深海の商人
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ジェイドさんから掃除場所や食事の仕込みに注文方法
モストロ・ラウンジの1日の流れを聞いてメモしてく
メニューの内容も見させて頂いたけど
中々のお値段に少し驚いてしまった
開店時間までグラスを磨いていたら
ラウンジの方から色んな人の声が聞こえてきた
『…まだ開店時間じゃないよね?』
グラスを置いてラウンジを覗いてみると
沢山の生徒さんで溢れていたけど…
『(何で皆、頭にイソギンチャクついてるんだろ
…ってグリム!?)』
グリムの頭の上にイソギンチャクがついていて
よく見たらエースくんにデュースくんの頭にも
イソギンチャクがついていた
その時、ラウンジが暗くなると
支配人さんにスポットライトが当てられた
アズール「これはこれは…成績優秀者上位50名から
あぶれた哀れなみなさん
みなさんがどうしてここに呼ばれたのか…分かりますよね?
今日から私が、君たちの主人になるからです」
『(主人…?)』
アズール「君たちは僕と勝負をして、負けた
契約に基づき、これから卒業までの間
僕の下僕として身を粉にして働いてもらいます」
『(勝負に負けた…一体どういう事なの?)』
支配人さんの言ってることが分からなくて考えてたら
エースくんが前に出てきて支配人さんを睨み付けていた
エース「ちょっと待った、こんなん詐欺だろ!」
アズール「確か君は、1年生の
エース・トラッポアさんでしたね
詐欺だなんて人聞きが悪い、僕は契約通りに
君に完璧なテスト対策ノートを渡したはずです
しっかりこなせば、90点以上は取れたはずだ」
エース「ああ、確かに取れたぜ92点!」
アズール「それは良かった!お役に立てたようで何よりです」
エース「でも、対策ノートを渡した相手が
こんなに居るなんて話しは聞いてねーよ!」
デュース「エースの言うとおりだ
これじゃ、いくら対策ノートをもらったって
上位50位に入れるわけないじゃないか!」
グリム「みんなが90点以上じゃ、85点取っても
赤点の時と順位がかわらねぇんだゾ!」
『(グリムが85点…すごい頑張ったんだね)』
アズール「あなたたち、守秘義務という言葉をご存じですか?
楽して良い点を取りたい、落ちこぼれになりたくない
テスト前日まで遊び呆けていたい
今回、期末テストで僕を頼ったバカ……いえ
みなさんの事情はさまざまでしたが
"誰が"、"どんな事情で"、"どんな契約をしたか"
などというプライバシーに深く関わることを
僕がペラペラと他人に喋ったりするわけが
ないじゃないですか…僕はとても誠実な男ですから」
グリム「じ、じゃあテスト対策ノートの担保に預けた
オレ様の火の魔法は、どうなるんだゾ?」
『(担保に預けた…?)』
アズール「おやおや、みなさん…契約条件をもうお忘れで?
期末テストの対策ノートを渡すかわりに
あなたの"自慢の能力"をひとつ僕に預けてもらう
あなたが成績優秀者上位50位以内に入れば能力は返還し
さらに卒業まで全てのテスト対策ノートをあげましょう
でももし、あなたが50以内に入れなかった時には
卒業までの間、僕に絶対服従の下僕になる……とね
契約上、すでにみなさんの身柄は
髪の毛一本まで僕のものです
つまり、能力を返すも返さないも僕の自由だ」
エース「そんなんアリかよ!」
『(今までの経緯は何となく分かったけど……)』
支配人さんの"契約"の力ってそんなに強いのかなって
不思議に思ってたら
ジャックくんがいきなり身を乗り出して周りの人達を
「気に入らない」と怒鳴りつけていた
ジャックくんの隣にはユウくんもいて
二人の頭の上にはイソギンチャクがついてなくてホッとした
ジャック「俺はここにいる全員が気に入らねぇんだ
アコギな取引を持ちかけたヤツも他人を頼ったお前らも
どっちの味方をする気もねぇ!」
エース「お前、何しにきたの?」
グリム「いや、オレ様…ジャックの言葉で目が覚めたんだゾ
実力で勝負すればいい!つまり…アズールから実力行使で
契約書を奪って破り捨てれば無効なんだゾ!」
『(グ、グリム!?)』
得意魔法以外なら使えるし人数もいるって
周りの人達の発言に驚いてたら、支配人さんは
呆れたようにため息をついていた
アズール「やれやれ…あまり手荒な真似は
したくないんですがね
ジェイド、フロイド、少し遊んであげなさい」
ジェイド「かしこまりました」
フロイド「コイツら全員絞めていいの?あはっ、やった~」
得意魔法が使えないからなのか、攻撃も防御も
ジェイドさんやフロイドさんの魔法の方が圧倒的に強くて
みんなは手も足も出ない感じだった
特に支配人さんは色んな魔法をいとも簡単に出していた
フロイド「どいつもこいつも弱ッ、絞めがいがねーなぁ~」
アズール「まるで無力な稚魚の群れですね」
『(グリム……みんな)』
アズール「みなさんは、この"金の契約書"にサインをした」
『(!?あの金の契約書って……)』
支配人さんが持っていた金の契約書
その契約書は、まさにリトルマーメイドのアリエルが
深海の魔女アースラと契約を結んだ時のと同じだった
アズール「正式な契約は、何人たりとも破棄できない
どんな魔法を使おうが、この契約書に
傷ひとつつけることはできませんよ?
フフフ……頭にイソギンチャクが生えている限り
君たちは僕の命令に従わざるを得ない
まずはこのラウンジの清掃をしてもらいましょうか
次に食材の仕込みを…さあ、立ち上がって
キリキリ働きなさい!」
エース「まじかよ~!!」
アズール「ジェイド、フロイド…新入りの指導は任せましたよ」
ジェイド・フロイド「「はい/はーい」」
アズール「サバナクロー寮のジャック・ハウルくんに
オンボロ寮のユウくん……でしたね
君たちもどうぞお引き取りを、次はぜひ
お客様として店においでください、いつでも歓迎しますよ」
『…………』
二人が帰ってくのを見送ったら
私も急いで開店準備に取りかかった