深海の商人
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__モストロ・ラウンジ VIPルーム__
アズール「ふふ……ジェイドとフロイドは
首尾よくやっているようですね
これでオンボロ寮も、あの写真も、もう僕のものだ
ふふふ……ははははは!」
『(そうはさせない…)』
ノックをしてから勢いよく扉を開けると
支配人さんに声をかけた
『失礼します、支配人さん!』
アズール「なんです、騒々しい」
『申し訳ありません、モストロ・ラウンジで問題が…』
アズール「何ですって?」
『お客様同士が揉めて騒ぎになってるんです
今、ジェイドさんにフロイドさんもいないので…』
アズール「全く、食事処で埃を立てるなと
躾られていないんですかね…分かりました、僕が行きます
やれやれ……」
『(…後はお願いします、ラギーさん)』
*~**~*
金庫の前で待ってると、笑顔のラギーさんが
手を振りながら駆け寄ってくれて
後ろにいるキングスカラーさんはダルそうにしていた
ラギー「はいリリィちゃん、これッスよね♪」
『それです!ありがとうございます!』
レオナ「鍵は手に入ったが、ダイアルはどうするんだ?」
『私がやります、少し静かにしていて下さいね』
ラギー「?」
小さな音を見落とさずにダイアルを回していく
『(一番目はこの音で……二番目は……)』
ダイアルを回し続けて最後のダイアルを動かした瞬間
__ガチャン
レオナ・ラギー「「!?」」
『あ、開いた………』
金庫を開けたら、一際輝く金の契約書に目が止まった
キングスカラーさんが契約書を持っても何も起こらなくて
そのまま胸ポケットに隠してしまった
鍵で金庫を閉めて扉を閉じたとき
こっちに近づいてくる足音に後ろを振り返ったら
支配人さんが私達…特にキングスカラーさんを見て
とても驚いていた
レオナ「よぉ、タコ野郎」
アズール「レオナ・キングスカラー……!」
レオナ「どうした?いつもすましたお前が
えらく慌ててるようだが」
アズール「君には関係ありません…それより
あなたはどうしてここに?」
レオナ「どうしてって……この鍵、お前のじゃねぇか?
さっきそこで拾ったんだが、お前のモノだった気がして
届けにきてやったんだ」
アズール「そ、それは!」
レオナ「やっぱりビンゴか」
アズール「返しなさい、窃盗は重大な犯罪ですよ!」
レオナ「はっ、親切で届けにきてやったってのに泥棒扱いかよ」
アズール「…リリィさんはどうしてここに?」
『私は飲み物を取りに行く途中で
キングスカラーさんとお会いして声をかけたんです
この鍵が何の鍵かは分からなかったんですけど
モストロ・ラウンジに落ちてたなら
支配人さんに確認した方が早いと思って
ここにご案内してしまったんですけど…』
レオナ「そーいうこった、ホラ…返してやるよ」
アズール「…ほっ」
レオナ「俺の用事はそれだけだ、じゃあな」
『げ、玄関までお見送りします!』
レオナ「あぁ…悪いな」
アズール「…………」
*~**~*
急いでモストロ・ラウンジを出たら
いつの間にか消えていたラギーさんが物陰から現れると
何故か楽しそうにキングスカラーさんが持ってる
金の契約書を見つめていた
ラギー「シシシッ!うまく持ち出せましたね」
レオナ「フン、お前の手癖の悪さには恐れ入るな」
ラギー「絶対取られたくないなら、ポケットにも
しっかり鍵かけとかなきゃ~」
『(自分でお願いしといて何だけど…複雑な気分だな)』
ラギー「にしても、この契約書の量すごいッスね
5、600枚はありそう」
レオナ「フン、この学園に入るずっと前から悪徳契約を
繰り返してコツコツ溜め込んでたんだろうぜ
これで契約書はVIPルームから持ち出せた、後は……」
キングスカラーさんが呪文を唱えると手の中に光が集まって
キレイだなって見つめていた時だった
アズール「待ちなさい!!」
『(支配人さん!?)』
もう気付かれてしまったことに驚くと
キングスカラーさんの手に集まっていた光が消えてしまった
金の契約書を握りしめながらキングスカラーさんは
何故か楽しそうに支配人さんを見つめていた
レオナ「……おっと、もうおでましか
それ以上こっちに近づくなよ、契約書がどうなっても知らないぜ」
アズール「か、返して下さい……それを返してください!」
レオナ「おいおい、少しは取り繕えよ
おすましごっこはもうやめたのか?
その慌てぶりを見るに、コイツらの予想は当たってたらしいな」
アズール「なん……だって?」
『…………』
金の契約書の本当の正体
あの契約書は無敵なんかじゃなくて
金庫に保管されている時以外なら破れる状態ということ
もし無敵ならわざわざ厳重に金庫に保管しないで
キングスカラーさんの高級アクセサリーやお財布みたいに
その辺に置いといて問題ないはずだから
それに支配人さんは金庫を傷つけられたとき
とても金庫を心配していたし金庫に傷をつけたフロイドさんを
ものすごい剣幕で怒っていた
『…支配人さんみたいに慎重な人が
わざわざ契約書をテーブルに置き忘れるなんて
小さいミスはしないと思ったんです
皆が隠れてるのを知っててわざと置いたんですよね?
そして皆が契約書に気付いて触ったタイミングで
雷の魔法を使ったんです…金の契約書に触れば
電流が流れるように思い込ませるために』
アズール「お前らが…なぜだ、なぜ僕の邪魔ばかりしてくる!?
イソギンチャクから解放したって
お前らには何の得もないだろ!?」
レオナ「それについては、俺も同意だな」
『ユウくんは損得で物事を考えていません
大事な友だちが困っているから助けたい
…そういう心が優しい人なだけです』
アズール「友…だち…だと?」