真紅の暴君
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『(あの黒い影って…ハートの女王!?)』
リドル「ククク……ハハハハハ!!
ボクに逆らう愚か者ども、そんな奴らはボクの世界にいらない
ボクの世界ではボクこそが法律、ボクこそが世界のルールだ!
返事は「ハイ、リドル様!」以外許さない!
ボクに逆らう奴らは、みんな首をはねてやる!
アハハハハハ!!!!」
クロウリー「ああ、なんてことだ!私がついていながら
生徒を"オーバーブロット"させてしまうなんて!」
グリム「オーバーブロットってなんなんだゾ!?
アイツ、めちゃくちゃ邪悪な感じに変わっちまった!」
学園長先生の話では「オーバーブロット」とは
魔法士が一番避けなくてはいけない状態らしくて
ローズハートさんは負のエネルギーに囚われて
感情と魔力のコントロールを失っているらしい
トレイ「このまま魔力を放出し続ければリドル自身の命も危ない」
グリム「命ぃぃいぃい!?」
『そ、そんな…!!』
クロウリー「とにかく生徒の命が最優先事項です
他の寮生は私が避難させましょう
ローズハートくんの魔力が尽きる前に正気に戻さねば……
とにかく、君たちは他の教員と寮長たちに応援を養成して」
エース「だらあああ!!くらえ!!」
デュース「いでよ!大釜!」
グリム「ふな"~~~~~!!!!」
「「「えぇ!?」」」
「いいぞ三人とも!!」
『が、頑張って!!』
リドル「…貴様ら、何のつもりだ?」
グリム「アイツ、あのままじゃ
大変なことになっちまうんだゾ!?」
デュース「さすがにそこまでいくと寝覚めが悪い、それに……」
エース「まだ「ボクが間違ってました、ごめんなさい」って
言わせてねーし!」
トレイ「…お前たち……分かった!
少しの時間なら俺がリドルこ魔法を上書きできる
俺は……あいつに伝えなきゃいけないことがあるから」
「力を合わせてリドル寮長を止めよう!」
リドル「どいつもこいつも良い度胸がおありだね…
みんなまとめて首をはねてやる!」
*~**~*
(「ボクは、ずっと真っ赤な苺のタルトが食べてみたかった」)
(「分刻みで詰め込まれるありとあらゆる学問
出来なければ出来るまで延長される学習時間」)
(「トレイとチェーニャと遊ぶのはすごく楽しかった
知らないことやったことない遊び
二人はたくさん教えてくれた」)
(「それから1日1時間たげの自習時間は
毎日お母様に内緒で部屋を抜け出した…時間を忘れて」)
(「ルールを破れば楽しい時間まで取り上げられてしまう
だからお母様の決めたルールは、絶対に守らなきゃ」)
(「この街で一番優秀なお母様はいつでも正しいはずだから」)
(「でも…ねぇママ、何でだろう?
何故だかとっても胸が苦しいんだ」)
(「お誕生日だけでいいから、いっぱいタルトが食べたい
お外でいっぱい遊びたい、もっといっぱいお友達が欲しいよ」)
(「教えて、ママ…どんなルールに従えば
この苦しさは消えるの?」)
『(どうしてローズハートさんの声が聞こえるの…?)』
皆の呼び声で目を開けたローズハートさんはとても驚いていて
状況が理解出来ていない様子だった
ケイト「ハァ~…マジ、もう起きなかったらどうしようって
超焦った……」
リドル「はぁ……はぁ……ボクは……一体……?」
トレイ「今は何も考えなくていい、寝てろ」
エース「あーっ、そうやって甘やかすから
ちょっと怒られただけで暴走とかするんですよ!
庭は滅茶苦茶だし、こっちもヤバいとこだったんだからな!」
デュース「確かに、ヤバかったな」
グリム「まったく、ストレス溜めるとろくなことがねぇんだゾ」
リドル「……ボク……本当はマロンタルトが食べたかった
」
エース「へ?」
リドル「薔薇は白だっていいし、フラミンゴもピンクでいい
お茶に入れるのは角砂糖より蜂蜜が好きだし
レモンティーよりミルクティーが好きだ
みんなと食後のおしゃべりだってしたい……」
トレイ「リドル…?」
リドル「ずっと、もっとトレイたちと遊びたかった…
う、うう……ううう……わぁあああん!!」
ケイト「うっそ……あのリドルくんがギャン泣きしてる」
『…………』
泣いてるローズハートさんに近づいて膝をついたら
ローズハートさんに話しかける
『どんなにツラくてもルールをずっと守り続けてきた
ローズハートさんを尊敬します
決められた事を守るって………本当に大変だから』
リドル「…っ、………」
『でも今回のリドルさんのやり方は間違ってます
法律(ルール)は皆を守るためにあるはずなのに
皆を苦しめてしまうのなら、それは法律とは言いません』
リドル「…ううう、っ、うう!!」
『そうですよね…トレイさん』
トレイ「ああ…リドル、お前のやり方は間違ってた
だからみんなにちゃんと謝るんだ」
リドル「…うっ、ぐす……ごめんなさい…ごめんなさい!!」
エース「…オレ、寮長が今までの行動を謝ってくれたら
言おうと思ってたことがあんスけど
ゴメンの一言で済むわけねーだろ!
絶ッッ対許してやらねーーー!!!!」
『!?』
エースくんの言葉に驚くと
エースくんが指を指しながらローズハートさんに言い放った
エース「こっちは散々コケにされてたわけだし?
せっかく苦労して作ってた手作りマロンタルト
捨てられたわけだし?
涙ながらに謝られたくらいじゃゆるせねーなぁ」
グリム「コイツ、オレ様より根にもつタイプなんだゾ」
リドル「そんな……じゃあ……どうすれば」
エース「…オレ、しばらくは誕生日じゃないんだよね」
デュース「は?お前何を言って……」
エース「だから、"なんでもない日"のパーティーの
リベンジを要求する」
『!』
エースくんの言葉に驚いて顔を上げたら
してやったりの顔でローズハートさんを見つめていた
エース「オレたち、結局パーティーに参加できてねーし
そんでこんどはお前がタルトを作って持って来いよ
あっ、トレイ先輩に手伝ってもらうのはナシだから!
自分で苦労しろ!
…そしたら、許してやらないことも、ない」
「自分は手伝ってもらったくせに……」
エース「うるせーよ、監督生」
『…ふふふ』
エース「な、何だよ……」
『素直じゃないなって…可愛く思えて!』
エース「……はぁ!?」
小さく「分かった」って頷いてくれた
ローズハートさんと目が合ったのに
何故か彼はすぐに俯いてしまった