真紅の暴君
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___数日後、ハーツラビュル寮 パーティー会場
なんでもない日のパーティーに招待を受けた
私とユウくんとグリム
寮生の合図で堂々と登場したローズハートさんは
凛々しくとても輝いて見えた
リドル「うん、庭の薔薇は赤くテーブルクロスは白
完璧な"なんでもない日"だね
ティーポットの中に眠りネズミは……って
いや、いなくてもいいか」
トレイ「そんなに急に変えなくたっていいさ
ジャムはネズミの鼻に塗らなくたってスコーンに塗ればいい
絶対ないとダメ、じゃなくてあったっていいに
していけばいいだけだろ?」
リドル「うん、そうだね…………ちょっと待って!」
ローズハートさんの声に驚いて指をさしている方向を見たら
白い薔薇が残っていた…多分塗り残しちゃったのかな
皆の慌ててる様子や声にローズハートさんを見たら
目が合ったからお願いしてみた
『ローズハートさん、一緒に薔薇の花を赤く塗りませんか?』
「「「「「「え!?」」」」」」
リドル「…そうだね、皆で塗れば早いだろうしね」
エース「って塗るのは変わんねーのかよ!」
皆が魔法で薔薇を赤く変えていく
私も持ってきたペンキで丁寧に薔薇を赤く塗っていたら
リドル「見ててリリィ、一瞬で赤くなるよ」
『!!』
五本の薔薇を一気に白から赤に塗り変えてしまった
周りの皆も「すげー!!」と盛り上がっていて
改めてローズハートさんの魔法の強さを実感していると
エース「で、寮長の詫びタルトは結局どうなったの?」
リドル「ち、ちゃんと作ってきてるよ!」
トレイ「うんうん、形は少し不格好だけど
苺の艶を出すナパージュを塗るひと手間もかけてるし
初めてにしては上出来じゃないか」
エース「はい、すかさず甘やかし入りました~
ほっといて実食といきますか」
ケイト「あっ、レアなタルトの写メ撮るから
切るのちょっと待って!…はい、オッケー!」
エース「先輩もマジぶれないよね……んじゃ、いただきまーす」
グリム「パク!!」
デュース「…ん!?」
トレイ・ケイト「「こ、これは……」」
「「「「「しょっぱい!!!!」」」」」
『え!?』
まさかの言葉に驚いてたとき
料理を作ってる時の場面を思い出した
リドル「厳密に材料を量って、ルール通りに作ったんだ
そんな間違いないはず……」
『ローズハートさん…あの"オイスターソース"って
どのくらいいれたんですか?』
リドル「だ、だって適量とか言われてもわからないだろ?
何cc使うのか正しく正確に教えておいてくれないと!
だから砂糖と同じくらいの量を……」
ローズハートさんが昔トレイさんに
レシピには載ってないけど美味しいタルトには絶対隠し味で
オイスターソースを入れていたって言うのを聞いていた
何の躊躇いもなく入れてもらってたけど……まさか
『いただきます!』
リドル「…ど、どうだい?」
『…………』
リドル「……リリィ?」
『…っ……ふふふ……しょ、しょっぱ~い!!』
リドル「!?」
なんかもう可笑しくてお腹を抱えて笑ってたら
周りの皆も笑いはじめて訳がわからなくなっていた
トレイ「あははは!まさかあの冗談を真に受けて
本当に入れる奴がいたなんて…あははは!」
リドル「…あは、あはは、そうだね
馬鹿だな、ボク……あはははっ!」
デュース「はは、不味すぎて笑えてきたな」
エース「つーか、コレもう笑うしかなくね?ははっ」
グリム「でも、なんかこれはこれで
美味しい気がしてきたんだゾ!」
『確かに!』
「リリィちゃん!?」
『ふふふ♪』
__この俺は摩訶不思議、魔力を持った猫だ
そこらの奴らとは、偉さが違うよ♪___
『この歌は…!』
「久しぶりだにゃあ~リリィ♪」
リドル「チェーニャ!何でここに!?」
『チェシャ猫さん!』
リドル・トレイ「「チェシャ猫さん!?」」
頭だけのチェシャ猫さんに笑顔で挨拶すると
身体を出してくれた
チェーニャ「そうそう、なんでもない日おめでとう、リドル♪」
リドル「なんでもない日はハーツラビュル寮の伝統行事だ
キミには関係ないだろう?」
チェーニャ「それはそっちの人たちと同じじゃにゃーの」
リドル「彼らはボクが招待したんだ!
キミは早く学校に戻ったらどうなんだい?」
「学校…?」
トレイ「チェーニャはナイトレイブンカレッジの
長年のライバル学校、ロイヤルソードアカデミーの生徒だ」
デュース「えぇ!!違う学校の生徒!?」
エース「しかもロイヤルソードアカデミー!?」
『(他にも魔法学校があるなんて…素敵!)』
何故か周りのハーツラビュル寮の人たちが殺気立っていて
チェシャ猫さんは私の目線に合うようにしゃがんでくれると
楽しそうに笑いかけてくれた
チェーニャ「リリィが教えてくれた歌が
学校で大人気だにゃ~て」
『それは良かったです!
この歌を聞いたらすぐにチェシャ猫さんって分かるので!』
チェーニャ「また会いにくるから楽しみにしてろよ♪」
『はい、楽しみに待ってます!』
リドル「…………」
リドルさんが私とチェシャ猫さんの間に入ると
右手をビシッと決めていた
リドル「さぁチェーニャ!見つからないうちに
ロイヤルソードアカデミーに帰るんだ!」
チェーニャ「…ふ~ん♪」
リドル「な、何だい…?」
チェーニャ「へぇ~あのリドルがにゃ~ 」
リドル「だから何だ!」
チェーニャ「…知りたいかにゃ?」
リドル「!」
チェシャ猫さんが消えると
右肩に重みを感じて振り返った瞬間
____チュ
トレイ・ケイト「「!!」」
エース・デュース「「!?」」
グリム「あいつリリィに何したんだ?」
「え、えっと……」
チェーニャ「頂いちゃったんだにゃ~」
リドル「…………」
チェシャ猫さんにほっぺにキスされた恥ずかしさよりも
くすぐったさの方が強くて
簡単に女の子にキスしちゃダメですって
注意しようとした時だった
トレイ「チェーニャ…相手を考えるんだ」
ケイト「そうだよ~男の子同士がイチャイチャしても
映えないからねー?」
『(…あれ?)』
デュース「…セーフだリリィ」
エース「まぁ、口じゃなかっただけいいんじゃねーの?
よかったじゃん、ファーストキスが男にならなくて」
『(も、もしかして皆さん…私の事)』
嫌な考えが頭に浮かんだとき
グリムの一言でその場の空気が凍りついた
グリム「お前ら勘違いしてねーか?リリィは女なんだゾ!」
「グ、グリム!?」
ケイト・トレイ「「え……」」
エース・デュース「「……は」」
リドル「…今、何て言ったんだい?」
グリム「だ~か~ら~!!リリィは女なんだゾ!!」
「「「「「「えぇ~~!!!?」」」」」」
チェーニャ「フフフ…大変な事になりそうだにゃ~?」
『…………』
五人の驚いた声がしばらく会場に響いていたけど
…私って、そんな女の子っぽくないのかな
真紅の暴君 End