熱砂の策謀家
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ものの数秒で捕まってしまったグリムは
首根っこを掴まれたまま勢いよく投げ飛ばされてしまった
あまりの乱暴に、スカラビア寮生さんたちに叫んでいた
『私達は客人のハズなのに、こんな対応は酷すぎます!』
「全ては寮長の命令だ!」
『なら、カリムさんに今すぐ会わせて下さい!
直接話をします!』
「寮長はもうお休みになっている、それに就寝後は
寮長のご機嫌を損ねないために誰にも会わせるなと
副寮長からのご命令だ!」
『…っ………』
「見張り担当者がこいつらの部屋の鍵を
閉め忘れていたようだな」
「まったく……今度は忘れず鍵をかけておけ!
もし逃げ出したヤツがいたなんて寮長に知れたら
俺たちがどんな目に合わされるか……」
「そうだな…次に抜け出そうとしたら
タダじゃおかないからな!」
扉を閉められたらガチャガチャと
鍵をかけられてしまった
グリム「こらーーっ出せ~~~!!」
「これじゃまるで囚人だよ」
グリム「朝になったらジャミルに文句言ってやる!」
『(…どうしよう)』
二人にバイパーさんが怪しいって伝えたいけど
アラジンの事を話すわけにも行かないし
なにより証拠が少なすぎる
どう伝えたらいいか困っていたら
いきなり聞こえた着信の音に振り返ったら
ユウくんが学園長先生に電話をかけてくれたけど
留守電になってしまった
グリム「コラアアア!!!
コイツ、今バカンスって言ったんだゾ!?
こういう時に連絡がとれないんじゃ意味ねーじゃねーか!!
とりあえず、エースとデュースにでも連絡しとくんだゾ」
「わかった…」
とにかく証拠を集めるためにも
明日は気合いを入れて頑張らないと
*~**~*
『(ここ…アラジンに出てくる王宮だ)』
(サルタン王「王子でなければならない決まりだ」)
(ジャファー「この際、非常手段もやむを得ません
姫は私と結婚するのです」)
(サルタン王「姫はお前と………何だ?あの音楽は?」)
(「アリ王子に道を空けよ!アリ王子のお通りだ!」)
(「恋する王子、アリ・アバブワ!」)
『…っ………』
太陽の眩しさと蒸し暑さに目を覚ましたら
水道から水を出して軽く首回りの汗を拭くと
まだ寝てる二人を起こそうと声をかけようとしたら
ガチャガチャ…バタンッ
「お前たち、いつまで寝て……」
『おはようございます、いいお天気ですね!』
「あ、ああ……って違う!そこの二人起きろ!」
グリム「ふがっ!?なんだ?…って、まだ朝6時なんだゾ」
「これより、東のオアシスに向けて10キロの行進を行う!」
グリム「足場の悪い砂漠を10キロも?なんでオレ様たちが
そんなことしなきゃいけねぇんだゾ」
「つべこべ言うな、お前たちも参加せよと
寮長が仰せだからだ!こい!」
グリム「フギャ~!ヤダヤダ~離すんだゾ~~!」
*~**~*
カリム「それでは今から、東のオアシスに向けて
行進を開始する!これは足腰を鍛える訓練だ
隊列を乱した奴は、あとで折檻だからな!」
グリム「なんでオレ様がこんな目に……」
カリム「口じゃなく足を動かせ…さぁ、出発だ!」
『(カリムさん……)』
カリムさんの瞳は鋭くまだ光がないままだった
なによりこのパレードのような行列
今日の夢に出てきたのと同じだったのに驚いたけど
それ以上に気になったのが、10キロの行進
さすがの砂漠の暑さと足場の悪さに
グリムとユウくんはツラそうだった
正直私も少しツラいけど…あの時と比べたら全然平気だ
『グリム!もう少しだから頑張って!』
グリム「ふな"~~」
『ユウくん、このタオル頭に覆って日陰にして!』
「で、でもリリィちゃんが」
『私はまだ大丈夫だから!』
「あ、ありがとう……」
ジャミル「…………」