荒野の反逆者
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エキシビションの試合はドキドキハラハラで
みんなの出す魔法に圧倒されたけど
ケガをしてハンデがあるはずなのに
それをものともしないあの人の鋭い攻撃と的確な指示に
とても驚いたけど
何より楽しそうに笑う姿に嬉しくなった瞬間
グリムの投げたディスクがユウくんの頭に直撃してしまって
それどころじゃなくなった
保健室でユウくんの看病をしていたら
しばらくしてどんどん運ばれてくるサバナクロー寮生の人達
その中にはあの人とラギーさんもいて
とにかく顔の汚れを拭いて
腫れてる腕と足を氷嚢で冷やすことしか出来なかった
*~**~*
外はもう薄暗くて、保健室で休んでるのは
ユウくんとラギーさんとキングスカラーさん
グリムとエースくんとデュースくん
それにジャックくんも来てくれると
ユウくんが目を覚ましたから声をかけた
『ユウくん…大丈夫?』
「あれ……ここはどこ?」
エース「後半試合が始まってすぐ、グリムが投げたディスクが
頭に直撃して気絶したの、覚えてない?」
グリム「超ロングシュートを
キメてやろうと思ったんだけどな~」
『…グリム』
グリム「ひぃ!?わ、悪かったんだゾユウ!」
ジャック「初心者が無茶するからだ」
デュース「とにかく目を覚ましてよかった」
エース「てなわけで、お前が寝てる間に
開会式もとっくに終わってもう会場の撤収作業
始まっちゃってるよ」
「どの寮が優勝したかリリィちゃん知ってる?」
『ううん、ユウくんが気になって
試合とか閉会式どころじゃなかったから…』
レオナ「優勝はディアソムニア寮だ」
身体をダルそうに起こしたあの人とラギーさん
二人とも痛そうにしてるけど目が覚めて安心した
ラギー「あーあ、結局…手も足も出なかったッスねぇ
他の寮のヤツらにもボコボコにされるし
今年の大会は散々ッス」
レオナ「チッ……この俺が昼寝以外で保健室のベッドを
使うハメになるなんてな」
ラギー「ディアソムニア寮生は1人もここに
担ぎ込まれてないとこがまた、腹立つッスねぇ」
エース「噂には聞いてたけど、マジでディアソムニア寮長
ハンパなかったわ」
デュース「ああ…凄かったな、お前たちも見たら驚くはずだ」
エース「アレに勝てるイメージ湧かないのはわかる…って
思っちゃった」
ジャック「俺は来年は絶対ディアソムニア寮に勝ってみせる
卑怯な手を使わず、俺の全力を尽くしてな」
レオナ「フン、卑怯な手だって自分の力のうちだろ?」
「まだ懲りてないんですか?」
レオナ「懲りる?どこに懲りる必要が?
今年の大会は俺なりに全力を尽くした
来年もまた、勝つために全力を尽くすだけだ」
ラギー「シシシッ!さすがレオナさん、そうこなくっちゃ」
『…………』
レオナ「…また文句でもあんのか、草食動物」
『いいえ、私はエキシビションしか見ていませんが
…キングスカラーさんがマジカルシフトをしている姿は
誰よりも輝いててカッコよかったと思いました
だから次はケガもない"全力"で戦う試合が見てみたいなって
ただそう思っただけです!』
「「「「(聞いててこっちがテレる発言を
サラッと真顔で良い放った/ッス!!)」」」」
レオナ「……お前」
「あーーっ!おじたん!やっと見つけた!」
グリム「ン?なんなんだゾ、この子ども」
『(この子、キングスカラーさんと耳の形が少し似てる…)』
「レオナおじたん!」
レオナ「……クソ、うるせぇのが来た」
ジャック「レオナおじ………たん?」
レオナ「この毛玉は兄貴の息子のチェカ…………俺の甥だ」
「「「「お、甥~~~~~!?」」」」
『(も、もしかしてこの子が……あのシンバ?)』
ラギー「これが王位継承権第一位の…?」
チェカ「おじたんの試合、カッコ良かった!
今度帰ってきたら、僕にもマジカルシフト教えて!」
レオナ「わかった、わかったから、耳元で大声だすな
お前、お付きのヤツらはどうした?今頃泡食って探してるぞ」
チェカ「おじたんに早く会いたくて
みんな置いて来ちゃった、えへへ」
ジャック「え……っと、レオナ先輩の苦労の種って……」
「この、子ども……?」
グリム「しかも、めちゃくちゃ懐かれてるんだゾ」
レオナ「うるせぇな……じろじろ見てんじゃねぇ!」
『(怒ってても全然怖くない……)』
ライオンキングの時のスカーとシンバの関係とは
少し…ううん、だいぶ違っていて驚いてると
甥子さんがキングスカラーさんのお腹の上に乗ったら
笑顔で話しかけていた
ジャック「レ、レオナ先輩の腹にずかずかと馬乗りに!?」
ラギー「プッ……あはは!こりゃ大物ッスわ
レオナさんが実家に帰りたがらないのは
こういうことだったんスね」
チェカ「みんな、おじたんのお友達?」
エース「くくくっ、そーそー、おじたんのオトモダチ
ね~?レオナおじたん!」
ラギー「お、おじたんって…ッアハハ!
