深海の商人
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レオナ「…そこでだ、なぁアズール、俺と取引しようぜ」
アズール「……は?」
レオナ「この契約書をお前に渡したら
お前は俺に何を差し出す?」
アズール「な、何でもします!テスト対策ノートでも
卒業論文の代筆でも出席日数の水増しでも
なんでもあなたの願いを叶えます!」
レオナ「なるほど、実に魅力的な申し出だ」
アズール「なら__」
レオナ「だが…悪いが、その程度じゃこの契約書は
返してやれそうにねぇなァ」
アズール「……えっ?」
レオナ「俺はな、今…コイツらに脅されてんだよ
契約書の破棄に協力してくれなきゃ、毎日朝まで
毛玉と一緒に部屋の前で大騒ぎしてやるってなァ」
アズール「は……?」
レオナ「お前にオンボロ寮を取られちまったら
俺が寝不足になっちまう
コイツらにサバナクローから出ていってもらうためにも
契約書は破棄させてもらうぜ」
アズール「まさか、そんなことで……!?」
レオナ「悪党として、コイツらに一歩負けたなアズール」
アズール「う、うそだ……やめろ!」
レオナ「さあ、"平伏しろ!キングス・ロアー(王者の咆哮)!"」
アズール「やめろおおおおおお!!!」
『_____』
(『いやっ!?お願い、止めてええええ!!!!』)
キングスカラーさんが呪文を唱え終わった瞬間
金の契約書が砂のようにザラザラと地面に落ちていく
アズール「あ、あああ……ああああ……!!!」
『し、支配人さん……』
支配人さんの言葉も出ない程のショックな様子に
胸が締め付けられて苦しくなる
ラギー「アズールくんのユニーク魔法
"イッツ・ア・ディール(黄金の契約書)"1度サインをした契約書は
何人たりとも傷つけることは出来ない」
レオナ「わざわざ何度も破れないところを見せびらかし
無敵だと印象付けていたが
…全てにおいて完全無欠な魔法なんかない
状況からみて、VIPルームの中あるいは
お前が手にしている時だけ無敵効果が
付与されてるんじゃないかと予想してたんだが
俺の魔法で簡単に砂に変えられたとこを見ると
その読みは当たったらしいな
契約書の強度は、ただの紙と同然だ」
アズール「そ、そん……な……」
ラギー「シシシッ!ユウくんたちの脅しなんか
レオナさんなら1発でぶっ飛ばせちゃうのに
なんでここまで手伝ってやるのかなーって思ってたんスけど
オレ、理由分かっちゃったッス」
レオナ「あん?」
ラギー「レオナさんが前にアズールくんと結んだっていう契約
これに乗じて破棄しちゃおうって魂胆だったんでしょ」
レオナ「……はっ、検索屋は嫌われるぜ?
俺は困ってるヤツを見過ごせない優しい性分なたけだ」
ラギー「うはっ、自分で言ってて笑ってんじゃないスか
…って、リリィちゃん!!大丈夫ッスか!?
顔が真っ青ッスよ!?」
レオナ「!」
『…っ………』
あの二人の言葉が聞こえないくらい
頭の奥がガンガン響いて痛い
目の前のアズールさんから目が逸らせないでいたら
アズール「ああ、ああああ!!もうやだ~~~~!!」
レオナ・ラギー「「!?」」
アズール「消えた…コツコツ集めた魔法コレクションが!
僕の万能の力がぁ……!」
レオナ「…なんだァ?」
ラギー「き、急にキャラが……」
アズール「ああ、もう全てがパァだ!!
なんてことをしてくれたんだ!!
アレが無くなったら、僕は……僕はまた
グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか!
そんなのは嫌だ……いやだ、いやだ、いやだ
もう昔の僕に戻るのは、嫌なんだよぉ……っ!」
『…っつ……!!』
ラギー「リリィちゃん!?」
レオナ「なんだ……黒いオーラが……」
頭痛が酷くなってく
目の前の支配人さんの周りから黒いオーラが
キレイなオクタヴィネル寮の包んで美しい海の風景が
深い海底のように暗くなっていく
ラギー「ほ、ほらアズールくん…少し落ち着こう…ね?」
アズール「うるせぇ!!グズでノロマなタコ野郎と
馬鹿にされてきた僕のことなんか
お前たちに分かるはずない!!……ああ、そうだ
なくなったなら、また奪えばいいんだ……くれよ、なあ
お前らの自慢の能力、僕にくれよぉ!!」
『だ、ダメです…支配人さん!!』
__ぴちゃんぴちゃんぴちゃん