熱砂の策謀家
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やっと東のオアシスに着いたけど
呆然としてるユウくんが気になって声をかけた
『ユウくん、大丈夫?』
グリム「なにボーッとしてんだゾ
暑さでやられちまったのか?」
ジャミル「これより15分の休憩をとる
その後、また寮へ向かい行進開始だ」
グリム「このオアシス、水が全部干上がっちまってるんだゾ!」
カリム「みず……水……水がほしいのか?」
『!?』
目に光がある…元に戻ったんだ
カリム「なら、オレがよく冷えた
美味しい水を飲ませてやるよ!
…熱砂の憩い、終わらぬ宴、歌え、踊れ!
"オアシス・メイカー(枯れない恵み)"!」
『あ……!!』
カリムさんの手の中にあった光が消えると
空から冷たい雨が降り注いだ
グリム「うわ~~~!恵みの雨なんだゾ~~~!」
「うめぇー!乾いた身体中に、染み渡る美味さだ!」
「はぁ、生き返る……」
カリム「そうか、美味いか!水だけでいいなら
乾いたオアシスをたっぷり満たすくらい出してやれるぜ
オレのユニーク魔法「オアシス・メイカー」は
少しの魔力で美味しい水をたくさん作り出す事ができるんだ」
『…………』
空は晴れてるのに雨が降ってるのが、不思議だった
カリム「リリィは飲まないのか?」
『…カリムさんは雨って好きですか?』
カリム「オレか?ん~熱砂の国は暑いから
雨が降ってくれたら気持ちよくて嬉しいけど
何処にも出掛けらんないのがツラいよなー…って
これ答えになってるか?」
『はい、どっちもどっちって事ですね!』
カリム「だな!じゃあ、リリィはどうなんだ?雨好きか?」
『…私もどっちもどっちです』
カリム「おっ、オレと一緒か!どうしてだ?」
『…………』
昔の記憶を思い出すと、ゆっくり降り注ぐ雨を見上げた
『…私の父が死んだ日が雨だったんです』
カリム「え…?」
『父が亡くなった日は…忘れもしない雷雨でした』
カリム「…………」
雨が止んでカリムさんを見ると
眉間にシワを寄せて泣きそうにしていたから
悲しまないように微笑んだ
『でも…雨の道を歩いてると嫌な事とかがあっても
全部洗い流してくれるみたいで好きなんです!
それに……ほら?』
カリム「?……あっ!」
空にはキレイな虹がかかっていて
東のオアシスがとても幻想的に見える
『雨が止んだ後の澄んだ空気が好きです
それに雨のあとは必ず晴れますから
また頑張ろうって…そう思えませんか?』
カリム「リリィ…」
『カリムさんのユニーク魔法
とてもロマンチックで素敵だと思います!』
カリム「…へへへ、ありがとな♪」
ジャミル「…カリム、15分休憩が終わる
みなを集合させて寮へ戻ろう」
カリム「もう?もう少し休んでいってもいいじゃないか
」
ジャミル「あんまりのんびりしていると陽が高くなる
気温が上がるとその分キツくなるぞ」
カリム「それもそうか、よーしお前ら寮へ戻って朝食だ!
帰り道も頑張ろうぜ!」
『(カリムさん、元に戻って良かった…)』
ジャミル「…………」
*~**~*
談話室で勢いよく朝食を食べるグリムに少し呆れつつも
仕方ないと、小さくため息をついた
グリム「はぐはぐ!もぐもぐ!くっ…こんな囚人生活からは
一刻も早く逃げたしたいのに、悔しいことに
メシだけはメチャクチャ美味いんだゾ!!」
カリム「しゅうじんせいかつ?よくわからないけど
気に入ったなら良かったぜ、たくさん食えよな!
今日は昨日デザートに食えなかったアイスクリームを
準備してあるからさ!
たくさん種類を並べて、デカイスプーンで好きなだけ
ザクザクすくって食べるのがカリム流だ」
『…ふふふ』
カリム「お!リリィもその食べ方がしたいのか?」
『すごく夢が詰まった食べ方ですね!』
カリム「デザートは別腹だろ?今持ってきてやるから
待ってろよ!」
ジャミル「カリム、待て…俺が用意してくるから
お前は座ってろ」
カリム「いいって、アイスの用意なんか
冷蔵庫から出してくるだけだろ?」
ジャミル「馬鹿、主人に給仕させる従者がどこにいるんだ
お前はもう少しアジーム家の後継としての自覚を持ってくれ
お前にそんなことをさせたと知れたら
俺が父さんたちに怒られる」
カリム「ジャミルは本当に真面目だなぁ、いいじゃないか
今は同じ学園の学生同士だろ?」
ジャミル「……はぁ、それじゃあ
俺が皿に盛り付けるから運ぶのを手伝ってくれるか?」
カリム「お安い御用だぜ!」
『(カリムさん嬉しそうだな……でも)』
ジャミル「…………」
『!』
バイパーさんと目が合った瞬間
思わず目を逸らしてしまった
チラッと横目で見たらバイパーさんはいなくなっていて
少しホッとしたけど…
『(二人の主従関係って…すごく複雑だよね)』
カリム「おい、お前たち……いつまでメシを食ってるつもりだ!
王様にでもなったつもりか!?」
「「「え、えぇ~~~!?」」」
『(そんな………!!)』
ジャミル「…………」
カリムさんの後ろを静かに立っているバイパーさんと
目が合ったけど、すぐに食器を片付けろと
命令するカリムさんにみんなが一斉に食器を片付け始めたから
急いで手伝いを始めた