われ者のハイエナも差別せずに
一緒に暮らそうって提案した」
グリム「おおっ、ミブン?っていうのに囚われないヤツは
ロックなんだゾ!」
『(努力家というよりは策略家だった気がするし
ハイエナと一緒に暮らそうって言ったのも
色々利用するためじゃなかったっけ?)』
エース「…………」
グリム「手前の蛸足のおばさんは誰だ?」
『(あれはリトル・マーメイドの…)』
エース「深海の洞窟に住む、海の魔女
不幸せな人魚達を助けることを生きがいにしてた
お代さえ払えば変身願望から
恋の悩みまでなんでも解決してくれたらしい
彼女の手にかかれば叶わない願いはなかったらしいよ
ま、お代はちょっと高かったってはなしだけど」
『(ずこい巧みな話術でアリエルを騙した魔女だ!
私も最初はいい人かなって思ったけど、願いを
叶えさせないために色々と姑息な手を使ったんだよね
純情乙女の恋の邪魔をするなんて、絶対許せない!!)』
エース「何でも叶うってんなら、当然だよね」
グリム「にゃはー!つまりオレ様も大魔法士になれば リッチになれるってことか!?」
「何でも叶うか……リリィちゃんなら何をお願いする?」
『お願いなんて…契約ってなんか怖いし
それに願いごとって、誰かに叶えてもらうんじゃなくて
自分で叶えてこそ価値があると思うし嬉しいと思う!』
エース「…………」
グリム「じゃあじゃあ、このでかい帽子のおじさんは?」
『(アラジンに出てくる…確か名前は)』
エース「砂漠の国の大賢者、間抜けな王に仕えてた大臣で
王子と身分を偽って王女を誑かそうとした
ペテン師の正体を見破った切れ者!
その後、魔法のランプをゲットして
世界一の大賢者にまでのし上がった!
さらにはその力で王の座まで手に入れたんだって」
グリム「ほほう!やっぱ魔法士には
人を見る目も必要ってことだな!」
『(確かに王女様にウソをついたアラジンは悪いけど
誑かそうとした訳じゃないんだけどな…それにこの人
表向きではいい顔して、影で王様のことバカにしてて
裏表ありすぎて嫌だったな……)』
グリム「おおっ、コッチの人は美人だゾ!」
『(白雪姫の継母!)』
エース「これは世界一美しいといわれた女王
毎日魔法の鏡で世界の美人ランキングをチェック!
んで、自分の順位が一位から落ちそうになったら
どんな努力も惜しまずやったって話
世界一の美を保つことへの意識の高さっつーの?
ハンパないよね
あと、毒薬作りの名手でもあったらしいぜ」
グリム「き、キレイだけど…おっかねーんだゾ」
エース「そう?譲れないこだわりがあるのはカッケーじゃん」
『(だからって白雪姫を殺そうとするのは
絶対おかしいしダメだよ!!
この人のせいで、しばらくりんご食べれなかったな…)』
「…美人ってそんなに重要なのかな?」
『うーん……』
グリム「向こうの頭が燃えてる男は?見るからにコエーんだゾ」
エース「死者の国の王!魑魅魍魎が蠢く国を
一人で治めたっていうから超実力者なのは間違いない!
コワイしてるけど押し付けられた嫌な仕事も
休まずこなす誠実な奴でケルベロスもヒドラもタイタン族も
全部コイツの命令に従って戦ったんだってさ」
グリム「ん?最後に、この角が生えてるヤツは?」
エース「魔の山に住む茨の魔女、高貴で優雅
そして魔法と呪いの腕はこの7人の中でもピカイチ!
雷雲を操って嵐を起こしたり、国中を茨で覆い尽くしたり
とにかく魔法のスケールが超デカイ
巨大なドラゴンにも変身できたんだってさー」
『(オーロラ姫の誕生祭に呼ばれなかっただけで
呪いかけちゃうんだから優雅な人ではないような
…でも魔法と呪いの力がピカイチなのは少し納得かも)』