熱砂の策謀家
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夕食後、グリムとスカラビア寮生さんは
防衛魔法の特訓をしていて
私とユウくんはランニングをしていたら
今日の特訓は終了とカリムさんの声が響き渡る
カリム「あしたの午前中は、東のオアシスまで行進だ
徹底的にしごいてやるから、そのつもりでいろ!」
「「はぁ……はぁ……手も足も…ガクガクだ……」」
「誰か水……水をくれ」
『よかったら飲んで下さい!』
「あ…ありがとう……」
「明日も朝から砂漠を行進なんて…」
「寮長はどうしちまったんだ?
前はこんなことする人じゃなかったのに」
ジャミル「…………」
グリム「ぜ~は~……やっと終わった」
『グリムも、お水飲んで?』
グリム「さんきゅーなんだゾ……それにしてもアイツ
さっきまで超ニコニコしたいいヤツだったのに
急に人が変わっちまったんだゾ、どうしたんだ?」
ジャミル「きっと、寮対抗マジフト大会や期末テストで
スカラビアの成績がふるわなかったことに
…責任を感じてるんだろう
アイツは最近、ひどく情緒不安定なんだ」
グリム「情緒不安定ってレベルじゃねぇんだゾ
まるで別人じゃねーか」
ジャミル「俺もアイツとは長い付き合いだが、今のカリムと
どう接したものかと困り果てている
言動がコロコロ変わったり、急に横暴になったり
とにかく手に負えない
こうなる前は寮生全員が寮長であるカリムを慕っていたが
最近のおかしな様子には戸惑うばかりで
さっきのように突然無茶を言い出すことも多くて
このままじゃ寮生たちの不満が爆発するのは時間の問題だ
今まではなんとかフォローしてきたが
俺1人の力ではもう限界が見えている」
グリム「うーん、ハーツラビュルのトレイといい
副寮長ってヤツは苦労するんだゾ」
ジャミル「あっ!そうか…君たちこそ"ダイヤの原石"なんだ!」
グリム「はぁ?なんだそれ?」
『(ダイヤの原石ってどこかで聞いたことがあるような…)』
ジャミル「君たちはハーツラビュルにサバナクロー
さらにオクタヴィネルの問題まで解決に導いた
優秀な生徒だと噂で聞いてる」
グリム「へへ~ん、そうだゾ、アイツらはみんな
オレ様たちの活躍に感謝すべきなんだゾ!」
ジャミル「だから、頼む!どうか俺たちスカラビアの力にも
なってくれないか!」
グリム「えぇっ?」
ジャミル「食堂でたまたま出会ったのも運命の巡り合わせだ
きっと君らはダイヤのように耀く解決策を
もたらしてくれるに違いない!」
グリム「そ、そんなに期待されても困るんだゾ
確かにオレ様は優秀だけどそれとこれとは話が別なんだゾ!
……おい、ユウにリリィ
他寮のトラブルに首を突っ込むのは止めとけよ!
オレ様、もう面倒ごとはこりごりなんだゾ!」
ジャミル「ユウ、君は……俺たちを助けてくれるよな?」
「……わかりました」
グリム「ふな"!?オマエ、なに安請け合いしてるんだゾ!?」
『どうしたの、ユウく……』
目がさっきのカリムさんと同じだった事に気付いた瞬間
アラジンの映像と今までの出来事が頭に流れて
勢いよくバイパーさんに振り返った
彼と目が合った瞬間、すぐに目を逸らして俯いたら
ゆっくり深呼吸してユウくんに声をかけた
『…わかった、ユウくんがそう言うなら私も協力する』
グリム「な"な"!?リリィまでどうしたんだゾ!!」
ジャミル「ああ…引き受けてくれるのか、嬉しいよユウ!
それにリリィまで……感謝するよ」
『…はい、私達で力になれるなら!』
ジャミル「そうと決まれば、ぜひ3人とも賓客として
スカラビアに留まって欲しい」
バイパーさんが手を叩いた瞬間
スカラビアの寮生さんが部屋へ案内をしてくれるらしく
寮生さんの後ろをついて行った
*~**~*
案内された空き室に着いたら
いまだに呆然と立っているユウくんの肩を掴んだ
『ユウくん…ユウくん!』
「!……リリィちゃん…?」
『(目が元に戻った!)』
いつものユウくんのキレイな黒い瞳に安心したら
グリムが怒りながらユウくんに迫っていた
グリム「も~~~~っ!やめとけって言ったのに!
ユウ、オメーらなんでそう厄介ごとに
首を突っ込むんだゾ!スカラビアの問題なんだ
自分たちの問題は自分でカタつけろってんだ」
「断ろうと思ってたんだけど…気付いたら引き受けてて…」
『(…多分だけど)』
カリムさんの態度が変わったのも
ユウくんが簡単に返事をしてしまったのも
バイパーさんの仕業だ
だとしたら……彼の目的は一体なんなの?
もし何かを企んでいるなら、むしろ私達は邪魔な気がする
身内で起こった事なら隠したいはずだし
外部の私達にわざわざ言わなくてもいいはずなのに
『(もしかして…この事態を誰かに知って欲しいとか? )』
グリム「とにかく、オレ様はもう面倒こどに巻き込まれるのは
まっぴらゴメンなんだゾ!今のうちにこっそり抜け出して
オンボロ寮に戻ろうゼ!」
『!?待ってグリム!!』
グリムが扉を開けて、廊下に出てしまったら
いきなり甲高い笛の音が鳴り響くと
スカラビア寮生が扉を囲ってしまっていた
「お前たち!勝手に寮外へ出ようとするとは何事だ!」
「この冬休みの間は、誰であろうと
寮長の許しなしに寮を出ることは許されない!」
「引っ捕らえろ!追え追え!待てー!!」
グリム「な"に"ぃ~~~!!!?」
『グ、グリム……』