深海の商人
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やっとお店が落ち着いて
疲れきってる皆にお疲れ様を込めて微笑んだら
ラウンジのテーブルを拭いていたとき
後ろから聞こえた拍手の音に振り返ると
支配人さんが嬉しそうに私達に近付いていた
アズール「あれだけの混雑を捌ききるとは、見事なヘルプです」
ジャック「アズール!」
アズール「大変お待たせ致しました
VIPルームの準備ができましたので、どうぞこちらへ
ジェイド、フロイド…お客様にお茶のご用意を」
ジェイド・フロイド「「かしこまりました」」
案内された素敵なVIPルーム
部屋を覆うように置かれている沢山の本と
やっぱり一際大きな金庫が目に止まった
ソファーに座るように促されて
私とユウくんが一緒のソファーに座って
前のソファーにジャックくんが勢いよく座る
大きな一人用のソファーに支配人さんが座ると
何故か楽しそうにユウくんに話しかけていた
アズール「それで?僕に相談というのは?」
「下僕にしている生徒たちを自由にして欲しいんです」
アズール「ははは、これはまた…突然横暴な事を仰いますね
僕と契約した生徒225人の解放ですって?」
ジャック「225人!?そんな契約してやがったのか」
アズール「今年はジェイドとフロイドが
精力的に営業活動をしてくれましてねぇ…おかげさまで
たくさんのお客様と取引をさせていただきました
さてユウさん、あなたは生徒たちを
自由してほしいと言いますが、僕は彼らに
不当な労働をさせているわけではありません
彼らは契約書の内容に合意し僕と"契約"を交わした
"契約"は可哀想だとか、そんな感情的な理由で
他人が口を挟めるものじゃないんですよ
つまり、一昨日お越しください……ということです」
「…だったら、自分も取引をします」
ジャック「!?おい、お前何考えてんだ!?」
アズール「ほう、僕と取引をしたいと?」
『(ユウくん……!)』
何故かアズールさんは楽しそうに私を見つめていて
後ろから聞こえた小さな笑い声に振り返ったら
ジェイドさんとフロイドさんも
楽しそうに私を見下ろしていた
アズール「…あなたが僕と取引したいのは分かりました
しかし困りましたねぇ、確かユウさんは
魔法の力をお持ちではない
美しい声もなく、一国の跡継ぎというわけでもない
ほんとうにごく普通の人間だ
それだけ大きなものを望むのでしたら相応の担保が必要です」
ジャック「担保、だと?」
アズール「たとえば…ユウさんが管理している
オンボロ寮の使用権、そして…あなたですよ
オンボロ寮の雑用係さん?」
『!』
ジャック「!?テメェら、最初からそれが狙いで!!」
『(そういう事か……)』
お互い"同意"の契約なら
わざわざ学園長先生に直談判しなくてもいいもんね
____バン!!
グリム「その話、乗ったーーーー!!!!」
「グリム、いつからそこに!?」
グリム「も、もうこんな生活嫌なんだゾ!
オレ様の毛は食洗機じゃねぇってんだ!」
ジェイド「グリムさん、従業員が仕事をサボって立ち聞きとは
感心きませんね…フロイド、つまみ出しておしまいなさい」
フロイド「はぁ~い」
アズール「まあまあ、待ちなさい2人とも
ユウさん、唯一の寮生であるグリムさんが
こう仰っていますよ?どうします?
オンボロ寮とリリィさんを担保に
僕と契約をなさいますか?」
グリム「うう、ユウ~リリィ~…助けてくれぇ~」
ジャック「おい、ユウ…やめとけ!
どうせこっちが不利な条件での契約に決まってる」
「で、でも……」
『…………』
ユウくんの不安そうな表情に微笑んだら
支配人さんに気になる事を聞いてみた
『支配人さん、契約の達成条件が一体何なのか
お聞きしてもいいですか?』
ジャック「おい!」
アズール「この契約の達成条件は……」