熱砂の策謀家
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鏡の間は帰省する学生達で溢れかえっていて
学生達をかき分け学園長室の扉の前に着いたら
ノックをして扉をあける
『学園長先生、失礼します………え?』
クロウリー「あ、これはこれはリリィさん!待っていました!」
『…………』
学園長先生が着ていたのは、アロハシャツに白い短パン
…もしかして先生
『何処かにお出かけですか?』
クロウリー「そうなんですよ!そこでリリィさんに
これを渡しておこうと思いましてね」
『…スマホですか?』
クロウリー「何かあったとき用のためです
詳しくは歩きながらで!」
いきなり手首を掴まれて一緒に向かったのは鏡の間
手首を離してくれたら沢山の学生さん達に向かって
指示を出していた
クロウリー「みなさん、闇の鏡に目的地を告げたら
荷物をしっかりと持ってください
転送中に手を離してしまうと、荷物だけ別の場所へ
飛ばされてしまいますからね
絶対に無くしたくないものは購買部から
宅配で発送してください」
「「「めっちゃ浮かれてるーーーー!!」」」
『(あ、皆!)』
エース「この真冬にアロハシャツって!
遊びに行く気まんまんじゃん!」
デュース「浮かれた気持ちを隠す気がゼロだな」
グリム「やいやい、学園長!話があるんだゾ!」
クロウリー「おや、みなさんお揃いでどうしたんです?」
「ちゃんと元の世界に戻れる方法探してます?」
クロウリー「あっ!ああ~~!!元の世界に戻る方法ね
ははは、いやですねぇ、ちゃんと探していますとも
この冬季休暇は、まだ行ったことがない南の地域へ
調査範囲を広げようと思ってるんですよ
私、とっても真面目なので」
エース「調査に向かう格好じゃない気がするけど?」
グリム「そうだそうだ!思う存分休暇を満喫する気なんだゾ!」
クロウリー「何を仰います、南の島ではこれが正装
郷に入っては郷に従えでしょ?
冬の寒さを逃れ、南国で穏やかな海を眺めつつ
ハンモックでココナッツジュースを飲む…
そんな優雅なバケーションを満喫しようなんて
ちっとも思ってもいませんとも、ええ」
デュース「な、なんて具体的な言い訳だ……!」
グリム「オマエだけずりーんだゾ!
オレ様たちも南国に連れてけ~!」
クロウリー「えぇ?それでは楽しい休暇が台無し…ゴホン!
君らを連れて行くには危険な調査になりそうですから
ここは私が1人で向かいます」
『(楽しい休暇ってはっきり聞こえちゃった…)』
小さくため息をついたら、学園長先生が
私達に重要な任務にあたってほしいと言ってきた
この学園の食堂や火は全て火の妖精によって賄っていて
いつもは大食堂の暖炉に住んでいるんだけど
毎日よく乾燥した薪を与えないと消えてしまうらしい
今までは長期休暇中も厨房係のゴーストさんが
火の番をしてくれていたけど
今年は娘さん夫婦にお子さんが産まれたそうで
初孫の顔を見にあの世に帰省するみたいで
ゴーストさんの変わりに火の番をして欲しいと話してくれた
この任務を請け負ってくれるなら
休暇中の食糧の補給はもちろん
ホリデーのご馳走も約束してくれるらしい
「これも食糧確保のため……」
『それにお孫さんに会わせてあげたいよね!』
クロウリー「あなた方ならそう言ってくれると思いました!
ああ、そうそうユウくん!私が長期不在にするので
これを君に渡しておこうと思ったんです」
エース「あ、スマホじゃん」
クロウリー「なにか緊急の用事があれば
このスマホで私に連絡してください
こちらはあくまで緊急連絡手段です、マジカメ巡り
などに没頭して通信制限を受けたりしないように
さて、私は生徒たちをご実家へ転送する仕事が
ありますので、後は任せましたよ…二人とも」
「は、はぁ……」
『お気をつけて!』
ホリデーの間、ご馳走がいっぱい食べれる事に
上機嫌なグリムに微笑んだら
早速ユウくんはエースくんとデュースくんと
マジカメのIDを交換していた
私も後でユウくんの連絡先を教えてもらおうと思ってたら
大量の荷物を持ったラギーさんに
両手いっぱいに植木鉢を持ってるジャックくん
逆にキングスカラーさんは手ぶらで
いつも以上にダルそうにしていた
ジャック 「ラギー先輩の地元は貧しい暮らしを
してる奴らが多いらしい、だから長期休暇のたびに
たくさん食べ物を持って帰って
近所の子どもにも食わせてやってるんだと」
レオナ「フン、ガキを何人も集めて炊き出しなんて
考えただけでゾッとするぜ
1人居るだけでうるさくてかなわねぇってのに」
ジャック「あれ、レオナ先輩…ご実家には戻られないんじゃ」
レオナ「だったら良かったんだがな
帰らないと後からゴチャゴチャうるせぇから、帰る
…はぁ~、めんどくせぇ」
『(チェカくん良かったね♪)』
この前の手紙で「おじたんにはやく会いたい」って
書いてあったのを思い出して微笑んだら
視線を感じて顔を上げると、キングスカラーさんと
目がばっちり合ってしまった
『気をつけて行ってきて下さい!
あとチェカくんに"よかったね"って
伝えてもらえますか?』
レオナ「…てめえの仕業か」
『え?』
レオナ「……ちっ」
闇の鏡を通った三人を見送ったら
浮かない顔をしたリドルさんと後ろには
ケイトさんとトレイさんがいた
リドル「…………」
グリム「ん?あいつ何か元気ないんだゾ?」
エース「あー、そっか、寮長は実家でエグめの教育ママが
待ち構えてるんだっけ、一時帰宅が憂鬱にもなるか」
『(…リドルさん)』
トレイ「…リドル、俺はお前の家に立ち入り禁止だから
ケーキを届けたりはしてやれないけど
いつでも店に遊びに来いよ
チェーニャも遊びに来るだろうし」
リドル「そう、だね…ボクもお母様と少し
話をしてみようと思う…聞いてもらえるかは分からないけど」
トレイ「…そうか、頑張れ」
いてもたってもいられなくてリドルさんの前に立ったら
驚いてるリドルさんに話しかけた
『リドルさん、今から言う番号覚えて下さい!』
リドル「番号…?」
『090-✕✕✕✕-✕✕✕✕です!090-✕✕✕✕-✕✕✕✕!』
リドル「…覚えたけど、いったい何の番号だい?」
『私の連絡先です!』
リドル「え…?」
『リドルさん、どうしても我慢出来なくなったら
今の番号に連絡してくださいね?
もちろん、お母様の許しがある時間に堂々と♪』
リドル「…ふふふ、リリィは肝もがすわっているね」
『よく言われます!』
リドル「…ありがとう」
『(良かった……リドルさん笑ってくれて)』