熱砂の策謀家
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案内されたのは、大きな扉の前
カリムさんが開けた瞬間、あまりの光景に驚きを隠せなかった
グリム「どひゃー!なんだここ!?
ギラギラのお宝がいっぱいなんだゾ!」
カリム「ここにあるものは全部、家を出る時に
とーちゃんが持たせてくれたんだ
でも、寮の部屋に入りきらなくてなぁ~
こうして物置に全部置かせてもらってんだ」
グリム「物置じゃなくて、もはや宝物庫なんだゾ!」
カリム「おお、難しい言葉をしってるなグリム、偉いぞ!」
「す、すごいね……」
『う、うん……』
カリム「で、このお宝の山の中でも
オレが一番気に入ってるのが……アレ?どこ行った?
"アイツ"…たまに勝手に1人で移動するんだよな
おーい、どこいった~?」
『(移動する?)…カリムさん、もしかしてそれって』
グリム「ほぎゃ~~~~!!!!
絨毯が勝手に動いてる!!ゴーストが取り憑いた
呪いの絨毯だゾ!!」
『!?…ま、魔法の絨毯!!』
カリム「!」
赤と橙色のスカラビアカラーの絨毯は
確かに勝手に動いていて宙に浮いていた
カリム「これは熱砂の国に伝わる
伝説のお宝「魔法の絨毯」だ!
かつて砂漠の魔術師が仕えた王が愛した空飛ぶ絨毯
コイツはそのレプリカらしい、ウチに代々伝わる家宝なんだ」
グリム「空飛ぶって…箒みたいに絨毯が空を飛ぶって?」
カリム「そう、話すより乗ってみたほうが早い
もうすぐ日暮れだし、夜空の散歩と洒落込もうぜ!
さぁ、お前たちも乗った乗った!」
『え!?』
カリムさんが軽々と絨毯に乗ると
グリムとユウくんも怯えながら絨毯に乗っていた
私も魔法の絨毯に乗ってはみたいけど
箒にも乗ったことがないし落ちたら怖いと思って
カリムさんを見上げた時だった
カリム「大丈夫だって…オレを信じろ!」
『______』
((「大丈夫だリリィ……俺を信じて」))
カリムさんの言葉に、伸ばされた手を掴んだ瞬間
強い力で引き寄せられるとカリムさんの胸の中にいた
カリム「さぁ、行くぞ!それっ!」
『!?』
「「う、うわーーーー!!」」
あっという間にスカラビア寮の外に出たら
雲を通り越して目の前には大きな月が輝いていた
グリム「本当に空を飛んでるんだゾ!」
「す、すごい…!!」
『…みーせてあげーよ~かーがやくせかーい』
あまりの美しい景色に
自然と「A Whole New World」を口ずさんでいた
カリム「リリィ……?」
歌を歌いながらふと隣を見たら
カリムさんが何故か嬉しそうに微笑んでいたから
思わず歌を止めてしまった
カリム「なんで止めるんだよ?もっと聞かせてくれ!
オレ、今まで色んな歌聞いてきたけど
リリィの歌声が一番キレイだと思ったぜ!」
『…ありがとうございます!』
カリム「!」
カリムさんの言葉にお世辞とか嘘がないのが分かるから
恥ずかしいけど、とても嬉しかった
やっぱりカリムさんは……陽翔に似てる気がする
*~**~*
魔法の絨毯での空の旅も終わって
カリムさんはバイパーさんと一緒にどこかへ消えてしまって
何もしないのも申し訳なくて
料理のお手伝いをしようと厨房に行って声をかけたけど
スカラビアの寮生さんに大丈夫と断られてしまった
談話室でスカラビアの生徒さんたちと一緒に
カリムさんとバイパーさんを待っていたら、二人が現れた
ジャミル「みんな揃ってるな?夕食の前に
寮長から寮生全員に話があるそうだ」
「寮長から話……ですか?」
グリム「あ、そうか!カリムのヤツ
居残り訓練はやめて明日からスカラビアも
冬休みにするって言ってたんだゾ
寮生のヤツらは超喜ぶだろうけど、オレ様は
上手いメシが冬休みのあいだ食えなくなって残念なんだゾ~」
カリム「…………」
『(カリムさん?)』
カリム「この冬休み、オレたちスカラビアは自主的に
寮に残り毎日6時間自習をすると決定したが…オレは気付いた
それじゃ、生ぬるい!!!!」
「「「えっ!?」」」
ジャミル「カリム…寮生を家に帰すと決めたんじゃ!?」
グリム「アイツ、さっきと言ってることが全然違うんだゾ!?」
カリム「1日たった6時間で、他寮にとった遅れが
挽回できるはずがない
他寮の2倍、いや、5倍の努力をしなければ
成績下位寮の汚名をそそげないと思え!
明日からは毎日5時間の勉強と4時間の実技試験を
全員の義務とする!」
グリム「えぇ?毎日9時間も修行させる気か?」
カリム「今日の夕食後は、防衛魔法の特訓を行う!
さっさと食って準備をしろ」
「「「は……はいっ!」」」
カリム「スカラビアに来たからには
ユウとグリムも強制参加だ!もちろんリリィもだ!」
グリム「えぇ~!なんでオレ様たちまで!?」
「それにリリィちゃんまで…」
カリム「女だからとオレは容赦しない」
ジャミル「待てカリム、彼女は『いいですよ』…は?」
みんなが驚いてる中、気にせずカリムさんに微笑んだ
『私は構いません、カリムさんがそう仰るなら
何処へでも付き合います』
カリム「いいだろう、ただし俺の言った事には黙って従え」
『はい、分かりました』
ジャミル「…………」
談話室を後にしたカリムさんの後ろ姿に
何故か胸が苦しくなって胸元を強く握りしめた
__ぴちゃんぴちゃん