PROLOGUE
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何かのガチャガチャする音に目を開けたけど
真っ暗で狭い場所に閉じ込められてるのは分かった
「やべえ、そろそろ人がきちまうゾ!
早いところ制服を……うーん!!!!
この蓋、重たいんだゾ……こうなったら奥の手だ
ふな"~~~~それっ!!!!」
『っつ!!』
いきなりの青い光に眩しくて目を閉じたけど
段々目が慣れてきたら、目の前に青い炎を纏った
『た、狸……?』
「誰が狸だーー!!!!オレ様はグリム様なんだゾ!」
「…何で棺桶がいっぱい浮いてるの?」
『!?た、助けて!!』
「うわぁ!?」
隣の棺桶から出てきた黒髪の優しそうな男の子の背中に
狸から逃げるように隠れた
な、何なのあの狸!狸って普通浮いたりしないのに!
グリム「まぁいい…そこのニンゲン達
オレ様にその服を寄越すンだゾ!」
『…え?』
私と男の子が着ていたのは何故か黒いマント
でも裾の部分にキレイな黄金の刺繍が施されていて
細かくて丁寧だなって感動していたら
いきなり目の前を青い炎が横切った
グリム「もしその服を寄越さないってンなら…丸焼きだ!」
『丸焼き!?』
「に、逃げよう!!」
『きゃ!!』
グリム「オマエら、待つんだゾ!!」
『(殺されそうになのに、待ってる人なんていません!!)』
男の子に手首を捕まれながら無我夢中で
暗い建物や中庭を走り抜けてたどり着いたのは
図書館だった
「な、何なんだ一体…?」
『(お願いします…夢なら早く覚めて)』
グリム「オレ様の鼻から逃げられると思ったか!」
「『!?』」
絶体絶命のピンチに怖くなって男の子の背中に隠れながら
顔を俯かせた時だった
グリム「な、何ダこの紐!?」
「紐ではありません!愛の鞭です!
…ああ、やっと見つけました
君たち、今年の新入生ですね?」
「し、新入生…?」
『(な、何を言ってるのこの人…それにこの人の声)』
目が覚める前に聞こえた声と同じだ
不思議な仮面を着けているから表情は分からないけど
何故か私を見つめているような気がした
「ダメじゃないですか、勝手に扉から出るなんて
それにまだ手懐けられていない使い魔の同伴は
校則違反ですよ」
グリム「離せ~!オレ様はこんなヤツの
使い魔じゃねぇんだゾ!」
「はいはい、反抗的な使い魔はみんなそう言うんです
それにしても…勝手に扉を開けて出てきてしまった新入生など
前代未聞です、どんだけせっかちさんなんですか?
さぁさぁとっくに入学式は始まっていますよ
鏡の間へ行きましょう」
「…新入生?」
「貴方達が目覚めた沢山の扉が並んでいた部屋ですよ
この学園へやってくる生徒は、全てあの扉をくぐって
この学園へやってくるのです
…通常、特殊な鍵で扉を開くまで
生徒は目覚めないハズなんですが……」
『(あの大量の棺桶は扉だったのね
死体じゃなくて安心したけど…)』
「それまでの世界に別れを告げ、新しく生まれ変わる
あの扉の意匠にはそんな思いが込められているのです」
『え……』
男の人の言葉に耳を疑うと入学式が終わると急かす様子に
男の子が慌てながら声をかけていた
「ま、待ってください!その前に、ここは一体どこですか?」
「おや?君、まだ意識がはっきりしていないんですか?
空間転移魔法の影響で記憶が混乱しているんですかねぇ…」
『ま、魔法って……』
「貴方もですか?…まあいいでしょう、よくあることです
では歩きながら説明してさしあげます、私優しいので」
『(優しい人は、動物を鞭で縛ったりしないような…)』
鞭でぐるぐる巻きにされている狸を横目に
男の人の後ろを静かについて行った
*~**~*
広い中庭のような場所に着くと
男の人が歩きながら説明をしてくれる
「ここは"ナイトレイブンガレッジ"
世界中のから選ばれた類稀なる才能を持つ
魔法士の卵が集まる"ツイステットワンダーランド"
きっての名門魔法士養成学校です」
男の人の正体は学園長先生だった事が判明
名前はディア・クロウリーさんと言うらしい
クロウリー「この学校に入学出来るのは"闇の鏡"に
優秀な魔法士の資質を認められた者のみ
選ばれし者は"扉"を使って世界中から
この学園へ呼び寄せられる…貴方達の所にも
"扉"を乗せた黒い馬車が迎えに来たはずです
古来より、特別な日のお迎えは"馬車"と
相場は決まっているでしょ?」
『…なるほど、確かにそうですね!』
「そうなの?」
『ほら、シンデレラは舞踏会に行くとき
かぼちゃの馬車に乗って行くでしょ?』
「…シンデレラって何?」
『え!?』
まさかシンデレラを知らない人が
この世界にいるなんて思いもしてなくて驚いてたら
学園長先生が扉をあけると、一番最初にいた部屋に着いていた