深海の商人
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(『真っ暗だわ……』)
(「お入り…かわいい王女様……さぁ、取引だよ
三日間だけ人間にする薬を作ってあげよう
あんたは王子様と恋に落ちなきゃいけない
もうひとつ大事な問題があるわ
支払いをどうするか決めなくちゃ」)
(アリエル「支払い……?」)
(「あたしが欲しいものは…あんたのその声だ!
さぁ、この契約書にサインをするのよ!
悩める魂を私が救ってあげる!」)
太陽の光に目を覚ましたら
部屋にかけてある時計を見ると5時半だった
身体を起こして隣に寝てるユウくんとグリム
大きなベットに寝ているキングスカラーさんを確認したら
床や椅子にかけてあるキングスカラーさんの服を拾って
そのまま部屋を後にした
布団を運んだ時にジャックくんに
サバナクロー寮の案内もしてもらってたから
何となく場所は把握した
無事に大浴場に着いたら
先ずは布団のシーツとタオルを洗濯して
別の洗濯機でキングスカラーさんの服を洗濯してる間に
大浴場を掃除してると扉の開く音に振り返った
ラギー「はよッス!さすがリリィちゃん、早いッスね~」
『おはようございますラギーさん!
ラギーさんも早いですね!』
ラギー「オレらは今から朝練ッスから」
『朝練?』
ジャック「サバナクロー寮はマジフトの朝練があるんだよ」
『ジャックくん!』
ラギーさんの隣からジャックくんが出てきて挨拶をした
少し汗かいてる…ランニングしてたのかな?
ラギー「こないだのマジフト大会以降、始めたんスよ」
『そっか……何か素敵ね、青春って感じで!』
ジャック「青春って…そんな爽やかじゃねーだろ、ここ」
『そんなこと………ないよ!』
ラギー「いや、遅いッスわ」
大浴場に私達の笑い声が響く
ふと時計を見たらまだ6時だった
ラギー「そんじゃあレオナさん起こしに行くかな~
あ、ちなみにあの二人は朝練に参加してもらうッスよ!」
『"郷に入れば郷に従え"…って事だね!』
ラギー「そういうことッス!」
『…グリムが午前中の授業を頑張ってくれるような
朝ごはん作らないとかな』
ラギー「なら、俺たちの分の朝飯もお願いしていいッスか?」
『はい、もちろんです!何か食べれないものとかありますか?』
ラギー「俺はないんッスけど、レオナさんは
野菜食わないので肉出しとけば一先ず大丈夫ッス」
『…そうですか、分かりました!』
ラギー「んじゃあ、よろしくッス~」
ジャック「またな」
『行ってらっしゃい!』
二人が消えてから気合いを入れ直したくてほっぺを叩くと
大浴場に響き渡る
髪を結び直したら、すぐに掃除を再開した
*~**~*
朝ごはんを作り終わったら
キングスカラーさんとユウくんの
布団とシーツを洗濯して
サバナクロー寮のマジフト場に向かった
練習をしてるサバナクロー寮生の姿に圧倒されつつ
へろへろのグリムとユウくんに微笑むと
視線を感じて左を向いたら、キングスカラーさんが
私を真っ直ぐ見つめていた
挨拶を込めて頭を下げると
グリムが泣きながら私の所に飛び込んできた
グリム「リリィ~!!もうオレ様疲れたんだゾ~」
『将来有望な大魔法士になる方が
そんな弱音はいていいの?』
グリム「うぅ……」
『朝ごはんにグリムの好きな
ツナと卵のサンドイッチ作ったんだよ?
もう人踏ん張り、頑張ってきて!』
グリム「本当か!?よーしオマエら、気合い入れるんだゾ!」
ジャック「な、なんだグリムのやつ……」
「グリムのやる気スイッチを押してくれたんだよ!」
レオナ「…………」
*~**~*
朝練が終わって食堂で朝ごはんを皆で食べていた
「「「「「うっめーー!!」」」」」
ジャック「…まじでうめぇ」
ラギー「いや~この玉子サンドふわとろって美味しいッスね~」
グリム「このツナサンドも絶品なんだゾ!!」
「本当…スゴく美味しいよリリィちゃん!」
『よかった!』
レオナ「(はぁ…静かに食えねーのか)……そういえばお前ら
何であのタコ野郎と取引なんて馬鹿な真似しようと思ったんだ
おかげで俺の部屋が狭くなっただろうが」
「実は……」
ユウくんが今までの経緯を説明すると
キングスカラーさんは馬鹿にしたように笑っていた
レオナ「ッハ!期末テストで契約したバカ共を
自由にするために取引をしただと!?
ハハハ!コイツはいいな、背筋が寒くなるぜ」
ラギー「ま、アズールくんのテスト対策ノートは
スゴいって噂ッスからね
欲しくなるのも分からなくもないッスけど」
ジャック「そういえば、二人とも今回の試験でアズールとは
取引しなかったんスね
レオナ先輩とか、一番楽したがりそうなのに……
あっ、いや、何でもないっス」
レオナ「ばーか、誰が好き好んで
あんなインチキ野郎と何度も取引するか
背に腹は変えられなくて取引したことはあるが
毎度ロクな条件じゃなかった」
ラギー「たしかに、進んで力を借りたい相手じゃないッスよね
ちょっと無茶なお願いもホイッと叶えてくれるし
実力がある魔法士なのは確かなんスけど」
あの二人がそこまで言うなんて…どんな取引をしたんだろう
レオナ「そもそも取引ってのは、欲しいものがあるほうが
不利に決まってる
頭の回らない草食動物が軽い気持ちで契約すりゃ
あの手この手でカモられるのがオチだ」
「すごく不安になってきた」
レオナ「話のタネに聞いてやる、どんな条件で契約したんだ?」
*~**~*
レオナ「3日後の日没までに…………」
ラギー「アトランティカ記念博物館に忍び込んで
写真を取ってくる…………なんか、ご愁傷さまッス」
グリム「勝負が始まって早々、縁起でもねぇこと
言うんじゃねぇんだゾ!!」
『(た、確かに……)』
ラギー「そもそもアトランティカ記念博物館って
海の中じゃないスか、どうやって行くつもりなんスか?」
グリム「アイツら、水の中で呼吸が出来る魔法薬をくれたんだゾ」
ジャック「効き目のほどは分からねぇけどな」
ラギー「アズールくんがくれたなら、効き目は
間違いないとは思うッスけどね…あの人のプライド的に
せこい魔法薬を掴ませてくるとは思えないし」
レオナ「…なら、さっさと行動を起こせばいいじゃねぇか
時は金なり、だぜ?」
グリム「ふなッ!そうだ、早くアトランティカ記念博物館に
出かけるんだゾ!」
ジャック「そうだな、たった3日しかいないんだ
のんびりしてられねぇ」
グリム「エースとデュースも道連れだ、いざ出発!」
グリムのかけ声に立ち上がった時だった
ジェイド「おはようございます、リリィさん」
『!…ジェイドさん』
グリム「あ、朝から何の用なんだゾ!」
ジェイド「アズールがモストロ・ラウンジの件で
あなたにお願いがあるそうです…来て頂けますよね?」
『…分かりました』
ジャック「リリィ!!」
ジェイド「ふふふ、そんな歯を剥き出しにしないで?
彼女はアズールの物なんですから、丁重にもてなしますよ」
ラギー「アズールくんの物……それってどういう事ッスか?」
ジェイド「そのままですよ」
レオナ「…………」
『皆、また後でね!』