いでで、笑ったら傷に響く~~!」
レオナ「てめーら笑ってんじゃねえ!後で覚えてろ…!」
チェカ「!……あれ?」
レオナ「いっつ!!」
『?』
甥子さんが私の所に近寄ってきて、臭いを嗅いでいた
何故か不思議そうに私を見上げていたから
目線が合うようにしゃがんでみた
子どもでも王子様なんだよね…気をつけよう
チェカ「…おねえたんもおじたんのオトモダチ?」
『…オトモダチ、と言われると少し違う気がします』
チェカ「じゃあ……おじたんの恋人?」
『恋人?』
エース・デュース「「ええええ!?」」
ラギー「それだけは嫌ッスよオレ!!」
グリム「ってか、何でリリィが女だって分かったんだゾ!?」
ジャック「オマエら人間と違って俺達は嗅覚が鋭いからな
臭いで雌ぐらい区別出来る」
「便利だね!」
『私はキングスカラーさんの恋人でもありません』
チェカ「どうして?レオナおじたんカッコいいでしょ?」
『そうですね…マジカルシフトをしている時は
カッコいいと思いました!』
チェカ「そうでしょそうでしょ♪」
ラギー「聞きましたレオナさん?
マジカルシフトしてるとき"だけ"らしいッスよ!」
レオナ「…………」
甥子さんは本当にキングスカラーさんの事を尊敬してるんだ
なら尚更、キングスカラーさんにもその彼を慕う甥子さんにも
幸せになってほしいと思った
『いつかキングスカラーさんを一番に思う相手が
必ず見つかります…もちろん貴方にも』
チェカ「ボクにも?」
『はい、瞳が水色のとても凛々しくてしっかりした女の子と
もうすぐ出会えると思いますよ?』
レオナ「!」
チェカ「へぇ~…楽しみ♪」
『はい!』
確かシンバとナラが出会ったのも
年齢的に同じ位だった気がしたから願望も込めて伝えてみた
最後は二人の間に子どもも出来てて嬉しかったな
チェカ「…おねえたんには、そういう人がいるの?」
『…………』
彼を思い出したら胸が温かくなると
甥子さんに微笑みながらはっきりと伝えた
『…はい、今は遠くにいますけど
彼を忘れた事は一度もありません』
エース・デュース・ラギー「「「!?」」」
ジャック「…リリィ」
「リリィちゃん…」
レオナ「…………」
廊下から甥子さんを呼ぶ色んな声に立ち上がると
手を差しのべたら嬉しそうに手を掴んでくれた
チェカ「おねえたんのお名前は?」
『リリィといいます!』
チェカ「リリィおねえたん…今度お手紙書いていい?」
『ふふふ…楽しみにしてますね!』
チェカ「うん!!」
何故か呼ぶ声が遠くなって
甥子さんの手を引きながら急いで保健室を後にした
エース「…あいつ、恋人いたんだな」
デュース「お、俺が知るわけないだろ!?」
グリム「恋人って何だ?美味いのか!」
エース「アホか!!」
デュース「ユウは知ってたか?」
「う、ううん……知らない」
ジャック「…………」
ラギー「…ジャックくんは知ってたみたいッスね」
ジャック「…まぁ」
レオナ「…………」
*~**~*
オンボロ寮_ユウの部屋
グリム「ユウはいねぇな?風呂か?
…うひひ!ではでしょ本日のお楽しみターイム!
サバナクロー寮に落ちてたのを
こっそり持ってきちまったけど
本当にコレ、飴ちゃんじゃないなら何なんだ?
ま、いっか!オレ様が見つけたんだから
オレ様のものなんだゾ!いっただっきまーす!
ん~~!コレまたちょっぴりビターでピリッとした刺激が
舌を楽しませる大人なお味なんだゾ!
コレを味わえないなんて人間はもったいねぇなぁ~」
____カチッ
グリム「ふな"!?」
『どうしたのグリム?…電気もつけないで』
グリム「な、な、何でもないんだゾ!」
『う~ん……なんかあやしい気がするな』
グリム「そ、それよりユウは風呂からあがったのか!?」
『あ、グリムにお風呂入るように声かけにきたんだった!』
グリム「なら入ってくるんだゾ~!!」
『行っちゃった、いつもなら嫌だってすぐ行かないのに
……ふふふ、仕方ないんだから♪』
扉を閉めようとした瞬間
何か光った気がして扉を開けたけど
何もなかったのを不思議に思いながらゆっくり扉を閉めた
荒野の反逆者 End