荒野の反逆者
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申し訳ない気持ちのままハウルさんから離れたら
涙を拭いながらお礼を伝えた
『…もう大丈夫です、ありがとうございました!』
ジャック「…………」
『きゃ!?』
いきなり頭に手を置かれて重たくて頭が上がらない
頭から重みが消えて顔を上げると、ハウルさんは狼のまま
学校の方に向かって走って消えてしまった
グリム「お~い!!」
「リリィちゃーん!」
『!』
後ろを振り返ったら
ユウくんとエースくんとデュースくんがいて
ユウくんに抱かれたグリムは私の所にジャンプすると
受け止めた瞬間、呆れた顔で私を見上げていた
グリム「オメェなー…心配させんじゃねーんだゾ!」
『ごめんなさい…でも、私がここにいるって
どうして分かったの?』
「学園内を探し回ってたらいきなりグリムが走り出して
追いかけたら……」
エース「お前が座ってたってわけ!」
『…そうだったんだ』
デュース「でも、無事でよかった」
『みんな、探してくれてありがとう!』
デュース「お、お、おう!」
エース「…別に~」
グリム「おいリリィ!オレ様、もう腹ペコなんだゾ!」
『ふふふ…頑張って作るから期待しててね♪』
__ぴちゃん、ぴちゃん
『!』
「リリィちゃん?」
『…ううん、何でもないよ!』
*~**~*
(「天地がひっくり返り、新しい時代が始まるんだ」)
(「あたいたちハイエナは?」)
(「最後まで聞け、シンバを殺すんだ父子もろとも
そして俺が王になる!」)
(「いいぞ、王様万歳!!」)
(「…牙と野心なら誰にも負けない、覚悟しておけ!」)
『(どうしてそんなに王様になりたいの…?)』
午前中は学園長先生の書類の整理やお部屋の掃除をして
お昼になって中庭のベンチで一人お弁当を食べてた時だった
ラギー「…リリィちゃん」
『!…ラギーさん』
元気のないラギーさんに微笑んだら
すごく驚いた表情をしていた
『ラギーさん、お昼もう食べましたか?』
ラギー「え?ま、まだッスけど……」
『なら一緒に食べましょう!お昼ご飯まだ買ってませんか?
もしよかったら私のお弁当どうぞ!』
ラギー「…頂くッス」
『はい、召し上がれ♪』
サンドイッチを手にとって黙々と静かに食べるラギーさんに
心配になって声をかけてみた
『あの…サンドイッチ美味しくなかったですか?』
ラギー「いや、めちゃくちゃ旨いッス」
『それが聞けて安心しました!』
ラギー「…ごめん」
『え?』
ラギー「昨日…助けてやれなかったッス」
『…………』
食べかけのサンドイッチを置いたら
昨日の出来事を思い出したけど
悲しい気持ちは込み上げてこなかった
『…ハウルさんに私を助けるように伝えてくれましたよね?
その後もグリムを私の所まで連れてきてくれて
…ありがとうございました!』
ラギー「…オレは世界をひっくり返したいんッス」
『え?』
ラギー「伝説の百獣の王と手を組んだハイエナだって
自分たちの境遇をひっくり返すために百獣の王に従った
…オレも同じことをしてるだけッス
マジフトで優勝して一流企業に就職して
金に困らない生活をするために」
『…でもラギーさんが他の人達に怪我をさせたことは
絶対に許せることじゃありません
だって、怪我をした人達の中にはラギーさんのように
マジフトで活躍して一流企業に就職したいと
思ってる人達がいたかもしれない
その夢をラギーさんが奪う権利はありません』
ラギー「…………」
残りのサンドイッチをラギーさんに渡したら
歩きだした私に、ラギーさんが私の名前を叫んだ瞬間
ラギー「…っ、俺は夢を絶対諦めないッス!!」
『…………』
ラギーさんに『頑張って下さい』って言えないのがツラくて
俯きながら静かにその場を後にした