深海の商人
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寝てるグリムを抱っこしながらオンボロ寮につくと
ユウくんが不安そうな表情で駆け寄ってくれた
「リリィちゃん!学園長先生から聞いたよ?
モストロ・ラウンジのお手伝いに行ってたって…」
『うん、グリムや他の人達の頭の上に
イソギンチャクがある理由は分かってる!
学園長先生、何か言ってた?』
「…実は」
支配人さんが生徒の皆さんに配ったテスト対策ノートは
不正行為で作られたのではなく
支配人さんが過去100年分のテスト出題傾向を調べあげて
自力で練り上げたまさに"虎の巻"
だから、学園長先生や他の先生方は
止めさせることが出来ない
去年も同じことがあったらしいけど、今年は
「テストで良い点が取りたいならモストロ・ラウンジへ」って
ウワサが流れて、今回の大事件に繋がってしまったみたい
『それって…去年支配人さんとの勝負に負けた人は
ずっと能力を取り上げられてるってことだよね?』
「それが…取り上げた能力を元に戻すことを条件に
学園内でモストロ・ラウンジの経営を許可して欲しいって
学園長に交渉したみたい」
『え!?』
しかも売り上げの10%を学園に上納する
学園側にも損害がないWin-Winの関係まで
提案してきたみたい…スゴい人だな、支配人さん
『学園長先生、私たちに何を依頼したの?』
「ど、どうして何か依頼されたって分かったの!?」
『学園長先生が用事もないのに
わざわざオンボロ寮に来るわけないし
来たとしても…あんまりいい事じゃないのは
前回の件で学んだから…ね?』
「…実はですね」
学園長先生の依頼は1つ
『今回のような出来事をやめるように
支配人さんを説得して欲しい』って事だった
『…難しい依頼だね』
「ご、ごめんね…オンボロ寮の食費がかさんで懐が寒いって
脅されちゃったらもう…」
『…やるしかないんだ』
「『はぁ~~~…………』」
明日、ジャックくんと一緒に
支配人さんを調査しようって話しになったみたいで
私も時間があるから一緒に調査ができる
本当は二人にサボりなんてさせたくないけど
私一人で支配人さんを尾行するのも怖かったから
大人として心が痛むけど、静かに目を瞑ることに決めた
*~**~*
次の日
朝早くから無理やりどこかに連れてかれたグリムを見送って
ユウくんにジャックくんと支配人さんの調査というなの
尾行をしていたんだけど…
ジャック「…まさに優等生って感じだったな」
「そうだね……」
『…うん』
動物学語の授業では
トレイン先生のペットのルチウスの言葉を
理解するだけじゃなくて動物語を喋っていた
魔法薬学の授業では
3年生の学年末試験レベルの調合をいとも簡単に作って
クルーウェル先生に褒められていたし
お昼の時には高校生とは思えないほど
食事のバランスもしっかり考えていて
まさに優等生を代表するような人だった
『(でも…1つ引っかかるのが)』
グリム「ふな"ぁあ~~早速アズールのヤツにこき使われて
ヘトヘトなんだゾ~」
「エースにデュースも…お疲れ様」
いきなり頭の上に乗ったグリムを撫でながら
隣の椅子に座らせると
ユウくんを挟んでエースとデュースくんが
疲れた様子で勢いよく席に座った
エース「オクタヴィネル寮の掃除、ラウンジの給仕
購買に使いっ走りまでさせやがって」
デュース「僕なんか、今日は朝6時に呼び出されたぞ」
エース「今日もこれからモストロ・ラウンジの手伝いだし」
デュース「ローズハート寮長には「アズールと契約するだなんて
首をはねてしまうよ!」って怒られて反省文かかされるし…」
「本当に首をはねられなかっただけ良かったんじゃない?」
『確かに!』
ジャック「フン、自業自得だ」
だけど明らかに疲れきってる三人に
早く何とかしてあげたいと思った時だった