ｱｽﾞｰﾙ「そこのお前の雷の魔法、その隣のヤツの運動能力
全部、全部僕によこせぇ！」


「ひぃい～～～～っ！！」


ﾗｷﾞｰ「アズールくん、みんなからナニを吸ってんスか！？
吸われたヤツらが次々倒れていく！」


ﾚｵﾅ「アイツのユニーク魔法、契約書を介さないと
他人から全ての能力を吸いとっちまうようだな
契約自体が、魔法効果を抑制する役割を果たしてたんだろう」


ﾗｷﾞｰ「怖すぎじゃないスか？」


『と、止めなくちゃ……支配人さんが、危ない！』


ﾗｷﾞｰ「え？」


ﾚｵﾅ「ああ、そんな禁術クラスの魔法
反動であっという間にブロットの許容量を越えるぞ」


ｼﾞｪｲﾄﾞ「アズール！貴方なにをしているんです！」


ﾌﾛｲﾄﾞ「うわ、何これ、どーなってんの？」


ｴｰｽ「げっ、なんだこの騒ぎ！？」


ﾃﾞｭｰｽ「アズールが暴れてる……のか！？」


ｸﾞﾘﾑ「ヒェェ…レオナ！さてはオマエがいじめたんだゾ！？」


ﾚｵﾅ「俺のせいかよ、お前らが契約書を
砂にしろっつったんだろ」


「リリィちゃん！！」


ｼﾞｬｯｸ「リリィ！？しっかりしろ！！」


『…ユウくん……ジャック、くん……』






二人の声に顔があげられないくらい頭が痛くて
頭を抱えながら俯く事しか出来なかった






ｱｽﾞｰﾙ「ジェイド、フロイド
ああ…やっと戻ってきてくれたんですね
そこのバカどものせいで、僕の契約書が
全て無くなってしまったんです
だから、あなたたちの力も僕に下さい
ねぇ、僕にくださいよぉ！」


ｼﾞｪｲﾄﾞ「お待ちなさい、貴方のユニーク魔法は
強力すぎるゆえに契約書無しに制御出来ないはず
そんなことをすればどうなるか
自分が一番よくわかっているでしょう！」


ｱｽﾞｰﾙ「だって、なくなっちゃったんですよ、全部
アハハ……アハハハッ！！
……このままじゃ……昔の僕に戻ってしまう！」


ﾌﾛｲﾄﾞ「あのさー、今のアズールって、昔のアズールより
ずっとダサいんだけど」


ｱｽﾞｰﾙ「あ～～～～、そうですか…どうせ僕は
一人じゃ何も出来ないグズでノロマなタコ野郎ですよ
だから、もっとマシな僕になるために
みんなの力を奪ってやるんです
美しい歌声も、強力な魔法も、全部僕のものだ！
寄越しなさい、全てを！！」


『っつ！！』


ｼﾞｬｯｸ「リリィ！！」


「リリィちゃん！？」


「「「「！？」」」」






支配人さんの身体から黒いドロドロが出れば出るぼと
頭の痛みが強くなっていって
支えてくれてるジャックくんの胸に頭を預けながら
腕を力強く握りしめていた






ｱｽﾞｰﾙ「あーっはっは！あーーーっはっは！！」


『(ダメ＿＿＿＿＿＿)』











＿＿ぴちゃんぴちゃんぴちゃん












オーバーブロットしてしまった支配人さんは
黒い液体を身体に張り巡らせていて
後ろにはブロットの化身が佇んでいた






『(あれ………どう、して？)』






頭の痛みに目の前が暗くなると
いつの間にか気を失っていた






＊～＊＊～＊






「リリィちゃん！！」


ｸﾞﾘﾑ「リリィ～～！！しっかりしろなんだゾ！！」


ｴｰｽ「もうどうなってるワケ！？」


ﾚｵﾅ「…心配すんな、気絶してるだけだ」


「で、でも今までこんなことなかったし
それに頭痛もいつもより酷かったような…」


ﾚｵﾅ「(…いつもより？)」


ｸﾞﾘﾑ「ふな"っ！アイツ足がタコになったんだゾ！」


ｼﾞｪｲﾄﾞ「あれが、海の中でのアズールの姿です」


ﾌﾛｲﾄﾞ「あの後ろの何？オレでも絞められないほどデカイ！」


ﾚｵﾅ「ちっ、今はアズールを正気に戻すことが最優先だ」


ﾗｷﾞｰ「じゃないと、オレたちも
イソギンチャクにされちまうッス！」


ｱｽﾞｰﾙ「取引しましょうよ…僕と取引しましょうよぉ…」


ﾌﾛｲﾄﾞ「いつものアズールとだったら取引してもいいけど
今のアズールとはヤだな」


ｼﾞｪｲﾄﾞ「ええ、同感です」