荒野の反逆者
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(「生まれたときからずっと、俺の頭の上には
どけられない岩が置かれていた」)
(「もし、俺が第一王子だったらきっとこう言われただろう」)
(「第一王子のレオナ様は思慮深く
強力な魔法を使いこなす魔法士だ、能天気な弟とは大違いだと
それが…第二王子になっただけで忌み嫌われる」)
(「どうやったって、一番にはなれない」)
(「ほんの数年遅れて生まれたというだけで
何故こんな思いをしなくちゃならない?」)
(「どれだけ勉強しようが
どれだけ魔法を使えるようになろうが
生まれてから死ぬまで兄より優秀だと認められることはなく
王にもなれない」)
(「何故、俺は第二王子に生まれた?」)
(「何故、俺は永遠に一番にはなれない?」)
(「__人生は、不公平だ」)
『(キングスカラーさん……)』
*~**~*
グリムの呼びかけに目を覚ましたキングスカラーさんは
不機嫌な様子で身体をゆっくり起こしたけど
驚いた様子で周りを見渡していた
グリム「ずっと気絶したままだったら
どうしようかと思ったんだゾ!
さあ、早く今までの事件は自分が企てましたと自白しろ」
レオナ「なに……なんだって?」
クロウリー「キングスカラーくん、貴方はブロットの
負のエネルギーに取り込まれて暴走し
オーバーブロッドしてしまったのです、覚えていませんか?」
レオナ「この俺が暴走して……オーバーブロッド?嘘だろ……」
グリム「そんなことより
マジカルシフト大会がもう始まっちまう
オマエが自白してくれねーと、オレ様がご褒美に
試合に出してもらえねぇんだゾ!」
レオナ「あぁ…?なんだそりゃ?」
ジャック「こいつら、学園長にマジカルシフト大会に
出してもらうことを条件に先輩たちを追ってたんス」
ラギー「えぇ?そ、そんなことのためにッスか?」
グリム「そんなことぉ!?だったらオマエらだって
そんなことのために怪我人まで出してたんだゾ」
ラギー「うっ、そ、それは……そうッスけど」
クロウリー「今までの連続傷害事件は君たちがやっていた
ということで間違いありませんね?」
レオナ「…あぁ、そうだ」
クロウリー「わかりました、ではまず
君たちサバナクロー寮は今回の大会を失格とします
そして今後の処分については、被害者のみなさんと
話し合った上で決定します、いいですね?」
レオナ「…わかった」
ラギー・ジャック「「…………」」
『(ジャックくん……ラギーさん)』
二人の落ち込んでる様子に悲しくなると
リドルさんが学園長さんに声をかけていた
そこにはトレイさんに長い黒髪の…誰だろう?
でも、今回の事件の被害者さんたちなのはわかった
トレイ「学園長、俺たち被害者全員からお願いがあります
今回の大会、どうかサバナクロー寮を失格にせず
出場させてくれませんか」
『!!』
ラギー「アンタたち……」
ジャミル「いいや、許すわけじゃない」
トレイ「サバナクロー寮に欠場されると…気兼ねなく
仕返し出来ないからな」
ラギー「え、ええっ!?」
ジャック「仕返しだと!?」
『?』
よく分からなくてリドルさんを見たら
含み笑いで私に微笑んでくれてたけど……
リドル「学園内で魔法による私闘は禁止されているからね
マジカルシフトなら、れっきとしたスポーツだろう?」
トレイ「別名"魔法を全開で戦うフィールドの格闘技"
…だけどな」
ジャミル「何があったかは知らないが
サバナクロー寮生のほうが
俺たちよりボロボロみたいだしな」
トレイ「犯人が誰か分かった以上、むしろ俺たちが
恨みを晴らすのにマジカルシフト大会は好都合ってこと」
ケイト「レオナくん、前に自分で言ってたじゃん?
試合中の攻撃は校則違反じゃないって」
リドル「伝統ある競技で私怨を晴らすだなんて
普段なら首をはねてしまいたいところだけど……
トレイたちが"どうしても"と言うからね
今回だけは目を瞑ろう」
「リリィちゃん…何かみんな怖いね」
『う、うん……』
学園長先生が悩んでいたとき
あの人の笑い声に驚いて顔をあげたら
イキイキした顔に目が離せなかった
レオナ「手負いの草食動物を仕留めるなんて
昼寝しながらだって出来る…俺は謝るつもりは毛頭ないぜ?
この俺に謝らせたい奴は力尽くで謝らせてみろ!」
「なんであの人いつも上から目線なんだろ……王子だから?」
『私の知ってる王子様は、みんな優しいはずだけどな……』
レオナ「聞こえてるぞ、そこの草食動物ども」
『「!?」』
思わず近くにいたリドルさんの後ろに隠れてしまった
学園長先生も呆れていた様子だったけど
サバナクロー寮の大会出場を許可してくれて嬉しくなった
ラギー「オレ…アンタのこと許した訳じゃないッスから」
レオナ「あァ、そうかよ」
ラギー「でも……何でスッかね
そんなふうに情けない顔したアンタは
見たくねーなって思っちゃうんスよね
アンタはいつもみたいにふんぞり返って
ニヤニヤしてるほうがお似合いッス……こんな風に!
そら、ラフ・ウィズ・ミー(愚者の行進)!」
レオナ「おひ、ラヒー!ひまふぐふぁめろ!」
ジャック「何やってんだ、あんたら……フッ」
「あ、笑った!」
ジャック「べ、別に笑ってねぇ」
『よかったねジャックくん、一件落着だね♪』
ジャック「…あんたたちには世話になった
おかげで俺もやっと本気を出して戦える」
リドル「ここからは敵同士だ、手加減はしないよ」
ジャック「望むところだ!」